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「ChatGPT」の質を上げるのは使う人次第


上手なプロンプトの使い方

2023.05.24

 by 『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」

今後、会社でChatGPTを導入するようなのですが、プロンプト(応答を生成するための文章)をなかなかうまく使うことができません……。


 

ChatGPTが大ブームなので、いろいろ触ってみています。会社にも6月から導入されるとのことで、楽しみにはしていますが、プロンプトがうまく使えません。質問しても、わかりきったような答えしか返ってきませんし、今有名な「深津式プロンプト」をやっても、一般的な回答しかなく、しっくりきません。どういうふうにアプローチすればいいのでしょうか。事業部会議をうまく進める方法とか、面倒くさい同僚をうまくあしらう方法とか、新事業案を効果的に出す方法とか知りたいのですが。

赤羽さんからの回答

ご相談、どうもありがとうございます。おっしゃる通りで、ChatGPTはプロンプトをどう作るかが重要です。

今後、プロンプトを自動生成するとか、簡単なプロンプトであとは自動的に動いて聞いてくれるとか、もありますが、まずは今の状況でプロンプトを工夫し、使いこなせるようになることが今後も活用し続ける鍵になりますね。従来は、「会議をうまく進めるにはどうしたらいいんだろう」と思ったときは、検索エンジンに「会議 進め方」といった言葉を入れて検索し、いくつかの記事を見つけて読み、そこから一定の理解を得ていたと思います。検索ワードの選び方が重要でしたが、工夫してもそこまで差がないので、何度か検索したり、記事を多く読んだりして、必要な情報を選び取っていたと思います。

一方、ChatGPTは普通に会話ができるので、何も考えずに思ったまま、「会議をうまく進めるにはどうしたらいいですか」と聞いてしまいますよね。

これが問題です。

ChatGPTは賢そうに見えますし、人が答えてくれるような気にすぐなってしまいますが、全く違います。

単に、すべての無料の日本語情報(あるいは英語情報)を読み込んでいるデータベースがあり、そこから確率的に高い言葉が紡ぎ出されているだけだからです。そこには知能も全体観も何もありません

「会議をうまく進めるにはどうしたらいいですか」という日本語の文字列に続きがちな言葉が立て続けに出力されるだけです。形式的な通常のチャットボットと違って、滑らかな日本語で話してくれるので最初は「わ!すごい」と感動しますが、よく見てみると、…

 「そんなことは知ってるけど」「どっかに書いてあったけど、それだとうまくいかないんだよね」というレベルのことが延々と書かれていることに気づくと思います。 ではどうすればいいかと言えば、できるだけ設問に詳しく状況を書くことです。会議であれば、御社の会議でのおきがちな問題出席者の主要人物の発言のタイプ、性格、仲のよしあし、利害関係などを書き込んでいきます。書けば書くほど、具体的になり、ChatGPTからの回答も一般論ではないものになっていきます。

もう一つ重要なのは、あるべきプロンプトを最初から書くことはできないということです。

詳しいプロンプトを書いたら一度保存し、ChatGPTを走らせ、不十分・おかしいところがあったらプロンプトを修正してまた保存し、再度ChatGPT走らせる、ということを35回あるいはもっと繰り返します

修正後のプロンプトを走らせるときは、ChatGPT左上のNew Chatを選択して、前のインプットを消し、新たに回答してもらいます。そうしないと、前のセッションの記憶が残っていますので、回答がぶれてしまうからです。

 

是非やってみてください。


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