次世代半導体で日本に3つの追い風、周回遅れから一躍トップも
「技術・素材・支援体制」整い世界のリーダーへ
勝又壽良
2023年1月19日
2022年に、日本が再び次世代半導体技術で世界のリーダーになる貴重な第一歩を踏み出した。
韓国や台湾が現在、半導体「強国」になった裏には、日本半導体の衰退の虚を突いてきたものである。だが、「25年単位説」の示唆するように、再び日本半導体の出番が回ってきた。
日本半導体に光明さす
2022年に、日本が再び次世代半導体技術で世界のリーダーになる貴重な第一歩を踏み出した。
現在の日本半導体は、総合競争力で世界3位である。ただ、生産シェアでは4位と後退している。
総合競争力が3位であるのは、日本半導体にかつては、栄光の時代があった結果である。
1980年代の日本半導体は、米国と世界シェアを争いトップになったが、半導体が戦略物資であることから、米国の強い圧力で半導体に輸出枠をはめられた。
さらに、意図的に猛烈な円高を仕掛けられ、日本は名実共に米国へ屈したのである。
米国が、ライバルへ向かうときの凄まじさを日本は2度も知らされた。1度目は敗戦である。2度目が、この半導体敗北だ。
韓国や台湾が現在、半導体「強国」になった裏には、日本半導体の衰退の虚を突いてきたものである。
だが、「25年単位説」の示唆するように、再び日本半導体の出番が回ってきた。それは、次の3つの要因による。
1. 半導体技術が、次世代 を求めるというグッド・タイミングであること
2. 脱グローバル経済で、国家が半導体を積極的に育成する保護主義が復活していること
3. 米国が、経済安全保障の重視で日本半導体重視に転換してきたこと
以上の3要因が、かつての栄光に輝く日本半導体へ光りを当てる時代を実現させた。
何よりも、日本には半導体製造設備や半導体素材の生産能力がワンセットで揃っていることだ。とくに、半導体素材では世界一の実績を持っている。
2014年に青色発光ダイオード(LED)でノーベル物理学賞を受賞し、現在は半導体の新素材開発に携わる名古屋大学の天野浩教授が、新たな分野を開発した。
青色LEDと同じ素材「窒化ガリウム(GaN)」で、これまでの半導体素材シリコンでは不可能な分野の半導体素材開発に成功したのである。
GaNは、電気自動車(EV)、携帯電話基地局、データセンター、再生可能エネルギーの蓄電・送配電システムにおいて効率の優れた次世代半導体である。
すでに、試作は済んでおり、事業化を待つだけだ。
これだけでない。NTTが、消費電力を従来に比べて桁違いに効率化させると同時に、データ処理の超高速化への道を開く「光電融合」と呼ばれる研究開発を成功させた。
まさに、日本が爆発的な研究成果をあげているのだ。次世代半導体で世界をリードできる基盤が整ったと言えよう。
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