おがわの音♪  第261版-第280版



 おがわの音♪ 第280版      

 トヨタとマツダがEV戦争に「結婚」で挑む事情  

  「本気の証し」として500億円の相互出資も

 2年越しでようやく「結婚」に至った――。 

トヨタ自動車とマツダは84日、米国での合弁生産や電気自動車(EV)技術の共同開発などに向け、相互に出資する資本提携で合意したと発表した。両社は2015年に環境・安全技術分野を軸とした包括提携を表明していたが、目立った成果は出ていなかった。今回新たに相互出資にまで踏み込み、ようやく具体的な取り組みが始まる。

トヨタはマツダが実施する第三者割当増資を引き受け、102日付けでマツダ株の5.05%を500億円で取得。同時にトヨタは、マツダに500億円分(0.25%)の自己株式を割り当てる。


 おがわの音 第279

  「アドラー心理学」を学べば生き方が変わる 

    過去のトラウマはなく人はつねに変わりうる 

アルフレッド・アドラー自身の原著に立ち返り、『アドラーをじっくり読む』を書いた哲学者の岸見一郎氏によると、「アドラー心理学」には誤解も多いという。
 ──それほど誤解だらけなのですか。

共著の『嫌われる勇気』は今月豪州で英語版が出て、日本、韓国、台湾、中国、タイそれに豪州の合計で、刷り部数 は420万を超えた。このヒットを受けて、アドラーの関連書が矢継ぎ早に出版されたが、必ずしも原典を読まず、内容を きちんと知らずに書かれた本が少なくない。それを正していきたいとの思いがある。・・・


 おがわの音♪ 第278

 サイバーエージェント「才能開花」人事の本質  

    社員の「強みを活かす」会社が勝ち残る理由   

かつての日本企業のよい面を残しつつ、時代に合わせた革新的な人事制度を作り上げるサイバーエージェント。

20177月、取締役人事統括を務める曽山哲人氏が『強みを活かす』PHPビジネス新書)を出版した。

書籍化のきっかけは、PHP研究所からサイバーエージェントへの取材依頼だった。パナソニック創業者である松下幸之助の哲学が、どのように広がっているかをPHP研究所内で議論したところ、「適材適所」を重視するカルチャーを持つサイバーエージェントが、これを実践しているのではないかという結論になったという。

「人材育成」という言葉を使わず、社員の「才能開花」を目指しているという同社は、何を考えているのか。曽山氏に話を聞いた。 


 おがわの音 第277

     薄利多売をやめなければ経済成長は望めない  

   日本は低収益・低賃金でいつまで頑張るのか  

日本では今後さらに高齢化が進む。

これまでと同じように15~64歳までの人口を労働力の中核となる生産年齢人口だと考えていると、労働人口が大きく減少してしまうことは避けられない。

国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(平成29年推計)」では、生産年齢人口は2015年の7728.2万人から2065年には4529.1万人へと大きく減少すると予想している。

政府は、65歳以上の高齢者の就業促進や、子育てをしながら就業をすることがより容易になるような社会への転換で、労働力の減少を緩和しようとしている。

それでも現実に起こる労働投入量の減少は、みかけの労働力人口の減少よりもずっと深刻なものとなる恐れが大きい。 


 おがわの音♪ 第276

      「阪急うめだ本店」なぜ婦人服が絶好調なのか

     衣料品が売れなくなって久しい。

日本百貨店協会によると、全国百貨店における衣料品の売り上げは20176月まで20カ月連続の前年割れ。

衣料品、特に婦人服は百貨店の主力商品であり、その低迷は百貨店の業績にも大きな影響を与えている。

そんな中にあって、売上高を前年同期比で2割も増やす売り場がある。大阪・梅田にある阪急うめだ本店の婦人服売り場だ。


 おがわの音♪ 第275

      関東を2度も襲った震度4の衝撃。首都直下大地震は発生するのか?

82日未明と早朝に首都圏を2度も襲った、いずれも茨城県を震源とする震度4の地震。

この地震の揺れにより、睡眠を妨げられたという人も多いのかもしれません。

大震災レベルではありませんでしたが、近年、南関東周辺は首都直下巨大地震の危険性が囁かれており、油断を許さない状況になっています。地震予知界の権威である識者たちの間でも、首都圏の大型地震発生はここ数年のあいだ継続して懸念されており、今回の地震が前兆の一部と捉えられる向きがあっても不思議ではありません。

そんな中、今回の震源地や発生規模と同じものを事前に公表し、今後も継続して警戒が必要だと発信しているのが、地震予知界の重鎮の一人である電気通信大学名誉教授の早川正士氏です。

早川教授は、自身のメルマガ81日号で、茨城、福島、千葉周辺にM5.0規模の地震が1日より一週間以内に発生すると予知。

そして、メルマガ発行翌日の未明と早朝に今回の地震が実際に発生しました。


 おがわの音♪ 第274

    タカタ破綻で注目、「エアバッグ」生産の裏側

 「発射します。321、ドーン!」

自動車のフレームを載せた台車が激しく動くと、運転席のエアバッグが大きな音を立てて展開し、シートベルトを締めたダミー人形の上半身を受け止めた。

エアバッグは車の衝突事故の際、瞬時に膨らみ、シートベルトと合わせて乗員への衝撃を緩和する安全装備だ。

衝突をセンサーが感知し、エアバッグが膨らみ、しぼむまでにかかる時間は、わずか0.020.03秒。0.10.2秒とされる人間のまばたきよりも短い時間で作動する。富士山のふもと、静岡県富士宮市に本拠を構える自動車部品メーカーの日本プラスト。

7月中旬、同社の開発拠点でエアバッグの展開実験が行われていた。周辺に点在する工場でエアバッグやステアリング(ハンドル)、樹脂部品などを生産し、日産自動車やホンダ、スズキを中心に供給している。

日本プラストは運転席のエアバッグで国内シェア15%の2位、助手席のシェアは約5%で5位。

この両方で国内トップシェアを握るのが、トヨタ自動車系列の豊田合成 だ。 


 おがわの音♪ 第273

    日本企業は、なぜこんなにM&Aが下手なのか

    そもそも買収に消極的すぎる 

「日本株式会社」は、革新的なスタートアップ企業の誕生を切望していると同時に、この「禁断の果実」を恐れてもいる。

米国の大手企業が熱心に新興企業を買収している一方、日本の大企業は、革新的な新企業を発見し、手中に収め、そして自社のビジネスに取り込もうと躍起になっているのだ。

しかし、日本が国際的な競争力を再び手に入れるには、日本企業はスタートアップ企業の「買収の仕方」を学ばなければならないだろう。かつては、日本企業に限らず大企業はどこも、新たな製品やサービスを開発するのに社内の研究開発チームを頼っ ていた。が、製品のライフサイクルがどんどん短くなる中、変化のペースについていけるだけの速度でイノベーションを起こせる企業はどんな規模であれ、なくなっている。


 おがわの音♪ 第272

   ビッグデータ、AI、ブロックチェーンを活用、インフラは適材適所で。 

   みずほ銀行が取り組むFINTECHの今

 ここ最近、急激に耳にするようになった言葉の1つに「FinTech」がある。これはFinance(金融)とTechnology(技術)を合わせた造語だ。今、金融業界ではクラウドやビッグデータ、AI、ブロックチェーンなどの技術を活用し、ITによるデジタル変革を積極的に推進し始めている。

ガートナーが主催した「ITインフラストラクチャ & データセンターサミット 2017」(428日開催)では、みずほ銀行 IT・システムグループ専門役員 加藤 昌彦氏が登壇し、みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほ)の中期経営計画にある戦略の1つ「FinTechへの対応」ほか、最先端技術への取り組みについて説明した。


 おがわの音♪ 第271版       

複合機から未来のITプラットフォームへ コニカミノルタの挑戦  

コニカミノルタというとかつてはカメラ、今は複合機(プリンタ)のイメージがある。  

あらためて沿革を見ると、1873年に杉浦六三郎氏が写真と石版材料の取り扱いを開始したのがコニカの創業にあたり、1928年に田嶋一雄氏が日独写真機商店を設立したのがミノルタの創業にあたるという。

ともに長い歴史を持ち、写真の世界を発展させてきたコニカとミノルタは2003年に経営統合した。 

ところが2006年、コニカミノルタは写真フィルムとカメラ事業の終了を発表。

カメラ事業はデジタル一眼レフの共同開発で提携したソニーにカメラシステムの一部資産を譲渡し、今ではソニーのαに継承されている。

 現在コニカミノルタは世界で200万社の顧客を抱えるグローバル企業だ。連結売上高は1317億円。

地域別では欧州が最も高く31%、次いで米国が26%、中国やアジアが24%、日本が19%。事業別では複合機や印刷の情報機器事業が約8割、残りはヘルスケア事業と産業用材料・機器事業がある。

世界的にはカラー複合機やカラーデジタル印刷機で高いシェアを誇っている。 

ミノルタの創業から縁があるドイツにて、コニカミノルタが新事業を発表するというのは何かのめぐり合わせだろうか。

2017323日、コニカミノルタはベルリンで新しい事業コンセプトを発表した。

メインは企業向けITプラットフォーム「Workplace Hub」となるものの、これはITサービス事業への本格参入宣言でもある。


 おがわの音♪ 第270版  

  2022年に破裂する「生産緑地」という時限爆弾

東京オリンピックが開催される2020年以降に、大都市の土地に対する需給バランスが大きく崩れるのではないか予想されていることをご存じだろうか。2022年に、いわゆる「生産緑地」の多くが、マンションや一戸建てなどの住宅用地として順次放出される可能性が出ているのだ。放出候補となる土地の面積は、実に東京ドーム2875個分という広大なものだ。


 おがわの音♪ 第269

      「夢の高速鉄道」リニア実現への長い道のり 

この夏、ようやく山梨リニア実験線で走行試験中の新型車両「L0(エルゼロ)系」に初乗車の機会を得た。

1997年に山梨リニア実験線がオープンした際の報道公開で、当時の試験車MLX01に乗り込んだことはあるものの、実際の走行体験は今回で初めてである。

東海道新幹線が開業したときと同じような興奮を抑えきれず、前日からそわそわしてこの日の朝を迎えた。


 おがわの音♪ 第268

      腹筋を全く鍛えてない中年に起こる体の不調

「これでも若いときはけっこう足が速かった」が、口ぐせになっている人も少なからずいそうです。

若いときは陸上部で鍛えた身体なのに、膝が痛くて今では小走りもできない……。たしかに年をとると敏捷性などは低下します。

しかし、走れなくなったのは敏捷性が低下しただけの問題ではないのです。

これも、筋肉を動かさないために筋肉が細くなって、筋肉が縮みっぱなしになった影響があります。

いくら、若いときに運動経験が豊富でも、人の何倍もの筋トレに励んだとしても、その後に筋肉を使っていなければ筋肉はついていません。スポーツのプロ、アマを問わず同じで、オリンピックの金メダリストとて例外ではありません。

若いときにつけた「筋力の貯金(筋)」は、たっぷり貯めたつもりでも貯まっていないと思ってください。

当然、貯まっていないものは、引き出すこともできません。今も筋力の貯金(筋)があるのは、その後も筋肉を動かし続けた人だけなのです。ですから、中年になったあなたが特別に運動をしないまま、すでに長い時間がたっているのなら、若いときにスポーツでつけた筋力の貯金(筋)の残高は限りなくゼロに近いでしょう。 

そんな減ってしまった貯金をあてにしていると体型は崩れ、体力は低下するばかりなのです。


 おがわの音♪ 第267

     キレる高齢者が続出。なぜ「怒り」を抑えることができないのか?

周囲のことなどお構いなしに、怒りを露わにする高齢者の増加が顕著となっています。

まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者でマンション管理士の廣田信子さんも、そんな現場を目撃した一人。

廣田さんは今回の記事中、高齢者がキレやすくなる原因を紹介するとともに、怒りをコントロールする方法についても解説。 


 おがわの音♪ 第266版  

リーマン前にそっくり。米の「自動車ローン」がいよいよ危機に直面

いまアメリカで「オートローン」が問題視されていることをご存知でしょうか?

日本のクルマ産業を知り尽した自動車ジャーナリストの伏木悦郎さんは、米の経済的信用度の低い層サブプライム)へのオートリースが普及することで日本車メーカーにも結果として悪影響を与える可能性を指摘。

リーマンショックの再来を懸念しています。


 おがわの音♪ 第265版  

尊氏はこんなにムチャクチャだった。学校で教えてくれない南北朝時代

京都と奈良に2つの朝廷が並立していた南北朝時代。

この「異常事態」、歴史の授業ではわずかな時間しか触れられないことがほとんどですが、『Japan on the Globe-国際派日本人養成講座』の著者・伊勢雅臣さんは、「この時代にこそ日本の国柄を理解する上で重大なポイントが潜んでいる」とし、南朝・北朝それぞれを詳しく解説しています。 


 おがわの音♪ 第264版  

   ブロックチェーンに懸けるトヨタの深謀 

「GoogleもUberもいらない未来」。

トヨタ自動車傘下で最先端の研究開発を手掛ける米Toyota Research Institute(TRI)社の将来ビジョンを一言で表すとこうなる。同社は2017年5月、自動運転車の開発に使う走行データの取引市場やカーシェアリングの運用などに、「ブロックチェーン」技術の適用を検討すると発表した。

目標はこれらのサービスを、第三者の介在なしに実現することである。 


 おがわの音♪ 第263版  

中小企業の「人手不足倒産」が広がりつつある 

   2017年上期の件数は4年前の2.9倍に 

「人手不足が原因の倒産件数」は4年前の2.9倍に増加――。

人手不足の問題が各方面で顕在化する中、そんなショッキングな数字を帝国データバンクが710日に公表した。

しかし、データを取りまとめた同社・産業調査部の加藤達朗氏は、この結果を比較的冷静に受け止めている。

「事実として、足元の人手不足による倒産件数は4年前の2.9倍に増えている。ただ、全体の倒産件数に対する比率はまだ大きいとはいえない」 


 おがわの音♪ 第262版   

  衰えないSAMSUNGの意気、だが無視できない内憂外患がある 

  【なぜSamsungは、いつも強いのか?】 

  日本の半導体産業が衰退した理由として、総合電機メーカーの部品部門であったことを挙げることが多い。

日本のコンピューターメーカーや家電メーカーが自社製品向け部品を内製するために半導体事業を始めた当初は、 総合電機という事業形態の中で一定量の社内需要を確保しての半導体事業の立ち上げができた。

ところが、部品の内製部門であった半導体部門で、本業を上回るような設備投資が求められるよう状況は一変。

総合電機メーカーの経営者は、リスクの高いこのビジネスに及び腰になった。

さらには、本業の競合企業にも製品を売らないと事業が成立しない半導体は、総合電機の枠組み内で行う事業としての意義も薄らいでいった。そして、日本の総合電機メーカーは次々と、半導体事業を分社化していった。 

 ところが、こうした日本の総合電機メーカーの動きを尻目に、韓国Samsung Electronics社は総合電機メーカーの枠組みを崩すことなく、半導体産業での強い地位を維持し続け、ついにトップの座を伺うまでになっている。

いったい、同じ総合電機メーカーでありながら、日本企業とSamsung社では何が違ったのか。

 「なぜSamsungは、いつも強いのか?」と題して半導体売り上げトップに躍り出る同社の強みを議論している今回のテクノ大喜利。3番目の回答者は、慶應義塾大学の田口眞男氏である。

同氏は、Samsung社がメモリービジネスに参入し、トップ企業に駆け上っていく過程を、競合企業の立場から見てきた。

日本の総合電機のあり方とSamsung社の総合電機のあり方では、何が違っていたのかを分析し、さらには現在の同社の状況について考察した。

韓国Samsung Electronics社は、2017年第2四半期の売り上げが約59000億円、営業利益が約14000億円に達したと発表した。米国の調査会社であるIC Insights社などは、年間の売り上げで、ついに王者米Intel社を抜く可能性があると見ているようだ。1992年以来、Intel社は半導体売り上げの首位の座を25年間にわたって死守してきた。

対するSamsung社は15年間連続の2位だった。実際に首位が変われば、まさに歴史的な出来事になると言える。

 Samsung社は、半導体ビジネスをする上では不利とされる総合電機の典型である。加えて、近年の同社は逆風の連続だった。

ビジネスの柱であるスマートフォン事業では「Galaxy Note7」での不具合によってブランドが失墜。

さらに、カリスマ経営者の李健煕会長が急性心筋梗塞で闘病生活に入り、それを引き継いだ 李在鎔副会長も朴槿恵前大統領への賄賂疑惑で逮捕・起訴され、少なからず指揮系統の混乱があったと思われる。  


 おがわの音♪ 第261

       外国人が買った会社・売った会社トップ100社 

   買い越し続く2017年度の注目銘柄は?

 

外国人投資家はどんな銘柄を買い、どんな銘柄を売るのか。

日本の株式市場における外国人投資家の売買シェアは67割に上っており、日本市場に与える影響は大きい。

特に2012年末に安倍政権に替わってからはアベノミクスをハヤして大量の海外マネーが流れ込んできた。

ただ20156月を境に潮目が変わった。外国人投資家は売り越しに転じ、歩調を合わせるように日経平均株価は下落。

2015年度(20154月~20163月)は7年ぶりに外国人投資家の売り越しとなった。

その流れを受け継いだ2016年度(20164月~20173月)も外国人の動きは鈍かった。

11月に米国大統領選挙でトランプ候補が勝利したのを機に、期待感から年末にかけて外国人の資金が一時的に大量流入し、年度ベースでは5000億円の買い越しになった。

だが、この買い越し額はアベノミクス以降では低水準。2016年度は勢いに欠ける年だった。