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全国の地銀の実力「総合ランキング」

健全性指標において点数の低さが目立ったスルガ銀行

健全性、収益性、成長性を中間決算で独自採点

藤原 宏成 : 東洋経済 記者

2022年02月01日

 「コロナ融資の返済がそろそろ始まる」――。

 昨今、地銀関係者からよく聞かれる懸案がそれだ。これまで政府の資金繰り支援を活用し、銀行は無利子・無担保のいわゆるコロナ融資で対応してきた。だが、それが使えなくなると、地銀自身がリスクをとって融資を行うしかない。銀行が手に負えないとなれば、低水準だった企業倒産がたちまち増えるだろう。このリスクへの危機感は、銀行ごとに異なる。

「今後倒産が増えたとしても業種は限定的。耐えられる範囲だ」(関東の地銀幹部)と楽観的な声もあれば、「コロナ融資の返済が始まれば確実に与信費用は増える。今のうちに予防的に備えたい」(関西の地銀幹部)と慎重な見方の銀行も多い。



 * 健全性、収益性、成長性で採点

この背景には、各行の体力差がある。

仮に損失が出たとしても、それを吸収できる健全性や収益力があれば問題にはならないからだ。

そこで今回、各行の体力を分析するために、2021年度中間期決算のデータを基に地方銀行のランキングを作成した。

地方銀行99行を対象に、決算内容から健全性、収益性、成長性の3つに分けて配点し、点数の低い順に並べた。

ワースト1位は静岡県のスルガ銀行。シェアハウス融資問題の影響が続き、不良債権比率が高止まりしている。

新規の融資が少ない中、過去の融資が返済されていくことから、貸出残高も減少している。

収益面で苦しんでいるのが4位で福井県が地盤の福邦銀行。本業利益や投信解約益を除くコア業務純益が赤字に陥っている。

同行は再編に動いており、21年10月に福井銀行の傘下に入っている。

再編は収益が厳しいところに限らない。愛知県を地盤とする40位の中京銀行と75位の愛知銀行が経営統合を発表した。

それだけ地銀の競争環境が厳しいことの表れでもある。




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