おがわの音♪ 第1534版の配信


AIのもたらす変化

カンブリア爆発から考える

「おがわの音♪」の卯年の最後のBLOGとして、新聞の「社説」を引いて、締めくくりとしたい。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えください (^^)/


一日一つでも良いから
    楽しい事を口に出して
       笑顔で楽しくしていればいい      

今日も一日、" 楽しかった" 探しを』   (^_^)/  



2023.12.31. 

朝日新聞デジタル

 高台の公園から、太平洋と長い海岸線が見渡せた。遊園地や動物園があり、茨城県日立市民の憩いの場となっている。

 一角に「日本最古(5億年前)の地層の上にある『かみね公園』」と書かれた看板が立っていた。

 この地層は、近くの小木津山自然公園や常陸太田市にかけて広がる。

 海の底で堆積したとき、日本列島は、まだない。超大陸ゴンドワナが存在したとされるころだ。

 5億年前とわかったのは2008年のこと。茨城大学名誉教授の田切美智雄さん(78)らの研究チームが解明した。

田切さんは「長年、みんなが見ていたのが日本最古の地層だった」と話す。

 5億年前はカンブリア紀という時代だ。この時期、地球に様々な生物が急激に出現した。生命史上の大変革カンブリア爆発」と呼ばれる。

 今日は大みそか。地質学スケールでは1年は一瞬だけれど、いろんなことがあった。

 コロナが一段落し、野球や将棋の快挙にわくわくした。

ジャニーズやビッグモーター、自民党の裏金の問題が表面化した。クマの人的被害が相次ぎ、観測史上最も暑い年としても刻まれそうだ

 

 波紋広がる技術革新

 人工知能(AI)の急発達と普及も大きな出来事だ。

 1年前、多くの人は想像しなかった。大きな影響を及ぼす技術進歩は、ときにカンブリア爆発と対比される。

AIの進歩は、これからの社会をどう変えていくだろう。

 身近なところでは、翻訳や文章の要約など、仕事の省力化に役立てられている。ネットにはAIがつくった文章があふれ、意識せずに触れていることも多いだろう。

顧客対応や自動運転など活用が様々な分野に拡大し、人手不足の解消も期待できそうだ。

 半面、仕事を奪われ、過度な依存で考える力が衰えさせられるかもしれない。アイデアの創造や物事の判断さえAIが優位になれば、人間と主客転倒しかねない。

兵器に活用され、犯罪にも使われうる。ウソが大量に拡散されれば混乱を招く。民主主義との相性の悪さも指摘される。

 Chat(チャット)GPTに代表される生成AIは、大量の言語データを学習させて自然な文章をつくり出す。

大規模言語モデル」と呼ばれる手法で膨大なデータを処理することが性能を飛躍的に向上させる引き金となった。

これを成し遂げられる資金と技術がある組織の独壇場となる。使い続ければ、さらに性能が高まり、運用者に知が集中して、差が広がっていく。

 来年はどこまで進むのか。5年後は、10年後は。より想像しにくくなった。

 AIが世界史の節目となる変化を及ぼすかはまだわからないが、生命史の節目となったカンブリア爆発をもう少し考えてみたい。

 

 はじまりに眼の誕生

 カンブリア紀に、急にいろんな生物が現れたのは、眼(め)の誕生が引き金になったと考えられている。眼を持つ動物は、他の生物を捕まえるのに優位になる。

捕食される動物は身を守るために、硬い殻やトゲを持つようになったり、素早く逃げる機能を発達させたりする。

攻撃と防御を競う、いわば「軍拡競争」で種類が増えていった。海底を掘って隠れる生き物の出現は、畑を耕すかのように栄養分の循環を拡大させた。

 人間から見ればきてれつな生き物も出現した。どちらが背中か腹か議論が割れたハルキゲニア、眼が五つある生き物もいた。

君臨したアノマロカリスは「奇妙なエビ」という意味。眼と長い2本の付属肢、扇形の尾を持ち、泳ぎながら捕食していたようだ。

 カンブリア爆発は、地球の生態系をすっかり変え、後戻りできない変化となった。

熊本大学准教授の田中源吾さん(49)は「それまでなかった世界、巻き戻しがきかない世界になった」と表現する。

 

 底流にあるもの

 産業革命、インターネット、AI技術革新もまた、恩恵も負の面も含めて以前の社会には戻ることはない

思いもかけない奇妙な発達をするかも知れない。便利さと危なさを考えて、上手に付き合っていくしかない

 変革をひかえたカンブリア爆発の前夜、何が起きていたのだろう。研究では、遺伝子の多様性は以前から進んでいたと考えられている。

そこに、酸素濃度の高まりや陸からの物質供給の増加といった環境変化が起き、眼の出現で一気に開花した

 「爆発」が認識されたのは、化石が残りやすい生き物たちが増えたためで、そうでない生き物たちがその前から準備を整えていたということらしい。

変化の芽の底流があったのだ。

 AIの進歩も、コンピューターの性能向上やビッグデータ技術の進化といった底流があってこそだろう。さらにその深層には、人類の長年の学術の蓄積がある。

 いま見えているものにも、きっと次の技術発展や社会変化の芽がある。目利きは難しいけれど、激しい動きのなかでこそ胸におきたい。 


 

最後までお読みいただき、有り難うございました。  ☚ LINK 

*** 皆さんからの ご意見・ご感想など BLOG』のコメントを頂きながら、双方向での 【やり取り】 が できれば、大変嬉しく思います!!   もちろん、直接メール返信でもOK ! です。 ^_^ *** 


メール・BLOG の転送厳禁です!!   よろしくお願いします。