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自民党“裏金事件”で完全に国民の期待を裏切った検察


痛感させられた税負担の不公平さ

今市太郎

2024年1月23日

自民党・派閥の政治資金パーティーをめぐり、一昨年までの5年間で収入と支出をあわせ、安倍派は135,000万円以上、二階派は38,000万円以上が政治資金収支報告書に記載されず、岸田派では2020年までの3年間で3,000万円以上の収入が不記載になりました。

しかし、お縄頂戴となったのは結局、派閥の幹部ではなく会計責任者ばかり 

この事件、もっぱら特捜は政治資金規正法違反を前提にして捜査を進めてきたようにみえます。

実は国民目線で言いますと、巨額の「脱税」を長期間に渡って実施してきたものであり、この部分は完全にまじめに収入に対する税負担を行ってきた小市民にとっては、実に不愉快かつ不公平な脱税行為であったことが今さら浮かび上がる状況です。


自民党の裏金事件、あっさり捜査終了

19日、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件で東京地検特捜部は安倍派の2人の国会議員と安倍派、二階派、岸田派の3派閥の会計責任者など、総勢8人を在宅のまま立件して捜査を終了しています。派閥の政治資金パーティーをめぐり、一昨年までの5年間で収入と支出をあわせ、安倍派は135,000万円以上、二階派は38,000万円以上が政治資金収支報告書に記載されず、岸田派では2020年までの3年間で3,000万円以上の収入が不記載になりました。

しかし、お縄頂戴となったのは結局、派閥の幹部ではなく会計責任者ばかり誰が考えても会計責任者だけが独走して行ったはずはないのに、巨悪の本質にはまたしても手をかけられずに終焉となってしまいました。

会見当日は、特捜部長ではなく、東京地検次席検事がわざわざ出てきて説明を行いましたが、誰が出てきても各派閥のキーパーソンを連座制適用で立件することはできず、前評判とはまったく異なる結末に多くの国民ががっかりさせられています。

結局、今回も東京地検特捜部は巨悪に安眠枕を提供したにすぎず、やっている感だけを醸成した仰々しい捜査に国民の呆れる発言がSNS上で目立つこととなってしまいました。

国民目線で見た時、この事件が抱えるのは政治資金規正法違反ではなく巨額の脱税

この事件、もっぱら特捜は政治資金規正法違反を前提にして捜査を進めてきたようにみえます。

しかし、実は国民目線で言いますと、巨額の「脱税」を長期間に渡って実施してきたものであり、この部分は完全にまじめに収入に対する税負担を行ってきた小市民にとっては、実に不愉快かつ不公平な脱税行為であったことが今さら浮かび上がる状況です。

今回は4,000万円以上を抜いたくだらない三流議員が逮捕されて議員辞職をするそうですが、本来ならば金額こそ違っても同種の裏金作りをして何処の帳簿にも載らないカネを抜いてきた議員は、すべからく摘発されるべきでしょう。それなのに特捜が勝手に法律適用の線引きを行ったことは、非常に問題のあるやり方に見えて仕方ないのが実情です。

国民だけきっちり払わされる税金

本来ならば交通違反の罰金のように、スピード違反なら誰でも即罰金刑かつ公民権停止などは、どんなに少ない金額でも一律実施すべきものであるべきです。また脱税という意味では、所得税も支払っていなければ地方税・住民税所得にあわせた社会保障費の負担もまったくできていないわけですから、7年の時効ですでに消え去っていない限り、一般の個人と同様に所得税法違反に問われるべきでしょう。

今回のように所得隠しが作為的で悪質なケースの場合には35%または40%の重加算税、さらに延滞税が原則として年7.3%または14.6%、そのうえに本来の税金の支払いを行うことになります。

1,000万円のごまかしだったから特捜に捕まらなかった。ああよかった」……では済まない状況が続きます。

これはさすがに帳簿への不実記載を修正するなどということだけでは絶対ダメで、国民が税負担の不公平さを強く感じるのは当たり前の話となってきています。

議員ともなれば抜け道がいくつも用意されている

不正がすでに発覚している裏金議員については徹底して税の徴収を行っていただきたいものですが、メディアの報道を含めてそういう声が全然高まらないのにも相当な違和感を感じる次第です。

まあそれにしても、よくこれだけ議員だと税金を支払わなくて済む抜け道が提供されているものだと驚くばかりです。

これはやはり単なる偶然ではなく必然として、そうしたやり口が集まってきているのではないでしょうか。

岸田首相の肝いりで発足した政治刷新本部も立ち上げた途端から何の役にも立たないことがもろばれで、国民目線との凄まじい乖離が気になるところ。

また、すでに多くの国民がこの事実に気づいてしまっているというのも、呆れたものがあります。          ※記事一部抜粋


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