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日本を30年間停滞させた戦犯たちの正体


2022.06.15 

 by 武田邦彦「テレビが伝えない真実」

 誰もが右肩上がりの経済成長を信じていた昭和時代から一転、低成長に喘ぎ、息苦しい空気ばかりが充満していた平成の30年間。なぜあれだけ光り輝いていた日本は、ここまで悲惨な状態に陥ってしまったのでしょうか。その原因を専門家や政府、メディアに求めるのは、中部大学元教授の武田邦彦さん。


 

* 日本人が大損害。1990年の迷走政策が変えた暗い日本社会

日本の未来は明るい。

でも、現在のような報道と政策が続けば暗くなる。つまり、状態は悪くないが、故意に日本をリードする立場の人たちが暗い方向に進めているということだから、ちょっと工夫すれば明るい未来が待っている。

それも現在の日本の力をそのまま活かせばよい(インフラも人材も今のままで十分に明るくなる)。

 例えば 1990年 を考えてみよう。   LINK  おがわの音♪ 第904版

日本では高度成長が終わり、バブルが崩壊した。時代の変化はさまざまな要因で起こるので、世界ではベルリンの壁の崩壊ソ連邦の終焉があり、世界も日本も大きく変化した。

変化自体は時代の流れだから止めることはできない。ただ、人間のできることは「変化にめげないこと」である。

アメリカは変化にめげずに ITソフトの分野に出て、GAFAと言われるグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルなどの主要なネットビジネスは、そのほとんどが5年後の1995年頃に創業した。

アメリカの強さは資本力やお金を儲けたいという強い意志に加えて、常に前向きである点だ。

中国は発展途上だったので、それを利用して ITハード を急激に発展させ、それを助力したのが日本だった。

それに対して日本の政策は迷走していた。 ☞LINK  おがわの音♪ 第1081版   みずほ銀行の ITシステム_不祥事の根源 ?!

アジアの小国から高度成長期に一気に世界の2番目のGDP、国民の平均所得も一流国とほぼ同じになったのに、「これで十分、もう発展する必要はない」とメディアがキャンペーンを打った。

そればかりではない。「ゴミが溢れる」「環境ホルモンなどが拡散している」と人々の不安を煽る社会となり、日本だけがグーグル、ユーチューブ、スマホなどとは全く違う方向に進んだ。

30年前の日本の考え方が間違っていたかどうかは結果を見ればわかるが、この30年間で、日本人の年収は全く増えず、アメリカが3倍中国の沿岸部5倍以上の伸びであった。

今になってわかることでもあるが、「ゴミが溢れる」とか「環境ホルモン」などはすべて「ウソ」であったし、それに惑わされた専門家や政府、それにメディア不見識だったと言えるだろう。

その不見識のために日本人は大損害を受けたのである。

 

* なぜ 暗い社会 になったのか。日本にしかない未来を明るくできる5つの特徴

未来が明るく開かれているのに、暗い気持ちになったり、後ろ向きになったりする原因の多くはメディアの視聴率稼ぎのほかには、一般的に「知識不足」「歴史観がない」などによることが多い。

テレビなどの映像で感情が動き、心配になってあらぬ方向に進んでしまう。

放送するテレビ局の方もそれはわかっているのだが、視聴率を高めるには見ている人を不安にさせるのが手っ取り早いので、ついついその誘惑に負けてしまうのだ。

 1990年時点では、環境や資源などは改善の途上にあり、普通にやっていけば改善されていたのだが、無理矢理、リサイクルとか架空の毒物を作り上げたりして、社会がすっかり後ろ向きになってしまった。

例えば、失礼ながら高齢のご婦人の感じでは「リサイクルは環境を改善する」と思うが、それは家庭だけを見たり、物質の生産量が極端に低かった江戸時代などの感覚で社会を指導していた。

社会を指導するにはそれなりの責任と知識、それに倫理観が必要で、家庭の中で家族に言うのとはワケが違う。

もし自分の考えが間違っていたら社会に損害を与えるからである。

「生活者目線」や「消費者の見方」などが強調されるが、それはレベルが低くても良いと言っているわけではない。

かくして、日本は低いレベルで間違った判断をして、日本人の人生を劣化させた。

1990年から2020年の30年間、日本人の年間所得は4人家族正規雇用で460万円のままだった。

先進国でも日本だけという悲惨な状態に陥ったのである。


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