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マイナカード紐付け大失敗が致命傷に

2023年6月13日

今市太郎

岸田政権が7月にも解散総選挙に打って出る可能性が高まりつつあります。まあ野党の体たらくでどれだけ自民党が負けても政権交代が突然示現するという可能性はまったくない状況ですが、ここへ来て岸田政権を揺るがす決定的な問題になりつつあるのが「マイナカードの紐づけ破綻問題」です。



7月にも解散総選挙?

解散総選挙がなぜこのタイミングに実施されるのか。

その理由はまったくよくわかりませんが、岸田首相は野党から不信任案が提出されればこれ幸いとばかりにそれを大義名分にして、7月にも解散総選挙に打って出る可能性が高まりつつあります。当初は、G7広島サミットの見せかけの大成功で勢いづいて解散……という観測が流れていました。しかしその後、公邸で親族を巻き込んだ忘年会の写真が流出したことから、それを払拭するために解散総選挙という形で乗り切る暴挙に出るのではないか、という憶測も高まっています。

もはやこの7月の解散総選挙は、規定演技のようにも見える始末です。

まあ野党の体たらくでどれだけ自民党が負けても政権交代が突然示現するという可能性はまったくない状況ですが、ここへ来て岸田政権を揺るがす決定的な問題になりつつあるのが「マイナカードの紐づけ破綻問題」です。

マイナカードの紐付け破綻は重大な社会インフラの壊滅

岸田政権は「やらない」と言っていたはずの紙の健康保険証を廃止し、完全にマイナカードに紐づけ統合して利用することを今国会で可決しました。これで住民票などの発行からはじまって健康保険、年金受給など国民生活のあらゆる社会インフラの側面をマイナカード1つが対応することになっているわけです。

しかし実際の運用現場では、すでに「人の住民票が発行される」「まともに健康保険として使えない」「老人の居住者を抱える介護施設ではまともに使えない」といった問題が数えきれないほど多発。自民党に温かい目を向けがちな読売新聞さえ「その運用を一旦停止すべき」といった社説を掲げる始末です。もしこのままの状況下で総選挙に踏み切れば、前代未聞の状況に陥る可能性も高まりを見せているのが実情です。

自民党大敗の可能性も

マイナカード利用の反対に関しては、本来は自民党を支持するはずの医師会などが猛烈に反対しているのが象徴的な状況です。

しかも地方自治体さえもその利用を一旦中止するといった宣言を出していますので、今やこれを支持するのは、よほど利権で潤う自民党の議員や本邦のシステムインテグレーター企業くらいのものでしょう。 このタイミングに解散総選挙を行えば、事前想定からかけ離れた結果が示現する危険性も高まる状況になっています。

自民党はどの正当よりも得票率を視野に入れた状況分析を行っている政党ですが、今回のマイナカードの一件のようにほぼすべての国民を敵に回して実装・利用開始する事案に対してどれだけの反対が現実のものになるかについて、本当に正確に理解できているのか大きな疑問が生じる状況です。足元では、ようやく事の重大さに多少気づいた気配の岸田首相が、国会で陳謝する一幕もありました。

しかし、担当大臣の河野太郎氏を更迭することもなく、相変わらず重大性の認識は現実からかなり乖離しているのが実情です。

選挙なら株高などというアノマリーは続かない可能性も

現実的な側面から考えれば、足元でどれだけ自民党が選挙に敗北しても与野党が逆転するということは考えにくい状況です。

ただ大幅に議席を減らすことになれば、岸田政権はお仕舞となる可能性は高く、解散当初は株高で推移するアノマリーがまた登場するのかも知れませんが、結果を受けては日本株売り・ドル円売りといった不測の自体が示現するリスクを考えておく必要がありそうです。

安倍元首相の強引な国葬実施、壺カルトと合体して損切りのできない統一教会との関係、さらに米国に言われるままに1.5倍の特盛り防衛予算を設定してバイデンに尻尾を振ってみせたといった行為は、日々の生活に追われる本邦の下級国民にはどうもまったく響かなかったようですが、今回のマイナンバーの紐づけ不祥事は現実に国民生活に支障をきたすものであるため、もはや見て見ぬふりをすることができない状況に陥っています。それだけに、この問題に起因した政権の瓦解は想像以上に早く進むことが考えられる状況となってきています。当メルマガ では金融視点からこの問題と相場への影響を語っていますが、実際の問題はさらに深刻で、国民生活に幅広くネガティブな影響をもたらすようになっています。 

まあそれにしても岸田首相は国民を舐めきっており、手痛いしっぺ返しが届くことになるのはどうやら間違いないところに来ているようです。(記事抜粋)




 

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