おがわの音♪ 第1456 版の配信★


なぜ、中央アジアには名前に「スタン」がつく国が多いのか?

2023.07.26

 by 土井英司のビジネスブックマラソン

地理の授業、あなたは好きでしたか?子供の頃は苦手でも、おとなになってから地理について学ぶことで得られる知見は多いかもしれません。

今回は、世界情勢が目まぐるしく変わる今だからこそ、地理を学ぶ重要性が高まっているとして大人が受ける地理の授業のような一冊を紹介しています。



知っておきたい世界情勢・地理の視点⇒『世界の今がわかる地理の本』

ウクライナ・ロシアをはじめ、世界情勢が目まぐるしく変わるなか、地理を学ぶ重要性が高まっています。

地理を知ることで、各国が置かれている状況や、国家運営をする上での制約条件が見えてくる。

もちろん、グローバルで活躍するビジネスパーソンにとっては、基礎教養として必須です。

本日ご紹介する一冊は、日本地理教育学会長、日本社会科教育学会長などを歴任している、筑波大学人間系長、教授の井田仁康さんによる地理の教養書。世界を「アジア」「アフリカ」「ヨーロッパ」「アングロアメリカ」「ラテンアメリカ」「オセアニア」に分け、それぞれの国・地域の歴史や、主要産業などの統計データ、現在直面している問題、今後の方向性などをまとめています。コンパクトにまとまっていますが、各国の情報が過不足なく押さえられており、ビジネスパーソンが知っておきたいビジネスチャンス、踏んではいけない地雷ポイントがよくわかります。

また、好奇心やプライドをくすぐるように作られており、例えば以下の内容、知らない人は思わずめくってみようと思うのではないでしょうか。

・ドイツにトルコ系、フィジーにインド系が多いのはなぜ?
・なぜシンガポールは「周りに比べて自然災害が少ない」のか?
・中央アジアに「スタン」がつく国が多いのはなぜ?
・なぜ、カカオ豆農家は豊かになれないのか?

外国の方と話す際に、ネタになるのはもちろん、相手の文化をリスペクトする上でも、押さえておきたいポイントがきっちり書かれています。380ページと、決して薄い本ではありませんが、押さえられている国・地域の多さを考えると、むしろコンパクトといっていいと思います。「今日はこの地域・国」といった感じで、スキマ時間に少しずつ読むこともできるので、重宝すると思います。

ご家庭で読んで、クイズを出し合うと、家族全体の地理偏差値が上がるかもしれませんね。

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

南アジア」は、インド、ネパール、ブータン、バングラデシュ、パキスタン、さらにインド洋にある島国スリランカとモルディブの8カ国から構成される地域である。世界の陸地全体に占める面積の割合は約3にすぎないが、人口では約23を占め、人口が急増しているとともに人口密度が高い

コワンチョウ(広州)は中国を代表する食の街である(中略)世界各地で活躍する中国人(華人)はこの地域の出身者が多く、アモイやスワトウは世界への出港地であった

現在では中華民国を承認している国は約10カ国にすぎない

マラッカ海峡は現在、世界の貨物量の約50%が通過する重要な航路

ロンボク海峡は、幅は狭いものの水深が深いため、現在では大型タンカーやコンテナ船が通行し、マラッカ海峡とともに重要な海上交通路にもなっている

ジャカルタの都市問題を改善するため、新しい都市をカリマンタン島東部の森林地帯に建設し、首都機能を移転することになった。

新首都名は、群島国家を統合する象徴的な意味合いを込めて、ジャワ語で群島を意味する「ヌサンタラ」と決められた

多くの国名に「スタン」がつくが、かつてこれら地域に影響力を持ったペルシアの言葉で「土地」を意味している

クルドは、隣国のイラン、トルコにも居住する人口1,500万を超える民族であり、「国家をもたない世界最大の民族」ともいわれる

アフリカの国境線は直線状になっているものが目立ち、大陸全体の国境線の44%が直線である。民族分布と無関係に国境線が引かれたことで、

民族間のパワーバランスに不均衡が生じることになった

エチオピアは、日本の約3倍の面積に日本とほぼ同じ約12,000万の人口を抱え、アフリカ第2位の人口大国である。1991年に市場経済へ移行して以来、

経済成長率は対前年比10%に迫る年もあり、アフリカの非産油国としては最高水準の経済成長を遂げている

チリは地球上で最も南に位置する国である。世界三大岬の一つであるホーン(オルノス)岬があり、この岬を通過する経線が太平洋と大西洋の境界である。

世界最南端の都市といわれるプンタアレーナスは太平洋と大西洋を結ぶ船舶の寄港地として繁栄した

「はじめに 『地理』には、その土地の記憶がすべて詰まっている!」を読んで、著者の地理愛に感動しました。

著者が言うように、本書を読んで実際に現地を訪れる人が増えれば、きっと日本は再び世界にモノやサービスを売れる国になると思います。

異文化交流のポイントは、相手の文化を知ること。ビジネスのポイントは、相手の生活を知ること。

 

いずれにしろ本書が、読者の視野を広げ、可能性を拓いてくれることは間違いないでしょう。




 

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