おがわの音♪ 第220版
【加計学園】前川氏の「醜聞リーク」でわかった共謀罪の危険度
獣医学部新設を巡る「総理の意向」文書が明るみになるや否や、検証が充分におこなわれる前に「怪文書」と断定する発言が官房長官の口から飛び出したり、さらにその出所と疑われる前文科省事務次官の醜聞記事が事前に政府寄りの大手新聞紙上に掲載されるなど、あらゆる情報が錯綜し複雑化している加計学園問題。
『国家権力&メディア一刀両断』の著者・新 恭さんは、これら官邸主導と思われる対応について「姑息」と一刀両断した上で、今回の問題を通して思わぬ形で露呈したという「共謀罪の危険性」についても記しています。
おがわの音♪ 第219版
堀江貴文氏「多動力こそが最も重要な能力だ」
「1つの仕事をコツコツと」では負け組になる
2017年5月29日
堀江貴文氏の『多動力』が発売前に2万部の重版が決まり、すでに5万部を突破する、異例の売れ行きとなっている。
あらゆるモノがインターネットにつながることによって出現したのは、全業界のタテの壁が溶けてなくなった、フラットに開かれた社会だ。このかつてない時代では、業界の壁を軽やかに飛び越える「越境者」にこそ、チャンスがあるという。
堀江氏は、「1つの仕事をコツコツとやる時代は終わった」と断言する。これまではネガティブにとらえられていた「多動力」こそ、未来の日本人に必須のスキルとなるのだ。
「多動力」とは何か。それは、いくつもの異なることを同時にこなす力のことを言う。
しかし、「多動力」がある人は、次から次に、興味が移り変わってしまい、まったくもって落ち着きがない。
モノは忘れるし、なくすし、不注意でケガだってする。やるべきことをしていないのに、やりたいことばかりしてしまう。
おがわの音♪ 第218版
ヤマトの値上げでアマゾンは運送会社化する
ヤマトの値上げを飲むか否か。大口取引先アマゾンは、単なる小売りでなく運送会社としてライバルになるかもしれない。
人手不足への対応からヤマトや佐川など運送各社が値上げに踏み切る中、アマゾンが反撃を開始している。
自社リソースを使った有料即時配達サービスを強化するとともに、生鮮食料品の配送サービスもスタートさせた。
運送会社の値上げは、ネット通販のサービスの大きな転換点となる可能性が出てきた。
おがわの音♪ 第217版
営業利益2000億減へ。巨大企業「三菱重工」にさえ漂い始めた暗雲
去る4月26日、「三菱重工」は投資家向けに開示した資料で、「営業利益が1年で半減」という衝撃の事実を明かしました。
これを受け、翌27日には三菱重工株は、売りが殺到する事態に。シャープや東芝に続き、あの三菱重工さえも危機に晒されてしまうのでしょうか。
Windows95の設計に携わった世界的プログラマー・中島聡さんは、いま同社で起きている「異常事態」を列挙しています。
おがわの音♪ 第216版
「日本製3%」で沈むアパレル工場が生き残る道
3Kの印象変えよ!ルンバ導入の次世代工場も 2017年5月27日
日本は、世界で最も企業寿命が長い国、「老舗大国」です。
2017年時点で創業100年を超えている企業は、日本全国に3万3069社(東京商工リサーチ調べ)。
少し古いデータになりますが、2008年に韓国銀行が発表した資料によると、創業200年以上の企業は全世界に5586社あり、その半分以上の3146社を日本企業が占めています。
おがわの音♪ 第215版
ナイキがマラソン"新記録"を引き出せたワケ
"亀田劇場"以上にすごかった「BREAKING2」
インターネットTV「AbemaTV」の1周年記念企画「亀田興毅に勝ったら1000万円!」が大きな盛り上がりを見せた。
元プロボクシング世界3階級王者の亀田興毅氏に一般公募で選ばれた4人が挑むという企画だ。
純粋なスポーツとは違うが、筆者も興味深くネット観戦させていただいた。純粋にドキドキしたし、面白かったと思っている。
だがGW中には、“亀田劇場”以上にすごいスポーツイベントが開催されたのをご存じだろうか。
それが、スポーツメーカーのナイキが仕掛けた「BREAKING2」だ。
おがわの音♪ 第214版
最終赤字289億の日本郵政が、なぜ野村不動産の買収に動いたのか?
先日報道された「日本郵政が野村不動産HDを買収か」という記事を目にして驚かれた方も多いのではないでしょうか。
一見、無関係に思われるこの2社ですが、実は日本郵政は以前から不動産事業に参入しており、多数の不動産を所有しています。しかし同社は先日、巨額の損失を計上したばかり。
なぜこのタイミングで野村不動産HD買収に向けて動いたでしょうか。
店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが、その裏側を探ります。
おがわの音♪ 第213版
一流の経営者は「経営理論」を振りかざない
「参考にしても信用はしない」が正しい常識
経営を進めるうえで、理論、学説、数値分析の知識ばかりを求める人がいます。
もちろん、こうした知識は有用なものですが、絶対に必要かといえば、そうではありません。
総資本回転率、売上利益率、資本利益率、売上高費用比率、資本利益率といった財務諸表分析、あるいはランチェスターの法則など経営戦略に関する理論は、数多くあります。
でも、このようなことがわからないと経営ができない、あるいは、このようなことをいちいち考え、前提としなければ、経営判断ができないとするならば、経営者として失格でしょう。なぜなのか。それを説明したいと思います。
おがわの音♪ 第212版
聖徳太子が中国の皇帝に「日没する処の天子」としたためた理由
最近の歴史の教科書には「厩戸皇子」と記述されている聖徳太子ですが、歴史の授業で「聖徳太子が中国の皇帝に出した手紙に『日没する処の天子(=中国)』と書いたことで皇帝が激怒した」と習ったことをご記憶の方も多いかと思います。
しかし、小学校教諭・齋藤武夫先生によれば、皇帝が激怒した原因はこのフレーズではないとのこと。
では一体なぜ? メルマガ記事では、受け持ちの児童たちにその理由を考えさせる齋藤先生のユニークな授業風景が描かれています。
おがわの音♪ 第211版
イオン甲子園店、稼ぎ時に「突如閉店」のナゾ
プロ野球公式戦開幕を3日後に控えた今年3月28日、甲子園球場から阪神高速道路1本を隔てて、徒歩わずか1分の距離にあるイオン甲子園店が、2カ月後の5月末で閉店する予定だと、毎日新聞が大阪版で報じた。実は、このニュースにショックを受けた野球ファンが少なからずいた。毎日新聞の記事は、前日に共同通信が配信したニュースを転載したものだった。記事によると閉店の理由は業績不振としており、この物件の賃料を得たり、使い方を決めたりできる信託受益権を三菱地所が取得しているが、閉店後の施設の活用法は未定という内容である。その後、三菱地所には問い合わせが殺到。三菱地所は今年2月28日に信託受益権を取得したことと併せて、具体的なスケジュールや計画の詳細は未定ながら、今後この施設を一時閉館し、リニューアル工事を実施したうえで、新たな商業施設として再オープンする計画であることを公表した。
おがわの音♪ 第210版
日本企業が「さほど儲けられない」真の理由
利益率の低さが経済成長を阻害する
ソフトバンクグループが、2017年3月期の連結決算(国際会計基準)で、初の純利益1兆円台を達成した。
前期比3倍の1兆4263億円の達成は、同社にとっては史上初。
日本企業全体を見ても、純利益1兆円を突破した企業はトヨタ自動車しかいない。
リスクの大きなM&A(企業売買)を繰り返し、身の丈をはるかに上回る借金を抱える積極的なM&A戦略で拡大成長してきたこともあり、ソフトバンクの評価はいつの時代にも辛辣なものが多かった。
それでも、トヨタが設立後67年かけて達成した純利益1兆円突破を、ソフトバンクは36年の歴史で成し遂げた。
いまや、日本を代表する企業であり、日本経済を牽引していく基幹企業のひとつと言っていいだろう。
そもそも、最近の日本企業の低迷ぶりには目を覆うものがある。
シャープ、東芝と日本を代表する企業の経営が行き詰まり、最近になってトヨタ自動車も来年3月期の営業利益が 前期比19%減となり、2年連続で減収減益になると発表した。
米国事業の採算悪化が原因と説明しているが、相変わらず「為替相場」頼りの業績に一喜一憂しているのが現状だ。
おがわの音♪ 第209版
30年ひたすら増収増益。ニトリの「異常すぎる」快進撃の背景
株式上場後一度も減収減益に陥ることなく、2017年2月期の決算で30期連続の増収増益を記録と、まさに絶好調のニトリ。
その勢いはとどまることを知らないといっても過言ではありません
。MBAホルダーの安部徹也さんがその快進撃の背景を徹底分析するとともに、 同社が掲げる「売上高3兆円」という目標を達成できるか否かについて、MBAの視線で冷静かつ大胆に占っています。
おがわの音♪ 第208版
連続減益は18年ぶり、「章男トヨタ」の正念場
次なる課題として「賢い」クルマづくりを強調
「2期連続減益はスポーツの世界でいえば連敗。私は負けず嫌いだ。皆さんの期待を裏切らないよう来期につなげていきたい」
トヨタの業績が曲がり角に差し掛かっている。5月10日に発表した2017年3月期決算では、本業のもうけを示す営業利益が前期比30.1%減の1兆9943億円と大きく落ち込んだ。
おがわの音♪ 第207版
「情報が集まる社長」がやっている2つのこと
「経営に影響を与えない提案」こそ重要だ
先日、「衆知経営」について講演をしたところ、講演後の質疑応答で、ある中堅企業の社長が次のようなお悩みを打ち明けました。
「社員に提案を持ってくるように話をしていますが、採用できないものばかり。結局は実施しません。そのため、『社長に言っても、なにもやらない。もう言うのをやめよう』という雰囲気になってきております。どうしたらいいでしょうか」
「衆知経営」とは、松下幸之助さんの経営手法の1つ。
小学校4年生のときに学校を中退。無学と言えば言いすぎかもしれませんが、松下さんは、そのような自分を隠そうとはしませんでした。それどころか、自分は学校を出ていないから、知識はない。なにも知らない。なにも知らないなら、知っている人に尋ねていこう、そうすれば、多くの知識、知恵が集まってくる。もっといえば自分のように無学の者に、知識ある人、知恵ある人は教えてくれるべきだ、とまで考えていたかもしれません。
いずれにしろ、およそ、松下さんほど、多くの人に多くのことを尋ね、学んだ人はいないように思います。
おがわの音♪ 第206版
パナソニックは韓国企業にリベンジできるか
車載電池への投資拡大で次代の成長を描く 2017年5月8日
パナソニックが攻めに打って出ている。2016年度の設備投資は前年度に比べ1000億円ほど増え、3450億円程度に拡大した。
津賀一宏社長は2012年の就任以来、設備投資を抑制してきたが、ここにきて成長への種まきを急いでいる。
5月11日に発表される2016年度決算は5期ぶりの営業減益になる見通し。もっともこれは、想定されていた内容だ。
会社は期初から2016年度は工場新設など先行投資の年だと位置づけていた。ただ先行投資期間はそう長く想定してはいない。
中期経営計画では、2018年度に営業利益5000億円を目標に掲げる。
2650億円という2016年度の見込みから考えると、2年で倍近く利益を増やすことになる。
目標達成には拡大した設備投資を早期に利益化することが不可欠だ。
おがわの音♪ 第205版
リコーが利益9割減。太りすぎた組織が、名門をここまで追い詰める
先日発表された連結決算で、純利益が前年比94.5%減となってしまったリコー。
リーマンショック前年まで14年連続となる増収を達成した名門企業に一体何が起こっているのでしょうか。
店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんがその原因を探るとともに、同社がこの大苦境を乗り切るために早急になすべきマネジメントについて考察しています。
おがわの音♪ 第204版
ソニーとパナソニック、次なる金脈は「介護」
「失敗しようのないビジネス」で着実に稼ぐ 2017年5月7日
日本の家電業界で双璧をなすソニーとパナソニック。この2社が今、これまで以上に力を入れているビジネスがある。
それが「介護」だ。
2017年4月、大きく動いたのがソニーだ。介護事業子会社のソニー・ライフケアが、有料老人ホームの運営企業・ゆうあいホールディングスを子会社化。従来3拠点で年商1億円程度だった事業規模が、一気に31拠点、年商50億円超まで拡大する見込みだ。
ソニー・ライフケアは2014年の設立であり、介護業界では後発。M&Aで時間を買う戦略に出ている。
一方、パナソニックは介護事業へ参入してから20年近く経過しているが、近年拡大路線へと大きく舵を切っている。
介護施設の新設を進め、直近(2015年度)で約300億円の売上高を、2025年に2000億円へと引き上げる方針だ。
おがわの音♪ 第203版
アディダス、加速する驚異的快進撃の舞台裏
サッカーや男性向けだけじゃない強みとは? 2017年5月7日
スポーツメーカー世界2位の独アディダス。
現在の業績は絶好調で、2016年12月期は売上高192億9100万ユーロ(約2兆3816億円)、純利益も10億1700万ユーロ(約1255億円)と創業以来初めて10億ユーロを突破した。首位の米ナイキ(2016年5月期の売上高は323億7600万ドルで約3兆6377億円)とともに、3位以下を大きく引き離す。アディダスは2020年までの中期戦略で、東京、ニューヨーク、ロサンゼルス、パリ、ロンドン、上海の6都市を キーシティ(重要都市)に位置付け、投資を集中させる方針を掲げている。
具体的には、ロボットを活用した靴生産などの「デジタル化」と「女性向け商品」で攻勢をかける考えだ。
2016年10月に就任し、この度初来日したカスパー・ローステッドCEOと、アディダス ジャパンのポール・ハーディスティ社長に戦略をどう実行するのか聞いた。
おがわの音♪ 第202版
日本人の多くが考えていない有事の資産防衛
北朝鮮危機で起こる最悪事態を想定してみる 2017年5月3日
今年のゴールデンウイークほど、さまざまなリスクを抱えながらの大型連休は過去、記憶にない。
その背景にあるのが、米国民が選んでしまったドナルド・トランプ大統領だろう。
就任100日が経過するというのに成果といえばTPP(環太平洋経済連携協定)からの脱退ぐらいで、打ち出す政策がすべて世界を混乱に陥れている。国家運営と企業経営をいまだに混同し、裁判官よりも選挙で選ばれた自分が偉いと本気で思っている……。大統領でありながら三権分立を理解できていない。2017年5月3日
そんな大統領がいきなり始めたのが「北朝鮮」に対する容赦ないプレッシャーだ。
オバマ政権が採り続けてきた「戦略的忍耐」を具体的な根拠も示さずに破棄し、本来なら表面化しないはずの「地政学リスク」を顕在化させた。空母カール・ビンソンを2時間で攻撃できる位置にまで近づけて、すべての選択肢は机上にあると脅す……。
しかも、脅す相手があの金正恩だ。
側近や肉親さえも、躊躇なく抹殺する残忍さを持つ北朝鮮のドンは、予測不能、 計算不可の人物だ。
もともと金正恩は、金日成、金正日も成し遂げられなかった「祖国統一」を実現させたいと思い続けている。
そのためには、手段を選ばないことが当然だと思っている。
第2次世界大戦の悲劇も、わずか数人の政治家の狂気がもたらしたものだ。
北朝鮮から日本にいつミサイルが飛んでくるのかわからない、と言われる状況の中で、安倍晋三首相は「北朝鮮のミサイルにはサリン搭載能力がある」と国民を脅したが、その対応策はといえば、自治体レベルで「地面に伏せろ」とか「窓のない部屋で待機」といった能天気な警告しかない。
北朝鮮からミサイルが飛んで来ればどんなことになるのか。
韓国を中心に少なくとも400万人が死傷する、とも予測されているが、現実はそんなものではないかもしれない。
ミサイルが飛んできても、生き延びられるサバイバル術を身に付けておくしか方法はない。
日本のメディアの大半は、記者クラブで配布された資料程度の方法しか報道しないが、実際の有事の際にはどうすればいいのか。21世紀になってから最大の地政学リスクに直面するいま、有事の際の身の振り方を考えてみるのもいいかもしれない。
おがわの音♪ 第201版
トヨタも勝てない「スズキ」インド戦略の要諦
現地取材でわかった圧倒的強さの理由
中国に匹敵する世界第2位、約13億人の人口を抱えるインド。
経済成長著しい中で拡大しているマーケットの1つが自動車市場だ。
2016年の新車販売台数は366万台(前年比7%増)とこの15年で4倍前後に増え、中国(約2800万台)、アメリカ(約1780万台)、日本(約500万台)、ドイツ(約370万台)に次ぐ世界5位。ドイツを抜く日も近く、まだまだ拡大余地を残している。
先日、私は30年ぶりにインドを訪れた。
バックパッカーとして訪れた30年前、この同じデリー空港の入国審査で私はカルチャーショックを受けていた。
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