おがわの音♪  第221版-第240版



 おがわの音♪ 第240

   東芝再生を遠ざける「政府主導」の日米韓連合

     運営パートナーのWDは憤りを隠さない 

 「優先交渉先となっただけで、最後の最後までわからない」

東芝は6月21日、半導体メモリ子会社の売却について、官民ファンドの産業革新機構、米投資ファンドのベインキャピタルなどによるコンソーシアムを優先交渉先と決めた。半導体大手、韓国のSKハイニックスも融資で参加する「日米韓連合」である。 


 おがわの音♪ 第239

   GDPギャップと物価のつながりはどの程度か

     GDPギャップのわずかな違いには意味がない

2017年1~3月期GDP(国内総生産)2次速報後に内閣府が発表したGDPギャップ(需給ギャップ)はプラス0.1%で、2016年10~12月期に続いて2四半期連続でプラスとなった。

GDPギャップは、実際のGDPが潜在GDPからどれだけ乖離しているかを示しているもので、需給ギャップとも呼ばれる。

GDPギャップがプラスということは、GDPの水準が潜在GDPよりも大きいということだ。

潜在GDPは日本経済の生産力を表しており、実際の毎四半期のGDPは需要で決まるので、GDPギャップは経済 全体の需要と供給の関係を表していると考えられる。


 おがわの音♪ 第238

  ナナメ上の発想。掃除機に空気清浄機をつけた三菱電機の先見性

手軽に使えるスティッククリーナーは、その用途の特徴性から「出しっぱなし」のことが多いですよね。

だからこそデザインに着目し、さらに使わない時間はなんと「空気清浄機」として機能を発揮するという三菱電機の「INSTICK」が注目を集めています。

MBAが教える企業分析』では著者の青山烈士さんが、掃除機に新たな革命を起こした同社の戦略・戦術を徹底分析しています。


 おがわの音♪ 第237

       セブンとイオンが築けない「ネットで稼ぐ力」

           この牛歩ではアマゾン防御壁さえつくれない  

日本上陸から17年目。アマゾンの膨張が止まらない。

2016年12月期、日本での売上高は約1.2兆円に達し、年2割ペースでの増収を続けている。

年1割前後で伸びている日本のコマース市場を上回る驚異的な速度で成長している。

eコマースの巨人であるアマゾンが日本や米国で構想する戦略のほか、翻弄される日本企業の動向を追った。

アマゾンにまるで歯が立たず、ネット拡大戦略が不発しているのが流通2強のセブン&アイ・ホールディングスとイオングループだ。


 おがわの音♪ 第236

      人通りが減った商店街で、なぜ「昔ながらの電器屋」が復活したのか

日本の地方都市にある商店街は、跡継ぎがいない、街の過疎化、不動産などが主な収入源になり商売を辞める店が増えるなど、様々な事情によってシャッター通りになりつつあるのが現状です。中部大学教授・武田邦彦先生は、自身のメルマガで廃れた商店街を活性化させるための画期的な試みで成功している企業を紹介しています。


 おがわの音♪ 第235

     家具が売れない。財務分析から垣間見る「大塚家具」の危険度

2015年に勃発した「お家騒動」で傷ついたブランドイメージの回復を図る大塚家具。

しかし現状ではななか数字がついてこない事態となっています。復活の鍵はどこにあるのでしょうか。MBAホルダーの安部徹也さんが、先日公表された同社の売上等から現状を分析するとともに、大塚家具が打つべき手について考察しています。


 おがわの音♪ 第234

      奇跡の発明。「金芽米」「無洗米」を生み出したコメ業界のエジソン

 金芽米と無洗米。

誰もが一度は口にしたことがあるお米だと思いますが、これらの生みの親が米農家ではなく、「東洋ライス」という精米機メーカーであることをご存知の方は少ないのではないでしょうか。

テレビ東京『カンブリア宮殿』(mine」は、放送内容を読むだけで分かるようにテキスト化して配信。御年83歳、「お米のエジソン」との異名をもつ雜賀慶二社長の「知恵」の源とは?

東京・銀座になかなか予約が取れない大人気の店がある。「近畿大学水産研究所」。

不思議な名前の食事処は、お昼前に訪ねたのに席はもういっぱいだ。客のお目当てはマグロだ。

この店で使っているのは近畿大学水産研究所が世界で初めて完全養殖したクロマグロ。

一番人気は「近大マグロづくし丼」(2500円)。もうひとつのこの店の評判は「ご飯がおいしい」こと。

「いろいろな業者のお米を使う中で、金芽米が甘みがあって一番おいしかったので、使わせていただいてます」と言う。

金芽米の魅力はおいしさだけではない。金芽米に惚れ込んだのが「タニタ食堂」。

ヘルシーメニューで人気の店だ。日替わり定食は一汁三菜。

バランス良く栄養が取れるメニューに金芽米が一役買っている。普通の米と栄養価が違うのだ。

栄養価は玄米並みにあって、白米以上においしいので、うちのコンセプトとマッチしていました。通常のお米と比べて、食物繊維ビタミンミネラルが豊富になっています」(丸の内「タニタ食堂」の加藤めぐ美さん)

さらにこの金芽米は普通のお米よりカロリーは10%ほど低めだ。

「家でも食べたい」と言う声に応え、「タニタ食堂の金芽米」として販売も。ネット通販で人気商品となっている。米離れが進む中で、金芽米の生産量はグングン伸びている。


 おがわの音♪ 第233

      歴史は「25年ごと」に考えると見方が変わる   

      戦後、日本は3つの時代を生きてきた  

混迷を極める現代においても「歴史の尺度」を駆使すれば、日本や世界がたどる未来の道筋が見えてくるという。

 大予言 「歴史の尺度」が示す未来』を書いた東京大学大学院情報学環・学際情報学府の吉見俊哉教授は、時代は25年単位で読み解けると話す。


 おがわの音♪ 第232

       「食の自動化機械」、人手不足を背景に熱視線 

食の現場で自動化が進んでいる。

東京ビッグサイトで6月13日から4日間開催された国際食品工業展。食品に関するさまざまな機械やロボットが一堂に集められた。

寿司ロボット、菓子パン成形マシン、串刺し機、野菜の洗浄機、異物混入の検査機、マニアックなところでは、鶏のボンジリ(尾骨周辺)の骨を抜いてカットする機械もあった。


 おがわの音♪ 第231

     なぜインドは米国より仲の悪い中国と組むことを選んだのか? 

反米の砦とも呼ばれる上海協力機構ことSCO。

日本ではあまり報じられていないのでご存知ない方も多いかもしれませんが、この組織に新たにインドとパキスタンが加わることになりました。

これが何を意味するのか、日本にどう関係してくるのか。

『ロシア政治経済ジャーナル』では著者の北野幸伯さんが、SCOのこれまでの歩みを振り返りながら解説しています。


 おがわの音♪ 第230

      日本の科学研究の実力が急速に低下している

           政府支出を評価する「独立財政機関」の設置を 

2017年度版の「科学技術白書」(6月2日政府、閣議決定)によると、主要な科学論文誌に発表された論文のうち、引用された件数の多い論文の国別順位で、日本はこの10年間で4位から10位に下がっており、基礎研究力の低下が著しいと指摘されている。

すでに日本の基礎研究力の低下は議論されており、政府は4月に行われた総合科学技術・イノベーション会議(議長は安倍晋三首相)で名目GDP(国内総生産)600兆円の達成に向け、技術革新を推進するための研究開発への投資額を来年度から3000億円上積みする方針を固めた。

生産性向上のためには科学技術のブレークスルーが必要となるが、日本の財政を考えると大盤振る舞いできる状況にはない。

第5期科学技術基本計画で示されている「(政府研究開発投資は)対GDP比の1%にすることを目指す」を中心に議論せざるをえないため、研究開発投資の金額を増やすためにはGDPを増やす必要がある。

これはつまり、「高い経済成長をするためには高い経済成長が必要である」と言っていることになり、とても苦しい状況だ。


 おがわの音♪ 第229

     これからは「報・連・相」より「確・連・報」が効く

       自発的な人材が育つ「かく・れん・ぼう」とは? 

「ほうれんそう」という言葉は、ビジネスパーソンの常識になっているのではないかと思います。

「報告」「連絡」「相談」のそれぞれの頭の文字をとって「報連相(ほうれんそう)」というわけです。

1982年頃、当時の山種証券(現・SMBCフレンド証券)の山崎富治社長が発案し、社内で「ほうれんそう運動」を始めたのがキッカケだということです。

なぜ、ほうれんそうを思いついたのか。

山崎さんご本人は「お風呂に入っていたときに思いついた」、あるいは「雨の日曜日に自宅でぼんやりしていたときに思いついた」と言われているようです。それで、正確なところはどちらなんだ、いや、他のときなのではないかという具合に論じたりしている人もいるようです。実際に言ったのは、山崎富治さんではなく、父親の種二さんだという説まであります。


 おがわの音♪ 第228

      富士フイルムHD375億円の損失。名門の不正会計はなぜ起きたか?

612日、富士フイルムHDは傘下の「富士ゼロックス」のニュージーランドと豪州の販売子会社で不適切な会計処理が行われていたことを発表、損失額は375億円に上るということです。また、今回の不正に対する内部告発を「隠蔽」するよう幹部から指示があったことも公表されました。あの名門企業と子会社との間にどんな問題があったのでしょうか?

店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが、不正の行われた背景について詳しく解説しています。  


 おがわの音♪ 第227

     よく言われる「血管年齢」「カラダ年齢」これってどういう意味? 

健康ブームが広がる中、身体の状態を一般的にわかりやすく表す指標として「○○年齢」を用いて判定することが多くあります。

血管年齢、カラダ年齢は、耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか?

しかし、これらはそれぞれ何を意味しているのでしょうか? 今回はこの「○○年齢」について、解説していきます。


おがわの音♪ 第226

  2018年以降、「世界同時不況」が始まる理由  

     バブル崩壊の「引き金」はどこが弾くのか   

これからの世界経済の大きな流れについて、みなさんはどのようにお考えでしょうか。

今の株式市場の雰囲気から判断すると、「世界経済は今後も順調に拡大するだろう」と考ている方々がけっこう多いのではないでしょうか。 ウォール街では米国の景気拡大がはやし立てられ、米国株も6月に入って史上最高値を再び更新したばかりです。

株式市場の強い動きに引きずられるように、米国では多くのエコノミストたちが楽観的な景気予測に傾いてきています。

いつも不思議に思うのは、株価が上がると人々は「景気がよくなる」と勘違いをしてしまうということです。

そういった意味では、エコノミストも一般の人々も大差はないといえるのかもしれません。       


 おがわの音♪ 第225

       地に堕ちた国産ジェット旅客機。三菱MRJ5度の延期はなぜ起きた?

国産初の小型ジェット旅客機として日本中の期待を一身に背負う三菱MRJですが、三菱重工業は先日、初号機の納入について「5度目」の延期を表明しました。当初日程から5年以上もの遅延になるとあって、悲観的な報道も多数見られます。

そこには一体どのような問題が横たわっているのでしょうか。

航空機事情にも精通する作家・冷泉彰彦さんが、その原因を探ります。


 おがわの音♪ 第224

     松下幸之助&本田宗一郎に学ぶ、「怒る」と「叱る」の違い

「叱る」「怒る」は似ているようで違います。

企業でも家庭でも、してはいけないのは「怒る」ことです。

「怒る」のは、自己中心のただ単なる感情の現れです。これに対して「叱る」ことは、自己中心でない目的があります。

「叱る」と言いながら、そこに自己があるときは「怒り」でしかなく、相手に「恨み」や「憎しみ」を植え付けるだけです。

経営者で「叱る」名人の代表格は、松下幸之助さんと本田宗一郎さんです。

この二人がもっとも結果的に見て効果的な「叱る」ことができた人です。

この二人の「叱り方」は性格を反映してか少し趣が違います。

共通しているのは、「叱り」はじめたら烈火のごとく激しく迫力があったということと、「叱る」ということの根底に納得できる「価値観」があるということです。私心でない「価値観」がなければ「叱る」は「怒り」です。


 おがわの音♪ 第223

      キーエンス、3年ぶりに通常決算に復帰のワケ

         4期連続の変則決算から久々の12カ月決算へ   

快進撃はいつまで続くのか――。

日本有数の高収益・高年収企業として知られる、工場自動化向けのFA(ファクトリーオートメーション)センサー大手のキーエンス。同社は今2017年度から、3年ぶりに12カ月の通常決算となる見通しだ。

キーエンスは2014年度以降、1年間を321日~620日の3カ月決算と、621日~翌年320日の9カ月決算へと分割する変則決算を4期連続で繰り返してきた。  


 おがわの音♪ 第222

     「ホンダらしさ」は自動運転でも体現できるか  

     2025年に一般道での自動運転実現を目指す  

高速道路の加速レーンに入り、ハンドルの右側にあるボタンを押した。すると、車は自動運転モードに切り替わりそのまま本線に合流した。ここは、ホンダの研究開発子会社、本田技術研究所が栃木県に構える巨大な試験場だ。

6月5日、ホンダは世界16カ国から200名を超すメディア関係者を集め、開発中の次世代技術を披露。

記者は高級セダン「レジェンド」をベースとした自動運転の試作車に乗る機会を得た。

ハンドルやアクセルから手足を離していても前方の車に自動で追従するほか、車線変更や追い越しもドライバーの指示なくできる機能を備えている。追い越し時はシステムがウインカーを出して車線を変更し、加減速も人間の操作のようにスムーズに行われた。システムが操作をするものの、高速域での運転中はドライバーによる周辺の監視が必要。

視線を前方からそらすことはできない。カーナビ付近に取り付けられたカメラがドライバーの視線や顔の向きを確認している。

ここまでは運転の主体があくまでドライバーという、いわゆる「レベル2」の自動運転だ。 


 おがわの音♪ 第221

     グーグルが生んだ「自動運転車」に乗ってみた 

     黎明期から開発にかかわるエンジニアを直撃 

米国シリコンバレーにあるグーグル本社から車で10分ほどのところに、「X」という看板が掲げられたビルがある。

グーグルから分社化した次世代技術の開発会社の名前だ。かつては「グーグルX」というプロジェクト名だったことで知られる。このグーグルXから生まれたのが、世界中の自動車メーカーを驚かせた、自動運転車プロジェクトだ。

2009年に開発が始まり、翌年にその内容が公表された。