おがわの音♪  第281版-第300版



 おがわの音♪ 第300版      

日本のITはなぜ弱いのか? 日米でこんなに違うプログラマーの扱い 

アメリカのIT業界の場合、プログラマーはプロアスリート並みに丁重な扱いを受け、新しいものを生み出す環境が備わっているそうです。それに比べると、労働時間や環境も含め、あまりにもぞんざいな扱いを受けている日本のプログラマーたち。

世界的プログラマーの中島聡さんは、「日本のITが弱い理由」について、このプログラマーの扱いの違いこそ日米の差に表れていると厳しい口調で指摘しています。


 おがわの音♪ 第299

日本は「移動するIOT」をどう考えるべきか? ~ 産業用ドローンへの取り組み 

 ドローンは、移動しながらインターネットにつながるロボットであり、「移動するIoT」と呼べる。

今回は、ドローンを「移動するIoT」と捉えつつ、さまざまな角度から考察していく。 

組込みシステム技術協会(JASAIoT技術高度化委員会 ドローンワーキンググループでは、経済産業省の「新産業構想ビジョン『移動する』(ヒトの移動、モノの移動)」に応えるべく、ドローンをテーマに活動している。JASAはドローンを移動しながらインターネットにつながるロボットと考えており、それはまさに「移動するIoT」の実現だ。

今回は、ドローンをテーマに「移動するIoT」を考える。


 おがわの音♪ 第298

民法改正を知らない人は損するかもしれない 

 2020年前半、改正民法が施行される。

その改正内容を知らぬまま、何も対応しないでいる企業は、たとえば施行日以後、次のようなことに見舞われても不思議ではない。運送業者やeコマース、銀行、保険などの企業が顧客との取引で日常的に使う「約款」。約款とは「画一的・集団的な契約において、契約の迅速・安全を期する目的で、あらかじめ定型的に定められた契約条項」(百科事典マイペディア)だ。

企業と個人がこれに基づいて取引・契約する場合の内容、権利義務関係が細かく示されている。


 おがわの音♪ 第297

   GEヘルスケア、「日野工場のノウハウを医療機関へ」 

   生産現場の知見で病院経営を支援するIoTサービスを発売 

  「自社工場の効率改善を通じて得た知見を、病院経営の課題解決に向けて提供する。

医療の質や患者の満足度が高まり、病院の経営も改善するという良好なサイクルを生みだしたい」(GEヘルスケア・ジャパン 代表取締役社長兼CEOの多田荘一郎氏)――

 GEヘルスケア・ジャパンは2017810日、医療機関の経営や部門運営の改善を支援する「Applied Intelligence 医療データ分析サービス」を発売した。病院内の人やモノをネットワークで接続し、そこから集めたビッグデータを分析することで、医療機器の稼働効率や医療スタッフの業務効率を高める「Brilliant Hospital」構想の一環である。

自社の生産現場で得た知見を医療機関の経営支援に活用し、画像診断装置の単体売りではない高付加価値サービスを提供する。 同社は810日に日野本社(東京都日野市)で記者発表会を開催。サービスの概要を説明するとともに、XCT装置や超音波プローブなどの生産拠点である同社日野工場の一部を報道陣に公開した。  


 おがわの音♪ 第296

     コンピュータがこの10年で迎える限界の正体 

 今回のおがわの音♪は、『週刊東洋経済』8月21日発売号「教養としてのテクノロジー」 に連動したテクノロジー(テック)賢人へのインタビューから、2つの記事を掲載します。

現在、急速に商用化が進むAI(人工知能)は、GPUというプロセッサ(半導体)を搭載したコンピュータで、大量のデータを処理することで動いている。GPUは元々、ゲームのコンピュータ・グラフィックスなどを処理する画像処理用半導体で、これがAIなどのコンピュータ・システムに搭載されるようになったのはこの10年のこと

。そしてこのGPUコンピューティング(GPGPU)の本格運用に世界で初めて成功したのは、実は日本のコンピュータ研究者だ。

GPGPUの始祖である松岡聡・東京工業大学学術国際情報センター教授。コンピュータの未来を聞いた。

 

  天才プログラマーが予測する「AIが導く未来」

AI(人工知能)ベンチャー・UEIの清水亮社長。清水氏は高校時代からコンピュータ雑誌でプログラミング関連の連載を持ち、大学在学中には米マイクロソフトの次世代ゲーム機の開発に携わったという“天才プログラマー”(独立行政法人情報処理推進機構が認定した公称)である。近年はAIの研究開発にのめり込んでいる清水氏に、AIをめぐるド素人な質問をぶつけてみた。


 おがわの音♪ 第295

    トランプ大統領が右腕「バノン首席戦略官」をクビにした皮肉な理由  

 「アメリカ・ファースト」等のナショナリズム的思想を前面に押し出し、トランプ氏を米国大統領に押し上げた立役者、スティーブ・バノン氏。しかし、ここに来てトランプ大統領はバノン氏を退任させました。

一体なぜ?国際関係研究者の北野幸伯さんが、その理由を詳しく分析します。 


 おがわの音♪ 第294

     埼玉・川越で250年以上続く老舗醤油屋の秘密 

  日本人の食生活に欠かせない調味料である“醤油”。

製造の機械化が進むなか、今も伝統的な醤油づくりを続けているのが、埼玉県・川越市で1764年に創業した松本醤油商店だ。

2年間かけて熟成させる「はつかり醤油」をはじめ、すべての醤油を昔ながらの天然醸造で仕込むことができるのは、江戸時代から残る醤油蔵があるから。


 おがわの音♪ 第293

   甲子園で秀岳館に見た「嫌われる勇気」の成果  

 817日の2回戦で広陵(広島)に敗れ、引き揚げる秀岳館(熊本)の鍛治舎巧監督(中央)と選手たち。

この夏を最後に勇退する鍛治舎氏は、パナソニックで専務役員を務めた異色の経歴を持つ。

2014年から監督を務めてきたが、チーム作りや采配でしばしば物議をかもしてきた(写真:共同通信社) 


 おがわの音♪ 第292

     ソフトバンクの「解約率」から見えてくる、都合のいい数字の作り方

  87日に行われたソフトバンクグループの決算会見の中で、孫正義社長は「解約率が大幅に改善している」と発表しました。

孫社長が発表した資料では、はじめてソフトバンクがKDDIの解約率を下回ったとのこと。

しかし、スマホジャーナリストの石川温さんは、孫社長の発表した解約率が「眉唾もの」である根拠を挙げ、大手通信事業者3社の「本当の解約状況」を暴露しています。  


 おがわの音♪ 第291版       

働き方改革のカギはSONYが実践した「人間性経営」     

  3月28日の働き方改革実現会議で、「働き方改革実行計画」がまとまった。

時間外労働の上限規制や、非正規労働者の処遇改善を促す「同一労働同一賃金」などに一定の道筋を付けたことには意義があるだろう。 しかしながら、本来、生産性や創造性の向上に最も寄与するのは、「働く人たちのモチベーションを高め幸福度を上げるための取り組み」だ。

 そう考えると、会社における管理職の責務はきわめて重い。

その資質が、率いるチームの生産性や創造性に大きく影響することは論をまたないだろう。

管理職には、単なるマネジメントの域を超えたリーダーとしての資質が求められる。

迅速で明確な意思決定、チームメンバーや関連部署との緊密なコミュニケーション、上位の管理職や経営層との信頼関係構築など、管理職がこれらの責務に対してどのような資質を持ち、取り組むかはチーム全体の成果を大きく左右する。 


 おがわの音♪ 第290版  

世界のエリートが本の「多読」をしないワケ 

 世界中から優秀な人物が集まり、しのぎを削る最高峰ビジネススクール、ハーバード。

その学生は、古今東西、大量の本を読みあさっている、そんな「読書家」というイメージがあるのではないでしょうか。

しかし、元・サンリオの常務で、現在はLINEの社外取締役やスタンフォードの客員研究員を務める鳩山玲人氏の見方は異なります。日本と海外の学び方の違いを元に、自身も実践する「必ず結果につなげる」本の読み方を紹介します。


 おがわの音♪ 第289

     積水ハウスまで騙された「地面師」暗躍の実態

  大手ハウスメーカーである積水ハウスが、東京・五反田駅近くの土地を購入のために63億円を支払ったにもかかわらず、土地の所有者側の提出書類に真正でないものが含まれていたことを理由に法務局に登記を拒否され、その後売り主と連絡が取れなくなっているという事件が、業界を揺るがせている。  


 おがわの音♪ 第288

       2年後の「消費税10%」が日本経済にトドメをさすこれだけの理由  

  「不況に慣れてしまった日本人の節約傾向」が不景気に見せているだけで、実際のところはようやく上向き始めたと言われる日本経済。この傾向は少なくとも2020年の東京オリンピックまでは続くと見られています。

しかし、『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で経済にも詳しい北野幸伯さんは、2019年の10月に安倍総理が本当に消費税を上げれば、日本は瞬く間に「不景気スパイラル」に陥ると警鐘を鳴らしています。  


 おがわの音♪ 第287

    油断してたらお腹がポッコリ! なぜ「贅肉」は腹からつくのか?   

  「最近、おなかまわりだけ贅肉がついてきた」という方はいませんか?「贅肉」とは、一般的に余剰な皮下脂肪組織を指します。それではこの贅肉、「おなかまわりだけにつく」ということはあるのでしょうか?そもそも、贅肉とはどこからつくものなのでしょう? 

今回は、この贅肉の、キーワードとなる脂肪について、詳しく説明します。 


 おがわの音♪ 第286版  

 ジャパンディスプレイ、4期連続赤字で孤立 

 「ここまで大変だとは思っていなかった」――。

89日に行われた、液晶メーカー大手・ジャパンディスプレイ(以下、JDI)の第1四半期(20174月~6月期)決算会見。

6月に就任したばかりの東入來信博(ひがしいりき・のぶひろ)会長兼CEOは、そう心情を吐露した。それもそのはずだ。

2016年度は3期連続の最終赤字に沈んだJDIだが、今期も苦しい状況に立たされている。

1四半期は売上高が1885億円(前年同期比108%)、営業赤字は144億円となった(前年同期は34億円の営業赤字)。

最大顧客のアップル・iPhone向け販売が前年同期に比べ伸びたため増収となったものの、昨年末に稼働した新工場の固定費増などにより赤字が拡大した。


 おがわの音♪ 第285版  

東レと東洋紡、エアバッグ生地で首位争奪戦  

 車の衝突事故時に運転手や同乗者の命を守るエアバッグ。

その生地(基布)で世界首位の座を目指し、日本の繊維大手である東レと東洋紡が激しい火花を散らしている。

東レは世界5カ所目となる織布工場をインドで稼働させたのに続き、2018年には原糸から基布まで一貫生産する新工場を米州で立ち上げる。東洋紡も今2017年度からの4カ年で総額100億円を投じ、タイや北米など海外織布工場の生産能力を大幅に上げる計画だ。 


 おがわの音♪ 第284版  

    孫社長「買収は近く意思決定する、話せない」 

  87日、ソフトバンクグループが20183月期の第1四半期(46月期)決算を発表した。

売上高は前年同期比2.8%増収の21860億円にとどまったが、営業利益は同50%増益の4792億円だった。

今期からソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下SVF。ソフトバンクが主導し、テクノロジー企業を中心に投資するファンド)が新規連結となり、米半導体大手NVIDIAの評価益を中心とするセグメント利益1052億円が増益に貢献した。

SVFは主にインターネット関連に出資する10兆円規模の巨大ベンチャーファンドで5月に初回クロージングを終えたばかり。

ソフトバンクの出資比率は2割台にとどまるが、運用をソフトバンクが担当するために支配力基準で連結対象となっている。  


 おがわの音♪ 第283版  

「ディーゼル神話」崩壊、ドイツがEVへ急転換 

  トヨタはハイブリッド車が欧州で絶好調     

  2040年までにディーゼル車、ガソリン車の販売を禁止する──。

フランス、そして英国が7月、内燃機関のみで走る車への抜本的な規制導入の方針を発表し、世界に衝撃が走った。

元凶はディーゼル車だ。力強い走りやハイブリッド車(HV)並みの燃費に加え、税制優遇のメリットもある。

「クリーンディーゼル」といううたい文句で、欧州の乗用車販売で半分以上を占めてきた。だが、その虚構性が明るみに出た。


 おがわの音♪ 第282版   

   5Gは商品開発の段階へ。開発競争力の鍵はソフトウエア無線を利用したアプローチ  

 5世代移動通信システム「5G」のサービスインが目前に近づいてきた。

そして、各企業が進める技術開発は、「研究開発の段階」から、市場投入する基地局や端末を対象にした「商品開発の段階」へと移行した。

4G以前とは、段違いに複雑で高度な技術を採用する5Gでは、商品開発に立ちはだかる技術課題も複雑で困難なものとなる。

商品開発手法に新たな発想のブレークスルーの導入が必須になる。ナショナルインスツルメンツ(NIは、商品開発へのソフトウエア無線(SDR)技術の活用を提案。

 5G向け商品の競争力を生み出す強力な武器になりそうだ。

  2017年中に米Verizon社が部分的なサービス展開を開始、さらに2018年には韓国のKorea Telecom社がトライアルサービスを開始――。携帯電話サービスプロバイダーによる5Gのサービスインに関するニュースが、続々と伝えられる時期になった。

 5Gの商用化は、高精細動画やVRのような大容量コンテンツの配信サービスや、低遅延での大量同時通信が必須となるIoT関連サービスなど、次世代情報サービスを提供するうえでの大前提である。

これまで進められてきた要素技術の研究開発は、ほぼ完了した。そして、28GHz帯を利用した「5GPhase 1」の仕様は2018年中に固まる見通しであり、より高い周波数帯を利用する「5GPhase 2」の仕様策定の準備も始まった。

 基地局や端末のメーカー各社は、いよいよ視界に入ってきた サービスインを見据えて、具体的な商品開発の動きを加速している。5G関連の技術開発は、「研究開発の段階」から「商品化の段階」へと、完全に移行したと言える。


 おがわの音♪ 第281

      シャープがヘルスケア本格参入、「AGEsセンサ」発売 

 シャープ関係会社のシャープライフサイエンスは201784日、体内に蓄積すると生体に悪影響を及ぼすとされる最終糖化産物(AGEsadvanced glycation endproducts)の蓄積レベルを、指先を挿入するだけで非侵襲で測定できる「AGEsセンサ」を発売した。シャープがヘルスケア・メディカル関連事業を親会社の鴻海精密工業との共同出資体制に改めてから、第1弾となる新製品。シャープはこれを皮切りに、“未病”領域を中心とするヘルスケア分野に本格参入する。