米エヌビディア、純利益9倍超に AI向け半導体に需要 5~7月期


米半導体大手エヌビディアが23日発表した2023年5~7月期決算は、売上高が前年同期比で2倍、純利益は9倍超に急増した。対話型AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」などの生成AIブームを追い風に、データセンターで使う高性能の画像処理装置(GPU)の販売が急速に伸びた。

 

 売上高は前年同期比2倍の135億ドル(約2兆円)純利益は9・4倍の約62億ドル(約9千億円)でいずれも過去最高だった。なかでも、売り上げの8割近くを占めるデータセンター向けは、前年同期から2・7倍と高い伸びをみせた。
@朝日新聞デジタル
 「コンピューティングの新しい時代が始まった。計算の高速化と生成AIという二つのプラットフォームの転換点にいる」。
ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は同日の電話会見でそう訴えた。
エヌビディアの時価総額は今年5月に1兆ドルを超え、足元では1・2兆ドル(約174兆円)に近い。日本トップのトヨタ自動車の4倍以上にあたる。
 チャットGPTなどの生成AIの基盤となる技術の開発や運営には、膨大なデータを処理する計算能力が必要となる。
エヌビディアは、米グーグルや米マイクロソフトなど生成AIを活用したサービスを提供するIT大手向けのGPUを手がけている。米メディアによると、世界のAI向け半導体の約8割のシェアを持つとされ、引っ張りだこの存在だ。
 バイデン米政権が検討中と報じられている、エヌビディアなどを対象にした半導体の追加の対中輸出規制について、同社のコレット・クレス最高財務責任者(CFO)は「世界的に強い需要があり、短期的には財務への影響はない」としながらも、「実施されれば、長期的には米国の産業にとって永久の損失となる」と警告した。サンフランシスコ=五十嵐大介)

基盤モデルの学習では、桁違いのGPUを使用

基盤モデルや拡散モデルといった高度なAIモデルを活用するには、ディープラーニング以上の演算能力を要する。

生成AIサービスを提供する企業にとって、こうした莫大な演算能力をいかに最小限の投資で用意できるかがビジネス化するうえでの重要課題になる。

従来のディープラーニングでは、GPUを数個搭載する規模のサーバーで学習処理を実行できた。これが基盤モデルを学習する際には、少なくとも千個以上の最新のGPUを数カ月間動かし続ける必要があるという。そして、GPT-3ならばGPUを数千個GPT-4では3万個超を使用していると言われている。特定タスク向けにカスタマイズするファインチューニングでも、基盤モデルの学習に比べれば処理時間ははるかに短いが、同様の演算能力が必要になる。

こうした高性能を実現するコンピューターを企業が自社保有して、生成AIサービスのビジネスや基盤モデルを活用したアプリケーション開発を展開するには、巨額の費用と投資回収が見込める使い先の確保が必須になる。

たとえコンピューターを保有しないまでも、少なくとも基盤モデルをファインチューニングする作業以降は、各企業個別で行う必要がある。学習データに秘匿性の高い社外秘データなどを大量に扱うことになるからだ。

そこで大手IT企業のなかには、極めて汎用性の高い共有基盤モデルを用意し、ファインチューニングだけの高度なAI環境を提供するところが出てきている。米IBMの「Watson X」はこうしたサービスの代表例である。



CBインサイツのデータを活用し、エヌビディアの21年以降の買収、出資、提携から6つの重要戦略をまとめた。  

この6つの戦略でのエヌビディアとのビジネス関係に基づき、企業を分類した。

・AI&機械学習

・自動運転

・クラウド&データインフラ

・デジタルツイン(仮想空間に現実のモノや空間を再現する技術)

・ヘルスケア

・量子コンピューティング&ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)        @日経新聞



メール・BLOG の転送厳禁です!!   よろしくお願いします。