最強のカリスマ性と人心掌握術
田中角栄から教わる「人に好かれる極意」とは
2023.01.26
by 毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン
対人コミュニケーションが難しいと感じる人の多い現代だからこそ、心に留めておきたい言葉があります。
今回紹介するのは、巧みな人心掌握、カリスマ性でいまだにブームが起きる田中角栄氏の処世術をまとめた一冊です。
田中角栄に学ぶ、仕事と人生の極意とは?⇒『田中角栄名言集』
本日ご紹介する一冊は、田中角栄のリーダーシップと処世術を、名言から学ぶ一冊。
著者は、政治評論家で、歴代政治家のリーダーシップ論に定評のある小林吉弥(こばやし・きちや)氏です。
小林氏は、1969年に田中角栄元首相の取材に初めて携わって以来、四半世紀にわたり、田中角栄氏を取材。
最大141人に及んだ田中派議員の大半を含むのべ1,000人ほどに取材し、記事を書いてきました。
本書では、そんな著者が、田中角栄氏の名言を見出しにし、そこに秘められた気配りや人身掌握術を紹介。
もともと、セブン&アイ出版から刊行されていた『決定版 田中角栄語録』を大幅加筆・修正したものですが、著者の丹念な取材の成果か、ライブ感あふれる読み物に
仕上がっていると思います。
1章では、「なぜ、人は動くのか<凄絶「気配り」編>」として、田中角栄氏の気配り術とエピソードを紹介。
続く2章では、人に好かれる極意を紹介しています。
3章、4章では、リーダーシップの極意と、人材育成の秘訣をそれぞれ紹介しています。
5章では、<田中角栄もビックリ!圧巻の「処世名人」列伝>として、田中角栄以外の人身掌握の達人の言葉を紹介。
具体的には、後藤田正晴、野中広務、三木武吉、佐藤栄作、竹下登、梶山静六、金丸信、川島正次郎、森喜朗、渡部恒三、鈴木宗男、春日一幸、幣原喜重郎、小沢一郎、石橋湛山の15名の言葉が紹介されています。到底ここまでできる自信はありませんが、田中角栄氏の細やかな気配り、人を立てるためのストイックさは、ビジネスパーソンも学んでおいて損はないと思います。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
最大の気配りとは、まず相手と全力で向き合うことだ
いいか。ワシは助けてやっても、彼らが味方になってくれることは期待していない。大事なことはいざというとき敵に回らなければ、それで十分なのだ
相手に喜んでもらうなら、徹底的にやってあげることだ。中途半端な親切は生きない
昭和51(1976)年8月、ロッキード事件で逮捕、保釈された田中角栄は、まず田中事務所にいる男性秘書の奥さん方へ、電話で“お詫び”を入れたそうである。
「奥さん、すまんかったな」というものであった
田中さんが総理に就任したとき、田中さんから『福田さんが来るから、場所をつくれ』との指示があったんです。
田中さんとしては、総裁選での対立を引きずらないために、ちゃんと福田さんをお招きしたいということで、私に命じたと思われる。
田中さんは『(福田とは)仲良くしとかにゃいかん』と、よく言っていましたからね
世の中、人はカネの世話になることが何よりつらいのだ。相手の気持ちを汲んでやれ。そこが分かってこそ一人前だ
『君の親父さんはね、こういう男だったんだ』と。懐かしい父親の話を持ち出され、うれしくない人はいない。誰もが角さんに“身内意識”みたいなものを感じてしまう
冠婚葬祭、重視したいのは結婚式より葬儀だ。結婚式で楽しく浮かれているのは、あと回しにしておいてもいい。
人の悲しいときにこそ、できるだけ心を配ってやって当然だ
人には歴史がある。簡単に削減とはいかん
どうしても悪口を言いたければ、一人でトイレの中でやれ
最も過酷な批判者に目を瞑り、邁進できる者だけが、リーダー、上司の有資格者だ
敵と味方ばかりではない。その間にある中間地帯(グレーゾーン)が一番広い。そこを取り込めなくてどうする
親、子、孫がこのトンネルを通る。そして、皆が故郷を愛するようになる。それをつくるのが政治家の仕事、政治の役目だ
理想論ではない現実的な処世術なのに、なぜか感動や理想がある。
きっと人間は、こういう配慮ができる人間になりたいと、心の底では思っているんでしょうね。
なぜこの人に周りがついていったのか、よくわかる気がしました。
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