おがわの音♪ 第1493 版の配信★


小学生4000人を猛暑から救った11歳の少年の“行動”

2023.09.26  

by 北野幸伯

 とかく大人は「自分ひとりが声を上げても仕方ない」と思ってしまいがちなもの。しかし要望は相手に伝えなければそれこそ何も変わることはありません。国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが取り上げているのは、市政を動かしたとある少年の行動4000人の小学生を「地獄の苦しみ」から救ったのは一通の手紙でした。  



「日本はもうダメだ!」と考えている人へ

私がモスクワから日本に完全帰国して、はや5回目の秋です。自然が美しく、街が清潔で、親切な人だらけの日本に住めるのは、本当に幸せなことです。

一方、日本国民の多くが「未来に希望を持てていない」という感じもしています。日本に戻ってきて、「何が問題なのだろう」と考えてみました。

日本人の多くが未来に希望を持てない理由。

1つは、「少子高齢化」「人口減少」問題です。2つ目は、「過酷な労働環境」です。3つ目は、日本が「重税国家」であることです。

他にもあるかもしれませんが、この3つが大きいのかなと思いました。

しかし、問題があるからといって絶望する必要はありません。問題があるなら、解決していけばいい。

たとえば少子化問題。日本のメディアも「専門家」も、「少子化問題は解決できない、人口減少は止まらない」という前提で話しています。

しかし、少子化は、政策で止めることができます。フランス、イスラエル、ロシアなどは、政策で出生率をあげることに成功しました。

ここで詳細には触れませんが、ロシアで成功した方法については、こちらを参考にしてください。

【関連】 日本以上に深刻な少子化問題を解決した、ロシアの大胆な「奇策」

そして、2つ目の「過酷な労働環境」について。

私が帰国した2018年は、「働き方改革」が流行っていました。結果、労働時間が減少したみたいです。

以前にも書きましたが、商社に勤務する友人は、日本時間夜11時頃モスクワに電話をかけてきました。そして、「まだ会社なんだけど」。そんな彼ですが、最近会うときは、「じゃ6時(18時)に待ち合わせで」となりました。他のいろいろな人に話を聞いても、多くの人の労働時間が短くなっているようです。

新型コロナパンデミックで、テレワークが一般化したことも大きいですね。自宅で仕事ができるのなら、毎日の通勤に使う往復2時間は大きな無駄です。

3つ目の「重税」。これは本当に問題ですね。日本はすでに「重税国家」ですが、岸田さんが、さらなる増税政策を進めている。

·    2019年、消費税率引き上げ

·    2020年、21年、新型コロナパンデミック大不況

·    2022年、ウクライナ戦争インフレ

4年間地獄の苦しみを味わってきた国民に、増税でドロップキックを食らわせる岸田政権。支持率が下がって当然だろうと思います。

野党の皆さんには、岸田さんの増税路線をどんどん批判してほしいです。

というわけで、日本国民の多くが未来に希望を持てないのには、理由があるのですね。

しかし。既述のようにあきらめる必要はありません。日本の労働環境が数年で劇的に改善されたように、他の問題も解決されるかもしれないからです。

「もう日本はダメだ!」と絶望している人は、以下の話を知ってください。

 

10歳の小学生が、多くの子供を「地獄の苦しみ」から救った話

今年は、本当に暑かったです。『日経新聞』92日付。

気象庁は1日、夏(68月)の平均気温が平年より1.76度高く、統計を取り始めた1898年以降で最も暑い夏だったと発表した。

かわいそうなのは小学生の子供達です。まず、ランドセルが重すぎます。最近は、一人一台ノートパソコンが支給されている。それはすばらしいことですが、

ノートパソコンを毎日持ち運ぶのがしんどそう。水筒も重そう。図書館の本も重そう。

とにかく小学生の「重いランドセル」も解決しなければならない問題だと思います。

そして、猛暑の中 通学するのは、本当に大変そうです。家の子供も、戻ってきたらクタクタでした。

さて、兵庫県たつの市の梅村凛太朗君は11歳。梅村君の家から小学校までは、2.4kmの道のりです。往復4.8km。片道30分、往復1時間の道のりです。彼は去年の夏、35度以上の猛暑の中、5キロのランドセルを背負って小学校に通っていました

いえ、子供たちは皆、猛暑の中5キロのランドセルを背負って小学校に通っていました。梅村君は学校から家にたどり着くと、もうヘトヘトで死にそうになるのでした。

去年、夏のある日、梅村君は、おばあちゃんに言いました。

「おばあちゃん。このままじゃ、暑すぎて本当に倒れちゃうよ」

おばあちゃんは、校長先生に手紙を書くことを提案します。それを聞いた梅村君は、「だったら市長さんに手紙を書いてみるよ!」と言いました。

校長先生だと、救われるのは梅村君の学校の小学生だけ。市長さんなら、市全体の子供たちが救われる可能性がでてくるからです。 

梅村君は、以下のような手紙を書きました。

ぼくはたつの市内の小学5年生です。 

毎日とても暑いです。 

特に学校帰りの3時や4時はせなかのランドセルがすごく重く、水とうやプールバックや給食袋などもありフラフラします。 

ニュースで熱中症の話をよく聞きます。 

ぼくも学校の帰り道汗をいっぱいかいて顔やせなかがびしょびしょで頭がぼーっとします。 

帰るとお母さんが「おかえり」と言ってくれますが、ぼくは暑くて大きな声がでません。 

体重計でランドセルの重さを測ってみたら約5キロありました。 

日曜に車で学校までのきょりをしらべたら約2.4キロありました。 

学校の帰りは特に暑いので、ぼくが市長さんにしてほしいことに書いてあることをなるべく早めにお願いします。 

1.   工事のおっちゃんが着ている空調ベストを学校の帰りに着たいので買ってください。

2.   顔やかたが日かげになる日がさのような大きなボウシをみんなにください。                

                            令和475日

                                                                                      たつの市在住5年生

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梅村君は、この手紙を「市民ポスト」に投函しました。たつの市の山本実市長は、この手紙を読みました。

そして、「子供が暑いからなんとかしなければならない」と、すぐ教育委員会に連絡したそうです。

しかし、去年は予算も時間もなく、子供たち皆に「冷感タオル」を配るだけで終わってしまいました。

教育委員会は、「1年後には子供たちを猛暑から救ってやる!」と決意します。梅村君が提案している「ファンつきジャケット」は11万円するので、予算が足りない。たつの市には4000人の児童がいるので、みんなに配ったら4000万円になってしまう。

さらに調査したところ、たつの市のかばんメーカー「セイバン」には、「ランドセルを涼しくする『冷感パッド』」が発売されていることがわかりました。

教育委員会が「セイバン」さんに相談すると、「背中に保冷剤を入れるタイプを開発中。これならかなり涼しく背負える」とのことでした。

そして、今年73日、市内の全小学生にランドセル用「保冷パット」を配布し終えたのです。 ☞ 動画LINK こちらから

山本市長は、梅村君に会いにいきました。

その時の感想は、「その笑顔を見て本当に私もうれしかったし、ホッとしましたわ。子供との約束を守れたなということがね」

市長に願いをかなえてもらった梅村君は。

「うれしい。ちょっとでも(みんなが)楽になるかな」

この話、いかがでしょうか?子供の声を真剣に聞き、問題を解決するために努力した

たつの市の山本市長、

教育委員会の皆さん、

セイバンの皆さん 

は実に立派です。そして、市長に手紙を書いた梅村君もとても立派です。

私は、なぜこの話をしているのでしょうか? 10歳の子供が書いた一通の手紙で市政が変わることがある。

私たち大人だって、変えたいことがあれば、市長でも県知事でも、総理大臣でも手紙やメールを書いたらいいのです。市長さん、県知事さん、総理が山本市長のように立派な人であれば、すぐに変わる可能性もあります。もちろん、すぐに変わらない可能性もありますが。でも、「こういう問題があります」「こういう解決方法があります」ということを、何かの形で伝えなければ絶対に変わりません。

だから、手紙を書きましょう。メールを送りましょう。

日本を良くするために、何かアクションを起こしましょう。

梅村君が市政を変えたように、あなたの一通のメールが、国を動かすかもしれません。

ちなみに、岸田総理にメールをすることは簡単です。是非、「増税しないでください!」とメールしてください。

ここから。

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 《#STOPインボイス》多様な働き方とカルチャーを衰退させるインボイス制度に抗議します




 

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