おがわの音♪ 第360版
もし石橋湛山が首相を長く続けていたならば
日経新聞の名物記者が湛山を振り返る
石橋湛山(1884−1973)は戦前期に東洋経済の記者、編集長、社長を務めたジャーナリスト。
戦後は政治家に転じ、1956年12月には首相にのぼりつめた。ところが病に倒れ、わずか65日で首相を退いた。湛山が健康を維持していたとしたら何が起きただろうか。その後の岸信介内閣はなく、日米関係は大きく異なったものになったかもしれない。
戦後の経済政策の中軸も、岸内閣を引き継いだ池田勇人内閣で基盤が固まった官主導ではなく、民主導のものになっていたかもしれない。
おがわの音♪ 第359版
知識社会で生き残るための「頭の良さ」とは?
一流の大学院を出ているのに社会に出て成功できない人は、「思考力・判断力・表現力」は高いが、自分の感情のコントロール能力や自己動機づけ能力、対人関係能力が悪いことが明らかになった。
社会がアメリカ型になってきたり、知識社会と言われるようになってくると、あるいは、単純労働がロボット(かつては移民)などで代替されるようになってくると、知的レベルの高い人間、頭のいい人間だけが生き延びるようなことが言われる。
今回は、サバイバルのための頭の良さ、あるいは、それを獲得するにはどうすれば良いかを考えてみたい。
人生には誰しも大きな決断を迫られる瞬間が訪れます。
たとえば、仕事の転職や起業。プライベートな面では結婚や離婚など、重大な決断の時に人の心は不安定になるものです。
『SOLO TIME
(ソロタイム)「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』を著した精神科医の名越康文さんは、人生を大きく左右するような決断のときには自分の心が暗く澱んでいないか、しっかり確かめることが大切だと語ります。
おがわの音♪ 第357版
アマゾンのAIスピーカーが最強といえるワケ 2017年11月8日
アマゾンは11月8日、AIスピーカー「Amazon Echo」を来週から日本で販売を開始すると発表した。
小型版の「Amazon Echo Dot」、スマートホームのハブ機能を持つ「Amazon Echo Plus」を加えた3モデルのラインナップとなる。
価格は主力モデルとなるEchoが、他社製品よりも約2000円安い1万1980円に設定されているほか、最廉価のEcho Dotは5980円と安く、購入しやすい。 都内で開催された発表会には多くの報道陣が駆けつけ、会場はすし詰め状態になった。
メディア側の期待の大きさが伝わる発表会だったが、アマゾンが説明するように日本語と日本の文化、ライフスタイルを理解したアシスタントとしてどこまで上手に機能するかは、来週の発売以降を待たねば本当のところはわからない。
ハードウエア、およびアマゾンのAIアシスタントに対応するパートナー企業製のスピーカーはいずれもすでに海外では発表・販売されているもの。 そうした意味では、注目点は日本語への対応や、日本でよく使われているアプリケーション、サービスなどとの連携にフォーカスが移る。 今後のお手並み拝見……といったところだが、筆者は別の視点から発表会に注目していた。
それはライバルと比較した、アマゾンの立ち位置の特殊性だ。
おがわの音♪ 第356版
ここ2年、上海に起きた「進化」が日本を完全に周回遅れにしている
中国といえば「まだ遅れている」というイメージを持つ日本人は多いのかもしれません。
しかし、米在住の世界的プログラマーである中島聡さんが見た中国・上海は、想像をはるかに超えた「近未来化」が進んでいました。
現金を一切持たずに暮らす人々、空港まで走るリニアモーターカー、街中を走るシェア・サイクルなど、現地で感じたことをレポート。
おがわの音♪ 第355版
小林製薬「小さな池の大きな魚」戦略の舞台裏
ニッチ市場で高シェア商品を連発できるワケ 2017年11月6日
この9月末に筆者が司会をした異業種交流会があり、そこで小林製薬(大阪市中央区道修町)の小林豊副会長にご講演をいただきました。 舞台脇の司会席でお聞きしていたのですが、これが実におもしろい。
当連載、普段はなにわの中小企業の意欲的な試みを取り上げているのですが、今回は東証1部上場、従業員単体 約1200人、グループ約3000人の大企業の経営哲学をご紹介します。
2017年10月30日
10月も残すところ2日。あと2カ月も過ぎれば2018年の年明けだ。 この冬のボーナス(賞与、一時金)支給額がだいたい見えているビジネスパーソンの中には、今年の年収がどれぐらいになるか早くも試算している人もいるかもしれない。
そんな年収は単年だけのものではない。短期的ではなく積み上げて考えてみないと、給料の本当の差は見えてこない。
東洋経済オンラインはそんな問いへの答えを出すため、会社に新卒(22歳)で入社して定年(60歳)まで働いたときに取得できる総額である「生涯給料」の全国版ランキングを作成。最新結果をまとめた。
対象としたのは『会社四季報』に掲載している上場企業約3600社のうち、単体の従業員数が20人に満たない場合や、平均賃金の発表がない企業を除いた3201社。各社直近の有価証券報告書の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成26年度賃金構造基本統計調査」の5歳刻み賃金額(所定内給与+賞与)から業種分類ごとに賃金カーブを算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。本社の中枢機能を担う社員しかいないケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある純粋持ち株会社も一部除いている。 上記の条件を満たしたうえで、生涯給料が多い順にトップ500社をランキングとしてまとめた。
1位のM&Aキャピタルパートナーズは8億3211万円。2位GCAが同8億2317万円。
いずれも理論上の試算値にはすぎないものの、東京に本社を置くM&A(企業の買収・合併)に関連する企業の超高給ぶりが目立った。
3位は大阪が本社のキーエンスで7億5631万円。4位ストライク(6億4886万円)、5位日本M&Aセンター(5億6338万円)、6位ヒューリック(5億1390万円)、7位朝日放送(5億1293万円)と上位7社が5億円超となった。
おがわの音♪ 第353版
三菱ケミカル「食品包装フィルム」が強いワケ 2017年11月4日
スーパーやコンビニの棚に並ぶあまたの加工食品。商品の中身ばかりに目が行きがちだが、パッケージにもさまざまな工夫が施されている。
そうした食品包装用の機能性フィルムで大きな存在感を有するのが、国内最大の総合化学メーカー、三菱ケミカルだ。
同社は2017年4月、三菱ケミカルホールディングス(HD)傘下の化学系3社(三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨン)が合併して発足。食品包装フィルムは旧三菱樹脂が主力としていた事業で、ほぼ国内のみでの事業展開ながら、年間売上高は推計で700億~800億円。利益面でも軽く2ケタの営業利率を誇る高収益事業である。
おがわの音♪ 第352版
ソニー、「アイボ」で始まる完全復活への挑戦 2017年11月2日
「おいで!アイボ」。ソニーの平井一夫社長の呼びかけに応じて登場したのは、3体の犬型ロボット。
しっぽをふりながら愛くるしい動きで社長の足元へ歩み寄った一体を抱き上げた平井社長は、相好を崩した。
11月1日午前11時に東京・品川の本社で開かれた新製品発表会で、ソニーは2006年に一度撤退した犬型ロボット「AIBO(アイボ)」の新型、「aibo」を公開した。
おがわの音♪ 第351版
EVは期待はずれ。東京モーターショーで中島聡が感じた本音
10月28日~11月5日まで東京ビックサイトで開催されている「東京モーターショー2017」。
世界中から集まった自動車メーカーが最新モデルやコンセプトモデルを展示する自動車ファン待望のイベントですが、先日、世界のEVシフトの加速化についてのインタビューにお答えいただいた、世界的プログラマーの中島聡さんは、同ショーの率直な感想と自動車の未来をリポート。
各社、巨大なブースを持ち、最新のモデルから、将来のためのコンセプトモデルまでを一緒くたに展示しているため、歩き回っただけでは「何を伝えたいのか分からない」ブースが多かったというのが正直な感想です。
コンセプトモデルの中で、際立って出来が良かったのはトヨタ自動車のConcept-愛iです(発表したのは今年のCES)。
一言で言えば、AppleのSiriやAmazonのAlexaのような人工知能を自動車のUX(ユーザー体験)の中心に据えたものです。
※ UX:User experience
個々のドライバーに合わせた体験を提供する、自分の自動車に対する「愛着」をもっと深める、安全・安心をより親しみやすい形で提供するなどを突き詰めていくと、対話型の人工知能に結びつくのです。
そして、その人工知能の実態は自動車にではなく、クラウドにあり、ドライバーが別の乗り物に乗ると、ついて来てくれるなど、これまでの自動車メーカーの発想からは一歩も二歩も踏み出した設計になっていました。
興味深いのは、これがAmazonの戦略と真っ向からぶつかる点です。
AmazonはAlexaを家だけでなく、自動車にも普及させようと本気で取り組んでおり、Apple CarPlayやAndroid Autoと同じく、
「誰が自動車のUXを提供するべきか」というとても重要な戦いが、自動車メーカーとの間で激化することになります。
一つ心配なのは、これがまだ「コンセプト・モデル」でしかない点です。
人工知能の技術は、Googleを中心とした一部の企業で異常な勢いで進歩しており、自動車メーカーならば 実用化に5年かかるようなことをGoogle ならば6ヶ月で実現してしまう、という時代になっています。
特にテスラは、ソフトウェアのアップデートだけで、この手の機能を既存のドライバーに後から提供できてしまうインフラが整っている点が強みで、「2年おきのモデルチェンジ」というビジネスモデルの自動車メーカーとは、進化のスピードが根本的に異なります。
コンセプトモデルと実際に販売している車に大きなギャップがあり、相変わらず水素自動車のデモもしているトヨタのブースは、予想外の変化のスピードに悩んでいる自動車産業そのものを良く表しているように感じました。
期待していた EV シフトに関して言えば、全体的に期待はずれでした。
EV に大きく舵を切ったはずのドイツのメーカーも、まだまだ EV へのロードマップを目に見える形でプレゼンする準備が出来ていませんでした。
日本のメーカーも、日産を除いては EV はコンセプトモデル程度しか見せるものがなく、EVシフトが加速する世界で、テスラや中国メーカーにどう対抗するかの戦略は見えて来ませんでした。
おがわの音♪ 第350版
トヨタがテスラから規制対応で排出枠を爆買い
カリフォルニアの規制で環境対応の優勝劣敗が明らかに 2017年10月25日
トヨタ自動車が米カリフォルニア州の環境規制への対応で、温暖化ガスの排出枠(クレジット)を大量に米テスラモーターズから購入したことが明らかになった。今後は規制が強まり、さらに経営の負担になる恐れがある。
トヨタ自動車が2017年8月末までに米国で温暖化ガスの排出枠(クレジット)を米テスラモーターズから大量に購入したことが明らかになった。米カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)が10月13日に公表した資料による。CARBは毎年、8月末までの1年間における自動車各社の排ガスゼロ車(ZEV)規制への対応を公表している。
同州は自動車メーカーに、販売台数の一定割合を電気自動車(EV)などZEVとするよう義務付ける規制を導入している。
基準未達のメーカーは罰金を払うか、基準をクリアしているメーカーから「ZEV排出枠(クレジット)」を購入しなければならない。
トヨタは2017年8月末までの1年間で、3万5200クレジットと業界で最も多くのクレジットを購入した。
2位は米ゼネラル・モーターズ(GM)、3位は欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)だった。
おがわの音♪ 第349版
中国はなぜ執拗に「南シナ海」を狙うのか? 識者が見た中国の弱点
わが国日本は、「平和を希求」しています。しかし、すべての国が平和を希求しているわけではありません。
わかりやすいのは、隣の超大国中国です。
この国は、ロシアと韓国に、「反日統一共同戦線をつくって、日本をぶちのめそう!」と提案しています。
仕方がないので、日本も対策を講じる必要がある。今回は、「南の対中戦略」「北の対中戦略」を完璧に理解しましょう。
おがわの音♪ 第348版
テスラを「破壊的な革新者」と見るのは早計だ 2017年10月28日
企業経営論の名著として知られる『イノベーションのジレンマ』。
既存の優良企業ほど、それまでの成功体験が足かせとなり、革新的なイノベーションを生み出しにくいという「ジレンマ」を説いたベストセラーである。 その著者である米ハーバード・ビジネススクールのクレイトン・M・クリステンセン教授は、ガソリン車で世界的な成功を手にした日本の自動車産業が、電気自動車(EV)時代に陥りかねないジレンマについて警鐘を鳴らしている。
おがわの音♪ 第347版
習近平「一強」の独走体制ににじむ中国の焦り 2017年10月28日
世界中が注目した、中国共産党の第19回党大会が10月24日、閉幕した。
同月18日から開催されたこのビッグイベントは、5年に1度開かれる党の最重要会議だ。
今大会では、習近平総書記(国家主席)による、過去5年間の指導が改めて承認されている。
習氏の政治理念が「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」と命名され、党の最高規範である規約の行動指針に記入された。中国の街中では、習氏が政治体制改革、軍事体制改革、通信・インターネット改革などに関する、重要会議で行った講話や指示をまとめた発言集が手際よく販売されているという。 「思想」としては、中国革命の基礎文献となっている「毛沢東思想」が最も有名だが、これに倣い、習氏の講話も今後の中国政治の指針としていこうという考えだ。中国の社会主義建設における基本文献である、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想と並ぶ位置づけを、「習近平思想」に与えたのである。
おがわの音♪ 第346版
反薩長の英雄「河井継之助」を知っていますか 2017年10月17日
戊辰戦争といえば、薩摩・長州(薩長)など「官軍」の一方的な勝利というイメージを持っていらっしゃる方が多いことだろう。
だが実際は、奥羽越(おううえつ)列藩同盟軍は一方的に負けていたわけではない。
北越(新潟県)方面の戦い(北越戊辰戦争)では、河井継之助が率いる長岡藩を中心に3カ月にもわたって新政府軍を苦しめた。
後に明治政府の重鎮となった山縣有朋らにとって不名誉この上ない戦いだった。
このため、「薩長史観」(なぜいま、反「薩長史観」本がブームなのか)では故意に忘却されていったと歴史家の武田鏡村氏は語る
。このたび、『薩長史観の正体』を上梓した武田氏に、知られざる北越戊辰戦争について解説してもらった。
おがわの音♪ 第345版
どうしてローソンは人件費が増えてるのか? 決算比較で見えた絶望
コンビニ業界の知られざる裏側を、内情に詳しいライターの日比谷新太さんが詳細にレポート。
今回「コンビニチェーンの決算」について、ローソンとミニストップという2つのチェーンの決算を比べてみて改めて浮き彫りになった、今コンビニ業界が抱える大きな問題点について、詳しく検証。
風通しがよい会社とは、どのような会社でしょうか。
「情報を社員が共有していること」「社内に自由な雰囲気があること」「社内の意識が縦関係ではなく横関係であること」などが、その要素といえるでしょう。
あるいは、お互いが自分の考えを自由に伝えることができる、ということも重要かもしれません。
風通しのよい組織にするにはいろいろな方法がありますから、これですよと限定して言うことはできませんが、いくつかのヒントを記そうと思います。
なお、ここでは「社長・社員」という言葉を使いますが、自分が部長や課長の場合には、それぞれを「上司・部下」と置き換えてお読みください。
おがわの音♪ 第343版
30歳年収「全国ワースト500社」ランキング
~300万円未満68社、地方企業の姿目立つ 2017年10月25日
東洋経済オンラインは上場企業3205社を対象に各社の30歳社員の年収を推計。
全国7地域(東京除く関東、東京、中部、近畿、北海道・東北、中国四国、九州沖縄)に分けてまとめた。
これまで「東京都トップ500社」「東京都ワースト500社」「東京除く関東325社」「近畿580社」「中部427社」「地方に本社置く296社」「全国トップ500社」の30歳年収ランキングを紹介してきたが、最後に全国ワースト500社のランキングを公開する。
企業や読者の一部から「トップ500でランキングをすると、まるで500位が低いように見える」「給料の高い会社ばかりではなく、高くない会社の情報も知りたい」という指摘があり、それに応える狙いもある。
『会社四季報』の本社欄に掲載した本社所在地が各地域の会社のうち単体従業員数が20人に満たない場合や平均賃金の発表がない企業は原則除いて集計した。各社直近の有価証券報告書の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成26年度賃金構造基本統計調査」の5歳刻み賃金額(所定内給与+賞与)から業種分類ごとに賃金カーブを算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算した。
あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。本社の中枢機能を担う社員しかいないケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある純粋持ち株会社も一部除いている。
30歳推計年収が300万円未満の上場企業は68社、本ランキングではすべて紹介できないが、400万円未満で見ると743社に上る。「全国トップ500社」で紹介したような高給企業と比べると、利益率の高くない事業を手掛けていたり、業績が苦しかったりと給料の高くない事情はそれぞれだ。ただ、会社によっては専門職や定年後の再雇用社員などを集計対象に含み、平均年収や平均年齢との関係から、いわゆる正社員の平均的な実態と乖離がある場合もありえる点には注意いただきたい。
東名阪などの大都市に本社を置きながらも全国に幅広く展開していたり、大都市以外の特定地域に製造拠点が集中していたりする企業では、地方の安い給与水準に全体が引っ張られているようなケースもある。集計対象企業(3205社)を単純平均すると30歳推計年収は475万円、平均年収は590万円、平均年齢は39.8歳だった。
おがわの音♪ 第342版
30歳年収「全国トップ500社」ランキング
1000万円超は9社、M&A関連の超高給目立つ
東洋経済オンライン編集部
2017年10月24日
東洋経済オンラインは上場企業3205社を対象に各社の30歳社員の年収を推計。
全国7地域(東京除く関東、東京、中部、近畿、北海道・東北、中国四国、九州沖縄)に分けてまとめた。
これまで「東京都トップ500社」「東京都ワースト500社」「東京除く関東325社」「近畿580社」「中部427社」「地方に本社置く296社」の30歳推計年収ランキングをお届けしてきたが、第7弾として全国トップ500社のランキングを公開する。
単体の従業員数が20人に満たない場合や平均賃金の発表がない企業は集計対象から除いた。有価証券報告書(2015年6月期~2016年5月期)の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成26年賃金構造基本統計調査」を基に試算した。業種分類ごとに賃金カーブを算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算した。 あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。また、純粋持ち株会社は本社の中枢機能を担う社員のみで成り立っているケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある。こうした純粋持ち株会社について、原則としてランキングの対象から除外していることも、併せてお断りしておきたい。
M&Aキャピタルパートナーズが全国1位
全国1位はM&Aキャピタルパートナーズの1847万円、2位にはGCAが1827万円で続いた。
4位ストライク(1440万円)、5位日本M&Aセンター(1250万円)とも、東京に本社を置きM&A(企業の買収・合併)に関連する企業だ。
特殊な事業に対応できるノウハウを持った優秀な人材を集めるために高給を払ってビジネスを展開しているのだろう。
3位はキーエンスで1618万円。大阪に本社を置き、全国的にも知られる超高給企業で、FAセンサーが主力のメーカーだ。
6位はヒューリック(本社:東京都)の1108万円。 中部地方の最上位は9位ファナック(本社:山梨県)の1010万円だった。
30歳は企業人としてはまだまだ若手に位置づけられ、超高給プレーヤーはごく一部の企業に限られる。
本ランキングで30歳推計年収が1000万円を超えたのは9社。 集計対象企業(3206社)を単純平均すると30歳推計年収は475万円、平均年収は590万円、平均年齢は39.8歳だった。
おがわの音♪ 第341版
日野の海外攻略を支える「マザー工場」の実力
知られざる大型トラックの生産現場に潜入 2017年10月25日
巨大なロボットアーム数本がせわしなく動き出す。火花が上がり、キャブ(運転席)部分の溶接作業が始まった。
人の姿はほとんど見えない――。 大型・中型トラックで国内首位の日野自動車は、茨城県の古河工場をこのほど報道陣に公開した。
5年越しで進めてきた、老朽化が進み拡張が難しい東京の日野工場からの生産移管が完了。 海外攻略を進める最重要拠点だ。
日野自動車の海外販売は2007年度に国内販売を台数で抜くと、増加の一途をたどる。 2016年度の販売台数は約10.7万台と全体の6割を占める。
2017年度の年間販売台数は日本向けが6.7万台とわずか200台しか増えない一方、海外向けは11.6万台と8400台(約8%)の大幅増の見通しだ。こうした中、同社は国内の生産体制も「海外シフト」を進める。
2012年に完成した古河工場では最初、海外で組立を行うための部品を生産する「KD(ノックダウン)工場」が稼働。
その後、アクスル(車軸)工場、フレーム工場、車両組立工場、キャブ工場が開設され、2017年9月に大型・中型トラックの全種類・全量の生産移管・集約が完了した。