おがわの音♪  第21版-第40版



 おがわの音♪ 第40版      

      東芝メディカル×国循、新たな挑戦

 臨床に近い先生といわば“寝食を共に”する。

新たな知見を(臨床現場に)持ち込むことで新しいアイデアが生まれるなら、それこそがオープンイノベーションの最たるものだ」(東芝メディカルシステムズ 代表取締役社長の瀧口登志夫氏)。

 モダリティーごとの性能に軸足を置いた医療機器開発から、医療機関や患者に与える“価値”を重視した医療機器開発へ。

作り手と使い手が手を組み、一つ屋根の下でそうした機器開発を進めるべく、東芝メディカルと国立循環器病研究センター(国循)がタッグを組む。


 おがわの音♪ 第39

なぜ日本には老舗が多く残り、韓国は三代も続く店がないのか?

 創業100年以上の老舗企業が10万社を超えるという日本と、「三代続く店はない」と言われる韓国。両者の違いはどこにあるのでしょうか。

日本を老舗企業大国に導いたとも言える江戸時代中期の思想家・石田梅岩(いしだ ばいがん)の「石門心学」を紐解きつつ考察しています。  


 おがわの音♪ 第38版  

  交渉中に相手が激怒。決裂寸前からの「危機回避」術  

話し合いの最中に、相手が突然「話にならない!」と怒り出し交渉決裂の危機…そんな時、どうしたらいいのでしょう。『弁護士 谷原誠の【仕事の流儀】』では、現役の弁護士ならではの「危機回避術」を伝授。  

交渉は、利害が異なるもの同士が諸条件をすり合わせ、何らかの合意を目指すものであり、対立点があっても粘り強く進める必要があります。

しかし、交渉のわりと早い段階で、こちらが提示した何らかの条件に対し「話にならない!」「まったくナンセンスだ!」と、一言のもとに拒絶されることがあります。

こういった言葉は、こちらを責めるような口調で発せられることも多く、言われた方は「これは本当にダメそうだ」と思ってしまうもの。あるいは、こうした感情的な拒絶を受けると、感情が高ぶり「こちらこそお断りだ!」と反発してしまいそうになります。

繰り返しますが、交渉は何らかの合意、問題解決に至るのが目的です。

最終的に条件が合わずに決裂することは当然ありますが、交渉が行われている間は、合意を目指し、かつなるべくこちらに有利な条件を引き出すことに注力すべきです。感情に感情でぶつかっても何も生みださず、意味がありません。


 おがわの音 第37版  

   豊洲市場「空洞」問題を意図的に長引かせようとしている真犯人 

築地市場から豊洲への移転延期を正式に表明し、自民都議連への静かな宣戦布告をした小池百合子都知事ですが、ここに来て「地下空洞問題」という新たな火種が持ち上がりました。

誰が「盛り土」もせずに豊洲の地下を空洞化せよと指示を出したのか、その「犯人探し」の様子は、連日のようにワイドショーなどで 長時間に渡って報道されています。

『国家権力&メディア一刀両断』の著者・  新 恭さんは「地下空洞」騒動について、小池都知事自身が「勧善懲悪劇」を演じることで、この問題を長期化させていると指摘。そのことで、都議会の自民党が「移転利権」を死守するために「脱・小池」へ動き出す可能性を示唆しています。


おがわの音 第36版  

   人工知能のイノベーション、人工知能によるイノベーション

   ~ AIの可能性と限界を考える 

9月14日にNPO法人産学連携推進機構主催の講演@秋葉原で、AICOS2016(アキバイノベーションカレッジオープンセミナー)第5回が開催されました。 テーマは「人工知能のイノベーション、人工知能によるイノベーション~ AIの可能性と限界を考える ~」、講師は40年前からこの分野を研究し続けている第一人者で東京大学の中島秀之特任教授。

近年自動車の自動走行や世界最強の棋士を破った囲碁AIなどで盛り上がっていますが、そもそも「知能」の定義は、情報が不足した状況で(そこそこ)適切に処理する能力。

必要な情報がすべて揃って、処理アルゴリズムが決まっている場合は必ず答えが出るわけで、この分野で人間はコンピュータの速度に敵いません。よって訳の分からない時にAIと呼ばれていたものが、顔認識のように解明されて実用化されると単なる IT になることもあります。

こういったもやもやした世界は日本人が得意とする分野であり、幾何学的配置のベルサイユ宮殿に対し、平面図では全く良さが分からないのに、実際その場に立つと見事に美しい桂離宮が好対照の例として挙げられました。

医療の例でいえば最新医学知識は、医師よりAIが多くても「注射は痛い」など無数の常識をデータ化するのは困難で人間の能力を天才が100、凡才が90とする時に、現状のAI110という表現が興味深いものでした。

その点で、インダストリー4.0で製造情報をデータ化して上手い処理技術が開発されてしまうと日本流の暗黙知的な技能の優位性が崩れる危険性もあります。日本が記憶とか計算とかAIが得意な分野だけ教育し、視点とかデザインとか、人間が得意な分野を教えているという問題提起がありました。  


 おがわの音♪ 第35

    黒田総裁は実現不可能な「口約束」をしている 

~日銀の金融政策をホンネで「総括検証」する 

 20160921

日銀の金融政策の成果を、株価で測る傾向が世にはびこっている。

金融政策発表後に日経平均が上がれば「成功」、下がれば「失敗」とする論調が多い。
それにつられて、いつのまにか日銀が、「株価を政策目標とする中央銀行」に変わりつつある。

 

市場は日銀の「実現不可能な口約束」を好感した

その意味で、9月21日に発表した金融政策は、成功だったのだろう。

発表内容を好感して、この日の日経平均は、前日比315円上昇した。
日銀のマイナス金利導入で収益にダメージを受ける銀行株がこの日は大幅高になった。
大手銀行株がこの日急騰したのは、日銀が「イールドカーブ・コントロール」を導入すると発表したためだ。
10年物国債金利が概ねゼロ%で推移するようにコントロールするとした。

年80兆円のペースで、国内債券の保有残高を増やす量的緩和は続けるが、10年以上の金利がマイナスにならないように、買い付ける対象を調整するとした。具体的には、10年以上の国債の買い付けを減らし、それよりも短い国債をたくさん買うことになる。

買い入れ対象について、平均残存期間の定めを廃止することによって、中短期債券の買い付けを一段と増やせるようにした。日銀の発表を受けて、10年国債利回りは一時+0.0286%まで上昇した。この日のマーケットは、日銀の口約束に素直に反応したと言える。
日銀は、マーケット関係者が喜びそうなことを、これでもかと言うくらい並べたてたからだ。
私は、日銀の口約束には、実現不能の内容が含まれていると考えるが、21日の金融市場は、とりあえず 日銀の口約束を素直に評価した形だ。

日銀の狙い通り、長期金利が上がれば、年金基金や金融機関の運用悪化を防ぐ効果がある。
一方で、中短期金利を下げれば、円高を防ぎ、設備投資のためのファイナンスをしやすくする効果も期待できる。いいとこづくめである。しかも、日銀は今回、口約束をさらに一つ、エスカレートさせた。 「オーバーシュート型コミットメント」を導入すると表明した。2%の物価目標が達成させても即座に金融緩和をやめず、安定的に2%以上が維持できるまで続けるとしたことだ。いつか来る日銀金融政策の出口への不安の払拭を狙ったものである。

しかも、いつも通りであるが、さらなる量的緩和の拡大も、選択肢として温存していることが述べられている。

株式市場のことをよく知っている黒田日銀総裁は、これでもかというほど、株式市場が喜びそうなことを並べたててきた。


 おがわの音♪ 第34

    ドル円は年度末95円から来年度90円に進む

~「緩和=通貨安」の鮮度失い、来年も円高警戒 

2016年09月20日

黒田総裁はサプライズに頼りすぎて、企業や家計、市場参加者の共鳴を得られなかった?
9月20~21日にかけて、日本では日本銀行の金融政策決定会合を、米国ではFOMC(連邦公開市場委員会)をそれぞれ控えている。
しかし、ここでどのようなアクションが取られても、ドル円相場がドル安円高基調を脱するのは難しいと見ている。
為替市場ではすでにこうした日米の金融政策の格差というものがあまり効かなくなっているためだ。
日本の予想実質金利(=名目金利-予想物価上昇率)の高止まりが続くと見込まれる中、日米間の経常収支やインフレ率の格差が重石となり、ドル安円高傾向が続く可能性が高いだろう。


 おがわの音♪ 第33

   台湾が親日な理由は彼らにあった。台湾の発展に尽くした日本人列伝

かつて日清戦争で勝利をおさめた日本は台湾を50年もの間統治していましたが、日台間には現在まで大きないさかいもなく友好関係を築いています。

それは、以前「台湾で最も尊敬される日本人。命がけで東洋一のダムを作った男がいた」という記事でもご紹介した  八田與一をはじめとする、統治時代に台湾のために尽くした日本人たちの努力の証であると言えるかもしれません。

そんな先人たちの姿が詳しく紹介されています。


 おがわの音♪ 第32

     世の中を変えるほどの発明は最初、誰もその重要性に気づかない  

世界的エンジニアの中島聡さん。「発明」に関する、とある記事に対して、中島さんが自身の見解を述べています。

ライト兄弟の有人飛行やベルの電話など「世紀の大発明」と呼べる発明であっても、その重要性を世の中に認知してもらうまでには膨大な時間がかかりました。

中島さんも自分自身がInstagramに先駆けて発明した世界初のスマホ向け写真共有SNS「Big Canvas PhotoShare」を例に、その難しさを語っています。 


 おがわの音♪ 第31版       

  偽装発覚。豊洲市場「手抜き」問題で嘘をついているのは誰か? 

土壌汚染解消のための盛り土が、主要な建物の下でなされていなかったという大問題が噴出した豊洲新市場。

何よりも安全性が重視されるはずの市場で、なぜこのような問題が起きたのでしょうか。

ジャーナリストの内田誠氏は、新聞各紙がこの事態をどう報じたか詳細に比較、分析しています。


 おがわの音♪ 第30版  

 ギリギリで生きている日本経済に突きつけられた金融緩和のジレンマ

すっかり勢いを失ってしまった感のあるアベノミクス。

日銀・政府とも様々な手を打ってはいるものの、金融緩和政策は限界に来ており、ここで根本的な問題を解決しないことには日本に未来はない、と見るのは『国際戦略コラム』の著者・津田慶治さん。津田さんは、このまま行けば国家としての財政破綻だけでなく、中国との戦争までをも誘発する危険性があると警鐘を鳴らしています。


 おがわの音♪ 第29

     なぜ居酒屋「鳥貴族」は、280円均一で東証1部に上場できたのか? 

30年もの間、ブランドひとつで均一価格を貫き、東証一部上場も果たしている居酒屋チェーン「鳥貴族」。

その人気を支えるコストパフォーマンスの高さを長期間維持し続けるノウハウを『MBAが教える企業分析』の著者・青山烈士氏が、図表を用いて詳しく解説。


 おがわの音♪ 第28

     シャープ、戴社長のリストラに高まる緊張  

20160917

      "信賞必罰"の人事に幹部も社員も戦々恐々

シャープ旧本社のある大阪・西田辺駅から徒歩1分。

築30年を超えるシャープ社員寮で、一般社員と一つ屋根の下、新社長の戴正呉(たいせいご)(65)は暮らしている。

8月12日に自らが副総裁を務める台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業がシャープを買収して約1カ月。子会社化(出資比率66%)したシャープについて、「金持ちの息子みたいな社風」と酷評した戴だが、赤字会社の一員のあるべき姿を“身をもって”示しているようだ。戴が新社長に就任して以降、シャープの内部は徐々に変わりつつある。

「買収完了前、シャープの一部門が中国・深圳に移る選択肢を提示されたが、今はその話はない。(7000人削減との観測もあったが)人員削減も現状では実施されず、ライン長が台湾人になってもいない。ドラスチックな改革は思ったより進んでいない印象だ」(シャープ社員)という。

「シャープは引き続き独立した企業」と戴は繰り返しており、社員には一定程度配慮しているようである。


 おがわの音♪ 第27版 

   「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」

日本経済再生と持続的経済成長を実現するには、科学技術イノベーションが不可欠である。

その実現に向け、内閣府に設置されている総合科学技術・イノベーション会議(議長:安倍晋三首相)が創設したのが、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」。

3年目を迎え、着実に成果を生み出し、さらに発展しようとしている。 

「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)とは、総合科学技術・イノベーション会議が自らの司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野の枠を越えたマネジメントに主導的な役割を果たすことを通じて、科学技術 イノベーションを実現するための国家プロジェクト。

国民にとって真に重要な課題の解決を図るとともに、日本の経済・産業力にとって重要な11の課題を強力にリードする11人のプログラムディレクターを中心に、基礎研究から実用化・事業化、まさに出口までを見据え一気通貫で研究開発を推進することを通じて科学技術イノベーションの実現を目指す。 


 おがわの音♪ 第26版 

 たった15年。なぜアメリカは9.11以後、落ちぶれてしまったのか?   

アメリカ同時多発テロから15年。その間、世界は激変の様相を呈しました。

北野幸伯さんはこの15年を振り返り、まさに「9.11」からアメリカは没落し始めたと記しています。 


 おがわの音♪ 第25版  

  DMG森精機、スマートファクトリー実現への挑戦 

 

2016.09.14

 

工作機械でも始まるビジネスモデルの転換 

「今、大手自動車メーカーと実証実験をしているが、工場の稼働率が数%レベルで上がる。これを全世界でやりたい」  声のトーンがほんの少し上がったような気がした。DMG森精機が大手自動車メーカーと進めているスマート工場のプロジェクトについて、同社取締役社長の森雅彦氏が紹介したときのことだ。

記者会見や講演などではあまり抑揚を付けず淡々と話す印象のある森氏が興奮を隠しきれなかった(と記者には思えた)のだから、そのプロジェクトでは相当な効果が出ているのだろうし、工場のスマート化には大きな可能性が秘められているのだろう。  

そのDMG森精機は2016年9月9日、「ITの老舗」(森氏)である日本マイクロソフトと「工作機械を中心とする制御システムのセキュリティーおよびスマートファクトリーの実現」に向けて技術協力することで合意した。

2017年春以降、両社で共同開発した製品を順次投入していく。


 おがわの音♪ 第24版  

  トヨタが一途に社員へ叩きこむ「思考の本質」 

 20160706

専門知識を持っているだけでは役に立たない 

今年2016年3月、「AlphaGo(アルファ碁)」というプログラムが、「世界最強の一人」といわれる棋士に勝って、ついに 囲碁の世界でも人工知能(AI)が人間を打ち負かしたと話題になった。

コンピュータがチェスの世界チャンピオンに勝ったのは1997年だが、囲碁はチェスに比べて次に打てる手の組合せが膨大なため、「あと10年はコンピュータが人間に勝てない」と最近まで言われていた。

それが「ディープラーニング」という新しい人工知能の技術で、あっけなく実現してしまった。


 おがわの音♪ 第23版  

社長をなかなか辞められない理由   

60歳になったら現役から身を引いて、若い人に経営を任せよう。

55歳くらいになってくると、そんな思いになるものだ。特に会社が安定して、このまま次の世代に引き渡しても

大丈夫だろうと思えるなら、自分の老後のことが頭をよぎる。

ところが実際に60歳になって、まだ若い頃と同じような決断力もあり、アイデアもいろいろ出てくると本人が感じ

ている場合、あれだけ道を譲ろうと思っていたにもかかわらず、現役のままで仕事を続けようと思うようになる。

これもまた、脳の報酬系による働きなのだ。


 おがわの音♪ 第22版   

   狙うは中国の孤立。安倍総理がロシア経済分野協力担当相を新設した思惑

政府は「ロシア経済分野協力担当相」を新設し、世耕弘成経済産業相の兼任を発表しました。

これにより「北方領土問題」の進展を目指すとしていますが、北野幸伯さんは、その裏に隠されたもうひとつの目的を挙げ、新設の決断を下した安倍総理を絶賛しています。 


 おがわの音♪ 第21

     特集】どうしたユニクロ ~ なぜ値上げした? 迷走するユニクロが犯した価格設定の甘い罠 

商品の売上げを大きく左右する「価格設定」。

値上げはもちろんのこと、値下げで顧客の足が遠のいてしまうこともあるといいます。

一体なぜ?『店舗経営者の繁盛店講座』の佐藤昌司さんが、安易な「価格政策」で顧客の反感を買ってしまった結果、業績が悪化した企業に共通する「問題点」を徹底的に分析しています。