いま話題の「メタバース」とは


掲載日時: 2022/02/14 

Metaやマイクロソフトほか多くの企業が、インターネットの次の波を制そうと競い合っている。

--- 現在、オンライン上の 仮想空間「メタバース」に注目が集まっています。

Bloombergの推計によると、2020年に4787億ドルだったメタバースの市場規模は、2024年には7833億ドルにまで拡大するとのこと。メタバースは、現在最も熱い分野の一つと言えるかもしれません。 2021年10月末には、Facebookが社名を「Meta(メタ)」に変更し、「メタバース企業」を目指す方針を前面に押し出してきたことも話題になりました。他にも、MicrosoftやThe Walt Disney Company、字節跳動(バイトダンス)など、世界中の企業がメタバース領域に本腰を入れて参戦しようとしています。


*「メタバース」とは何か

 「メタバース(metaverse)」は、「meta(超越した)」と「universe(世界、宇宙)」を組み合わせて作られた言葉です。つまり直訳すれば「超越した世界」ということになりますが、これだけでは具体的なイメージが湧きづらいかもしれません。

 メタバースが何なのかを理解するには、その歴史を追うのが一番です。

そこで、メタバースの歴史を3つのフェーズに分けて解説したいと思います。

 

メタバース1.0:「もう一つの世界」としてのメタバース

 もともと「メタバース」は、米国のSF作家Neal Stephensonの小説『スノウ・クラッシュ』(1992年)に登場する、インターネット上の仮想世界を指す言葉でした。つまりメタバースは、最初は物語の中にしかない、フィクショナルな仮想世界だったのです。

 しかし、そのフィクショナルな仮想世界が2000年代初頭、「現実の仮想世界」として実装されます。それが、オンライン空間「Second Life」です。

Second Lifeの大きな特徴は、従来のオンラインゲームのようにプラットフォーム側からミッションが提示されるのではなく、ユーザーが自由に社会生活を構築できることです。

 ユーザーは仮想空間の中で洋服を買ったり不動産に投資したりと、まさに「2つ目の生活」を送ることができます。

現実社会の通貨とSecond Life内の通貨を交換することも可能で、ピーク時には年間1億ドルがSecond Life内の通貨に消費されていました。

 このように、特定のミッションを持たず、各ユーザーがコミュニケーションや生活を自由に楽しむ形のメタバース、本稿ではこれを「メタバース1.0」と定義します。

 

メタバース2.0:「ゲームの世界」としてのメタバース

 Second Lifeのブームが去った後に登場したのが、プラットフォームから与えられるミッション(目的)と、ユーザー同士の無目的なコミュニケーションを両立させる形のメタバースです。

 このタイプのメタバースを代表するのは、現在世界的な人気を博すEpic Gamesの「フォートナイト」です。

フォートナイトでは、シューティングゲームを楽しむ「バトルロイヤルモード」の他に、ゲームの世界の中でフレンドとともにライブや映画鑑賞を楽しめる「パーティロイヤルモード」も用意されています。

 「シューティングゲームで相手に勝つ」という目的が与えられつつ、その世界の中でフレンドとただコミュニケーションを楽しむこともできる。

こうした複数の関わり方が可能になったメタバースを、「メタバース2.0」と定義しましょう。

 

メタバース3.0:「より良い世界」につながるメタバース

 そして、今後成長が見込まれている「これからのメタバース」とは、「Meta」に代表されるプラットフォームです。

モバイル向けのゲームなどを手がける「グリー」、大手ゲームメーカーの「スクウェア・エニックス」など国内大企業も続々と参入を発表しています。 

「メタバース3.0」とも呼べる新しいメタバースプラットフォームの特徴は、実社会の代替となり得る、よりリアルな仮想空間であること。

 そしてその空間が、ブロックチェーン(分散型台帳技術)やNon-Fungible Token (非代替性トークン:NFT)といった「ウェブ3.0」の技術によって成り立っていることです。

 特定のミッションが与えられず、実社会と似ているという点では、メタバース3.0はメタバース1.0に回帰しているとも言えます。

しかし新しいメタバースプラットフォームは、ブロックチェーンを基盤とした分散型のネットワークを基礎とすることで、実社会の課題をも克服する可能性を秘めているのです。


* 新しいメタバースを支える「ウェブ3.0」の社会的意義

 いわゆるGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)の台頭以降、ウェブの世界は中央集権的な様相を呈しています。

人々は無意識のうちに、巨大なIT企業に自分の情報を明け渡しています。

また、検索エンジンで表示される情報も一企業によってコントロールされており、自分の意思で情報を集めたつもりでも、実際には巨大企業に情報を選ばされているということがよくあります。 分散型ネットワークを基礎とするウェブ3.0は、こうした状況を乗り越え、ウェブの世界にもう一度平等を取り戻すことを目指しています。 

  現在ウェブの世界では、いろいろな情報がGAFAのような巨大企業のサーバーに蓄積されています。

しかし情報の出し入れは、本来は個人の自由に任されているはずです。

現実世界では、自分の知っていることは自分の脳みそに入っていて、そのうちどの情報を誰に話すかは、自分が自由に決めることができます。それと同じようにウェブの世界でも、これからは一人ひとりが分散して情報を持ちましょう、通貨の価値もデータの価値も、自分たちみんなで保存して維持していきましょう、というのがウェブ3.0の考え方です。 

 ウェブ3.0の理想が達成されれば、ロールプレイングゲーム(RPG)で街を探索したり、村人に話しかけたりするのと同じように、能動的に情報を取りに行かなければいけません。

資本の力によってサジェストされた商品を買うのではなく、お店でしっかり棚を眺めた上で、本当に欲しいと思う商品を買うことになるでしょう。不便かもしれませんが、それこそが健全で、平等な在り方ではないでしょうか。 権力勾配をいったんフラットに戻し、もう一度、さまざまな権利を一人ひとりが取り戻す――ウェブ3.0の理念で実現されるメタバース3.0は、そういった試みが実践される場でもあるのです。 

 *「メタバース」と「VR」の違いは?

 ときおり、「メタバースとVRは何が違うの?」という質問を受けることがあります。

「VR(仮想現実)」とは仮想空間を現実のように感じられる技術のことで、VR技術を利用したコンテンツを「VRコンテンツ」と呼びます。 

 VRコンテンツは一つひとつが独立したコンテンツですが、メタバースではこうしたVRコンテンツが複数、同じ世界の中に共存しています。メタバースは、多彩なVRコンテンツがオンラインで一つにつながる空間であるとも言えるでしょう。

  ちょうど私たちが暮らす現実世界のように、ある場所にオフィスがあって、そこからちょっと歩いたところに美術館があり、その隣のビルにカフェがある――そんな空間を全てバーチャルで実現するのがメタバースだと考えると、分かりやすいかもしれません。 

 このように現実の街のメタファー(隠喩)を用いて捉えると、メタバースの持つ大きな特徴が見えてきます。

それは、不特定多数の人が同じ仮想空間に入り込み、コンテンツを共有できるということ。そしてそれ故に、コミュニケーションが生まれるということです。 

 つまりメタバースは、人と人とのコミュニケーションの場としても捉えられます。

VRコンテンツに、まるで現実のような3次元(3D)の交流サイト(SNS)機能が付いているようなイメージです。 

 従って、メタバースの世界でも、友達と待ち合わせて映画館に立ち寄り、チャットで感想を言い合いながら映画を見て、近くのカフェで話をした後、ファッションビルをぶらぶらして、ふと目についた洋服を試着してみる、といった楽しみ方ができるわけです。


著者 : (CNET News) 翻訳校正: 編集部 Scott Stein Andrew Morse

  最近、メタバースの話をあちこちで耳にする。

 しかし、メタバースは新しいアイデアではない。この言葉自体は何十年も前から使われてきた。

仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、3Dコンピューティングといった背景技術に至っては、さらに長い歴史を持つ。

この分野の進化を現実世界に適用しようとする動きは何年も前からあり、現在のブームはその1つのピークにすぎない 

 過去のブームとの違いは、人々の認識が変化したこと、つまりインターネットを再考する必要性を多くの人が認識するようになったことだ。しかし、この変化がどこまで大規模な変革につながるかを見通すことはできない。

結局のところ、メタバースへのロードマップはまだ道半ばだ。これが約束通りに完成するかどうかも分からない。

 確かなのは、利益を得る機会を大企業は見逃さないということだ。

Microsoft、Meta、Qualcomm、NVIDIA、Valve、Epic Games、HTC、Appleらは皆、オンラインで繋がる新しい方法を模索している。各社がメタバース関連のプロジェクトを単独で推進するか、他社と連携するかは不明だが、今後数年にわたって、メタバースの話題はますます増えることになるだろう。

 

1.メタバースとは何か

 残念ながら、メタバースはまだ漠然とした概念だ。

メタバースはインターネットの進化形であり、アバターを介して人々が交流したり、仕事をしたり、遊んだりできるオンライン空間だと言われることが多い。これは共通された空間であり、いつでも好きなときに利用できる。

Zoomのように、用が終わったら消えることもない。メタバースという言葉が指すものは非常に広い。

「Roblox」や「マインクラフト」、「フォートナイト」といったマルチプレイ可能なゲームが生み出す2Dのデジタルワールドをメタバースと呼ぶ人もいる。約20年の歴史を持つソーシャル&ゲームプラットフォーム「Second Lifeはメタバースの先駆けであり、今も多くのユーザーを持つ(そして強化される見込みだ)。

 Metaの最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏やMicrosoftのCEO、Satya Nadella氏をはじめとする推進派は、VRヘッドセットやモバイル機器、PC、クラウドに接続されたサーバーといった既存の技術を組み合わせることで、より深く没入感のある体験を生み出そうとしている。

こうした未来主義者たちが構築しようとしているのは、ヘッドセットやARグラスを装着してアクセスする3Dの仮想世界だ。

VRやARを介さなければメタバースにアクセスできないわけではないが、両者が密接な関係にあることは間違いない。

未来のヘッドセットはさまざまな機器やサービスとの互換性を持つことになるだろう。

2022年はMeta、ソニー、Appleなどから、VRや複合現実(MR)のヘッドセットが続々登場するとみられている。 

 各社のプロジェクトに共通しているのは、現実世界と似た仮想世界を作ろうとしていることだ。

デジタル化された町、公園、クラブなどが1つの仮想世界に、または多くの仮想世界に出現する。

メタバースを物理的な世界と重なって表示されるもの、ARオーバーレイを含むものだと捉える人もいる。

投資家たちはすでに大金を投じて仮想世界の土地を買いあさっている。

カリブ海の島国、バルバドスがメタバースに大使館を設置する計画を発表したことも、メタバースの可能性を浮き彫りにした。

 一方、否定論者たちはZuckerberg氏らが描く青写真に懐疑的だ。特に、メタバースを堪能するためにはかさばるヘッドセットを装着しなければならない点が問題視されている(ゲーム機「PlayStation」の生みの親はヘッドセットを「わずらわしいだけ」と切り捨て、Metaの上級幹部は自社のヘッドセットを「お粗末」と表現した)。

大手テクノロジー企業は今ですらウェブ上のヘイトスピーチや誤情報、いじめといった問題を制御できていないのに、さらに自由度が高まるメタバースでは、問題への対応はさらに困難になるというが否定派の主張だ。

 

2.メタバースは1つか、それとも複数か

 この問いへの答えはまだ分からない。

今のところ、メタバースには標準規格がないため、多くの企業が他社よりも早く、未来の標準となるような土台を作ろうと競い合っている。Meta、Microsoft、ソニー、Epic Games、そして多くの中小企業が先行者利益を得るためにさまざまなプロジェクトを進めている。各社のVRヘッドセットが、他社の展開するマルチプレイ型の広大なワールドやクラウドベースのグラフィックと互換性を持つことになるかは分からない。ほとんどの企業は、他社もアクセスできるメタバースを作ると約束しているが、具体的な連携の方法についてはこれから合意を形成する必要がある。

 膨大な金額をメタバースプロジェクトに投じようとしているMetaは、相互運用性が不可欠だとしている。

つまり、Facebookで作ったアバターはMicrosoftのプラットフォームでも使えなければならない。

これが示唆しているのは、1つのメタバースだ。現状では、「フォートナイト」で買ったスキンは同ゲームでしか使えず、別のプラットフォームに持ち出すことはできない。

 1つの大きなメタバースが存在し、その上でさまざまな企業がサービスを展開するというビジョンは、インターネット黎明期のユートピア的な理想を彷彿とさせる。

しかし、当時のインターネットの開拓者たちはそろばんをはじき、投資に見合う利益が得られないと悟ると、この賭けから手を引いた。同じことがメタバースでも起きる可能性はある。

Zuckerberg氏らが正しいとすれば、プラットフォームを超えた移動や持ち運びを実現するためには莫大な投資が必要になる。

 メタバースは(あくまでもわれわれの推測では)メタバースを名乗る複数のプラットフォームの集合体として始まるだろう。インスタントメッセージングが生まれたころは、いくつものサービスが乱立し、てんでに運営されていたことを思い出してほしい。それと同じような状況だ。

時がたつにつれて標準規格が生まれ、大手企業が互換性のある技術を使うようになり、Eメールのプロトコル的なものが生まれる。大まかに言えば、これが現在のインターネットの姿であり、合意されたプロトコルと独自の基準が対立し、無数の企業がコンテンツを生み出し、競合するソフトウェアエコシステムが共存している。

 

3.メタバースはどのような世界になるのか

 ヘッドセットを必要とするようなリッチな「メタバース」が想定しているのは、没入感のある360度のデジタル世界だ。

ユーザーは自分でデザインしたアバターを持ち、デジタル資産を所有する。所有権はブロックチェーンに記録されることになるだろう。デジタル世界に土地を購入し、バーチャルな家を建て、友人(少なくとも友人のアバター)を招いてもてなすことも可能になるかもしれない。

 これを絵空事だ、ばかげていると思う人もいるかもしれないが、デジタル世界の土地を買って一儲けしようという動きはすでに始まっている。カナダの投資会社Token.comは250万ドル近くを投じて、「ジオシティーズ」やSecond Lifeの流れを汲む3Dプラットフォーム「Decentraland」の仮想資産を手に入れた。

Decentralandでは、資産の売買はイーサリアムのブロックチェーンを利用するトークンを介して行われる。

 不動産よりも体験を求める人もいる。

例えば「Roblox」や「フォートナイト」では、メタバースの簡易版と言えるような体験ができる。

これらのゲームはZuckerberg氏が描くメタバースほどの没入感はないが、未来を垣間見る機会を与えてくれる。

 人々がインターネット上で行っている活動はすべて、メタバースでも実現する可能性がある。

ちょっとしたゲーム、Zoomを利用したテレプレゼンス、刺激的なVRやAR、いくつものソーシャルメディア。

これらを組み合わせて、楽しさや便利さを実現しようとする試みがあちこちで展開されることになるだろう。 

4.メタバースにアクセスするために必要な装備は何か

 この質問への答えは、どのメタバースを目指すかによる。

Metaは同社のVRヘッドセット「Meta Quest 2」の売り込みに余念がない。

このヘッドセットは300ドル(日本では税込3万7180円~)するが、オールインワン型なので別途PCやゲーム機を用意する必要はない。

VRヘッドセットは他にも多くの企業から出ている。

例えばValve、HTC、HP、ソニーは、PCやPlayStation 4/5で動作するヘッドセットを販売中だ。年内にはさらに多くのヘッドセットが登場し、その一部はスマートフォンと連動するようになるだろう。この他、MicrosoftやMagic Leapが製造するARヘッドセットもある。

ARヘッドセットは、現実世界にデジタル情報を重ねて表示するもので、比較的高額だ。

Qualcommなど、複数の企業がARグラスとスマートフォンを連携させる方法を編み出そうとしているが、これまでのところ、ほとんどのアプリケーションは実験的なものかビジネスに特化したものにとどまっている。

SnapのARグラスや、「NrealLight」のようなスマートグラスを見る限り、多くの人が購入を検討するようになるまでには、まだ多くの作業が必要となりそうだ。 

 「Roblox」や「マインクラフト」のような既存のメタバースは、PCやタブレット、スマートフォンからもアクセスできる。360度の没入体験は望めないが、現在の人気ぶりを見る限り、魅力的なプラットフォームであることは間違いない。

 

5.メタバースはどこから来たのか

 「メタバース」という言葉が最初に使われたのは、1992年にニール・スティーヴンスンが発表した小説「スノウ・クラッシュ」の中だ。主人公のピザ配達員は、オンラインの仮想ファンタジー世界に入り浸っている。

2011年には、オアシスという名のメタバースに人々が集う世界を描いたアーネスト・クラインの小説「ゲームウォーズ」(原題「Ready Player One」)が発表された。この小説はFacebookのVRヘッドセット「Oculus Rift」の誕生にも影響を与えている。

  現実世界では、2003年にLinden Labが仮想世界「Second Life」の運営を開始する。

自動車会社やレコード会社、コンピューターメーカーが(そして米CNETも)この世界にバーチャルな拠点を開設した。

Second Lifeは大ブームを巻き起こし、人気は徐々に低下したものの、今も運営されている。

  「Minecraft」「Roblox」「フォートナイト」などのゲームもメタバースと呼ばれる。

「フォートナイト」は人気シューティングゲームだが、ラッパーのTravis ScottやポップスターのAriana Grandeがワールド内でコンサートを開催し、注目度がさらに高まっている。

「フォートナイト」は国際的な音楽ショー「Soundwave Series」も開催しており、エジプトやマリ、日本からもミュージシャンが参加している。

この3つのゲームの共通点は、プレイヤーが世界を創造できることだ。これはメタバースという概念の肝でもある。

  コロナ危機が始まって2年、私たちは「バーチャル」の再定義を求められている。

未来を見通せる人はいないが、仮想空間に大勢の人が集まることの意味を捉え直す試みは着々と進んでおり、この新たな市場の最初の覇者となるための競争が世界中で繰り広げられている。


2026年は人類の25%が毎日1時間以上メタバースを利用--ガートナー

2022-02-10

大場みのり (ZDNet Japan編集部) 

 Gartnerは、メタバースに関する展望を発表した。それによると、2026年までに人々の25%は、仕事や授業、ショッピング、他者との関わり、エンターテインメントなどのために、1日1時間以上をメタバースで過ごすようになるという。

 アナリストでバイス プレジデントのMarty Resnick氏は、展望について

「既にベンダーは、ユーザーが デジタル化された世界で生活するための空間やサービスを構築し始めている。仮想授業への出席やデジタル空間での土地の購入、仮想住宅の建築といった活動は、現在別々の環境で行われている。だが将来的には、単一の環境、すなわちメタバースで行われるようになるだろう」と述べる。

 Gartnerはメタバースを「仮想的に拡張された物理的現実とデジタル化された現実の融合で創り出される集合的な仮想共有空間」と定義している。メタバースは、継続的なイマーシブエクスペリエンス(没入感)を提供し、ユーザーはタブレットからヘッドマウントディスプレイまで、あらゆる種類のデバイスからアクセスできる。

 メタバースについて同社は、特定のベンダーが所有するものではなく、デジタル通貨と非代替性トークン(NFT)によって実現される新たなデジタルエコノミーになると予想している。

メタバースは、消費者が日々接するあらゆるビジネスに影響を与えるという。

 さらに同社は、メタバースは働き方にも影響を及ぼすと予想する。

企業は、没入型テクノロジーを活用した仮想オフィスを導入することで、従業員により良いエンゲージメントやコラボレーション、つながりの機会を提供できる。また、メタバースがフレームワークを提供するため、ビジネスの実行において独自のインフラを構築する必要がなくなる。加えて、この1年半の間に人気を得た仮想イベントでは、今まで以上に共同的で没入感のあるつながりの機会やワークショップが提供されると見られる。

 「企業は、デジタルビジネスからメタバースビジネスに移行することで、自社のビジネスモデルを前例のないやり方で拡大・強化できるようになる。2026年までに世界の組織の30%が、メタバースに対応した製品やサービスを持つようになるだろう」とResnick氏は語る。

 メタバーステクノロジーの活用は始まったばかりで部分的であるため、Garnterは特定のメタバースに多額の投資をすることについて注意を促している。

「どの投資が長期的に有効であるかを判断するには時期尚早だ。だがプロダクトマネージャーは、自社の競争力を高められるよう、メタバースの学習や探索、準備に時間を割くべきである」(Resnick氏)


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