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医師が警告「オミクロンで見落とされていること」ほか


「重症化しないから大丈夫」ではない

鈴木 理香子 : フリーライター

2022年01月19日

 国内でも猛威を振るいはじめた新型コロナウイルスのオミクロン変異株。

毎日、毎週、倍々で更新される新規感染者数に驚くが、そんななかでわれわれはどう向き合えばいいのだろうか。

 

* 現場の医師が危惧すること

埼玉医科大学総合医療センター(川越市)総合診療内科教授の岡秀昭医師は、感染症の専門家として日々、コロナ対応にあたる。「当院にはコロナ病床が40床ほどありますが、今(1月15日現在)入院している患者さんは、オミクロン株の方がほとんどで6人です。それでも5波を思い返せばまだゆとりはあります」と現状を伝える。

背景にあるのは、国が打ち出した感染者対応の棲み分けだ。

軽症患者は地域の病院、あるいは自宅療養で対応し、重症患者はECMO(エクモ)などの装備が整う大学病院のようなところが診る。

現在、同院では中等症の患者を中心に紹介が来て受け入れているが、人工呼吸器を使う重症患者はまだいない。

岡医師は「(周辺地域で)当院のほかにコロナ患者さんをも診る病院が増えてきたおかげで、役割分担が進んできていると思います」という。

その一方で、岡医師が危惧しているのは、院内クラスターだ。

医療従事者が感染したり、濃厚接触者となったりすることで、患者を診られない状況に陥る可能性が、オミクロン株では現実味を帯びている。実際、沖縄ではそれが医療逼迫をもたらすとして大きな問題になっているが、今後は全国どこで起こってもおかしくない。

振り返ると、第5波では急増した重症患者を受け持つ医療従事者や病床の数が足りなくなったために、入院できずに自宅待機になり、死亡するケースが問題となった。

「第6波はそれとは違う医療逼迫が起こりかねない。今後は、周囲に感染している方が身近にたくさんいる状況になるでしょう。私たち医療従事者もいつどこで感染するかわからない状況を考えると、コロナ病床にいくら空床があっても、病院が機能しなくなるおそれがあります」

しかし、だ。

国内でコロナの感染者が確認されてから2年あまり。未知のウイルスだった当初とは違い、今、病院では根拠に基づいた感染対策を行っている。そうした万全を期した対策をしてもなお、オミクロン株では院内クラスターが起こってしまう。

それはなぜなのか。

「院内感染には、“しかるべき対処をとってもむずかしいもの“と、“しかるべき対処をとれば予防できるもの“とにわかれます。オミクロン株の感染性の強さを考えると、100%完璧に院内感染を防ぐことは理論的に不可能だと思います。

ですので、院内感染は起こらないだろうではなく、万が一起こったときのことを想定して、院内感染を早期探知し、被害を最小限にできるようわれわれも対策をとる必要があります」

そのうえで、岡医師はこう訴える。

「皆さんには、“院内クラスターを起こした病院=悪”だと決めつけないでほしいのです。世間がそういう風潮になれば、現場も萎縮してしまい、患者さんの受け入れに二の足を踏む状況になってしまいかねません」

新型コロナウイルスの従来の特徴として、感染していても症状がない無症候性のケースが多いことが挙げられる。

さらにワクチンによるマスキング効果も加わっている。

いずれにせよ、無症状では感染しているかどうかわからないし、症状があってもオミクロン株の場合は、発熱、咳、喉の痛みなどの軽い症状でとどまることが多く、インフルエンザや風邪と見分けることが難しい。

知らない間に感染し、症状がない(あるいは軽い)状態で病院を受診した結果、病気を持ち、免疫力が落ちている患者たちに感染を広めてしまう――。そういう事象が院内クラスターのきっかけになりかねない。

実際、同院では流行状況が悪化してくると入院前にPCR検査を行っているが、別の病気で来院した人に感染が見つかるケースが、幾度かあったという。

 

* 入院予定のある人はとくに注意を

感染がわかった場合、当然ながらコロナ治療が優先され、本来の病気の治療は先延ばしになってしまう。自分にとっても、他人にとってもリスクが大きいからこそ、岡医師は入院の予定がある人に対しては、節度ある行動を呼びかける。

「少なくとも入院予定がある患者さんは、入院10日前以降は大勢の会食など、感染リスクが高まるようなことは控えてほしい。病院の食事はおいしくないから、入院前に好きなものを食べておきたいという気持ちはよくわかります。

でも、今はがまんするか、家族など少人数での会食にとどめてください」

これは、外来で治療を受けている患者も同様だが、一方で自己判断による受診控えは避けなければならない。

「通院が不安なのはわかりますが、必要な通院はそのまま継続してください。気になる方は主治医にしっかり相談することです」

なお、入院、通院にかかわらず、病院にかかっている患者は、打てない事情がある人以外はコロナワクチンを接種しておいたほうがいいという。

さて、世の中では「オミクロン株は、もはやふつうの風邪と変わらない」と話す人たちも出てきているが、岡医師はそこに危機感を募らせる。

「まず、感染性の強さが違います。オミクロン株は水痘(水ぼうそう)のような空気感染を起こすウイルスと同じレベルの感染力を持っています。一方、重症化しにくいというのはあくまでもデルタ株との比較であって、従来株とあまり変わりません。重症化率が4割減ったとしても、感染者数が倍になれば重症者数は1.2倍になります」

その証拠に、冒頭で同院には6人のオミクロン株の感染患者が入院していると紹介したが、2人の患者では酸素吸入が必要な肺炎を起こしていて、このような患者が次第に増えてきている。

さらに、この2年間の経験から、コロナウイルスでは新規感染者と重症者数の増え方には、タイムラグがあることがわかっている。今は軽症が多くても今後どのようになるかは、わからないのだ。

現在、倍々で増えている新規感染者数。これを止めるために期待されているのが、ワクチンの3回目接種、いわゆるブースター接種だ。埼玉医科大学ではすでに医療従事者への3回目接種が進み、岡医師も昨年末に接種を終えている。

「高齢者や病気などで免疫が弱い方へのブースター接種は、加速したほうがいい。今回は、全体的に国の進め方が遅い気がします。もっとスピードを上げないと」

 

* 改めて押さえたいワクチンの有効性

ここでワクチンの有効性について、改めて整理しておきたい。

現在流通しているファイザー社、モデルナ社のmRNAワクチンは、もともとは従来株に対して作られたもので、2回接種を終えればその予防効果は9割ほどあった。この予防効果というのは、「感染を予防する効果」と「重症化を予防する効果」の両方だ。つまりは、人にうつすリスクも下げ、重症化させない効果もあったわけだ。

ところが、重症化しやすいデルタ株になると、感染を予防する効果より、重症化を予防する効果で意味合いが大きくなった。

その背景にあるのはデルタ株の性質もあるが、それよりむしろ大きいのはワクチン自体の問題、接種からの時間経過によって抗体値が下がってきたという事実だ。岡医師が説明する。

「さらにオミクロン株に関して言うと、ワクチンを2回接種してから半年以上過ぎた人では、感染予防効果は2~3割程度に落ちてしまうことがわかっています。一方で、重症化を予防する効果は7割ほど保たれていました」

この状態でブースター接種をすると、一時的だが感染予防効果が7割程度まで回復する。

感染性が高いオミクロン株の流行を抑える有力な要素になる可能性があるのだ。ちなみに重症化予防効果も9割ほどに戻る。4回目以降のことはわからないが、少なくともブースター接種の必要性は、オミクロン株が主流となった現時点でかなり大きいといえる。

「このワクチンは局所の痛みなどの副反応が強めなのがネック。私も軽い副反応が出ました。イスラエルはすでに4回目の接種を始めていますが、これを打ち続けるのかと思うと、正直嬉しくないです。そこは製薬企業側に副反応を軽くするなどの進歩を期待したいですね」

 

* オミクロン株に有効な治療薬は?

続いて、治療薬について岡医師に聞いた。

1月14日、ファイザー社が新型コロナウイルスの飲み薬パクスロビドの製造販売承認を厚生労働省に申請した。

これが認められれば軽症者に使用できるコロナ専用の治療薬は、ロナプリーブ(中外製薬)、ゼビュディ(グラクソ・スミスクライン)、ラゲブリオ(グラクソ・スミスクライン)、パクスロビドの4種類になる(薬の名前は製品名、製薬企業は製造販売元)。このうちオミクロン株に有効だとして使われているのはゼビュディ、ラゲブリオ、パクスロビドの3種類だ。前者点滴投与、後者の2つ経口薬だ。

新しい薬の登場に期待が高まるが、必ずしもゲームチェンジャーになるようなものではない。

その理由の1つは、使える人が高齢者など重症リスクのある軽症者で、かつ発症間もない時期に投与するなど、いくつかの決まりがあるためだ。コロナと診断された全員が使える薬ではないのだ。

「加えて、ラゲブリオ有効率が3割程度なので、ゼビュディの7割やパクスロビドの9割に比べて低い。何よりカプセルが大きすぎて、嚥下が厳しい高齢者に飲んでもらうのは厳しいです。実際、フランスではラゲブリオは承認されておらず、アメリカでは3つの薬すべて使えるものの、ラゲブリオは2つの薬が使えない場合に使う、3番手の薬という位置づけです」

パクスロビドは有効性も高く期待が持てる薬だが、ほかの薬との飲み合わせに問題が起きやすいため、薬を多く飲まれている高齢者や持病を持つ方には使いにくい可能性があるそうだ。

最後に。感染状況にせよ、ワクチン接種状況にせよ、新薬にせよ、日々刻々と変わる状況に対し、われわれは何に注目していったらいいのだろうか。岡医師は新規感染者数、病床使用率などは数字でしかないとしたうえで、こう話す。

「もっとも大事な指標は(医療の)現場です。テレビでも、ネットでも、新聞でもいいですので、現場で働く医療者の声を知ってもらえたら。例えば、病床使用率がいくら低くても、院内クラスターを起こしてしまっていたら、それ以上は患者を受け入れられない。つまりその現場は逼迫した状態なわけです。“ベッドが埋まっていないから大丈夫じゃないか”と、安易に結びつけて考えないでほしいのです」

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医師が警鐘「オミクロン急拡大で今伝えたいこと」

新フェーズに入る中で考えるべき「3つの対応」

鈴木 理香子 : フリーライター

2022年01月21日

「昨年末から今年にかけて、常時2~3人がコロナ病棟で入院しています。

本日(1月21日)時点で14人、変異株の検査結果はすぐには出ませんが、ほぼ全例オミクロン株と思われます。

現在入院しているのは、基礎疾患があって重症化リスクの高い患者さん。症状は定義的には軽症ですが、咽頭痛で食事がとれなかったり、発熱と全身倦怠が続いていたりして、『しんどい』と言われる方もいます。抗体療法のゼビュディ(グラクソ・スミスクライン)を使っています」

こう状況を伝えるのは、独立行政法人国立病院機構三重病院(津市)院長の谷口清州医師。小児科学・感染症学の専門家で、新型コロナウイルス感染症対策分科会のメンバーとして、政府に数々の助言をしてきた。

政府は、東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏や愛知、岐阜、三重の東海3県などで「まん延防止等重点措置」を適用した。来週には関西の3府県や北海道、福岡などでも適用される見通しだ。

 

* 背景にある「潜伏期間の短さ」

感染が急速に広がっている背景にあるのは、「潜伏期間の短さ」だと谷口医師は言う。

国立感染症研究所の報告(1月13日)によると、従来型であるアルファ株の潜伏期間の中央値は3.4日。それに対してオミクロン株は2.9日。ウイルスに曝露(感染)してからほぼ全員(99%)が発症するまでの日数は、アルファ株では11.9日、オミクロン株では9.7日。いずれも短くなっていた。

アメリカCDC(米疾病対策センター)の報告でも、潜伏期間がデルタ株は4日に対し、オミクロン株は3日と、1日短くなっている。

「新型コロナウイルスは上気道でも下気道でも増殖しますが、オミクロン株では特に主に鼻、のどといった上気道での増殖効率がよく、増殖スピードも速いことがわかっています。ウイルスがあっという間に増え、排出されるわけですから、それだけ高い感染力を持つといえます。簡単に言えば、今までだと感染しない状況であっても、オミクロン株では感染するリスクが高くなっているということです」

新たなフェーズに入ったともいえるこうした状況を踏まえて、谷口医師は今、考えなければならない点、備えておいた方がいい点を3つ挙げる。

1つは感染者への対応、2つめは濃厚接触者への対応、そして3つめは感染していない人の行動(ワクチン・検査)だ。

まず、感染者(症状があって、かつ感染が確認されている人)への対応だが、デルタ株のときは「入院」、「施設療養」、「自宅療養」という3つのケースがあったが、感染者が非常に多くなるオミクロン株では、地域の感染状況にもよるが、その対応は自治体で異なっているようだ。ちなみに、「三重県では急速な感染者数の増加に伴い、医学的適応により入院を判断しており、軽症例では自宅療養となっている」(谷口医師)という。

少なくとも自身が住む地域での対応については、自治体のホームページなどでチェックしておいたほう方がいいだろう。日々更新するため、まめなチェックが必要だ。

 

* 濃厚接触者への対応をどうするか

続いて濃厚接触者への対応だが、政府は待機期間を14日から10日へと短縮した。

 またいわゆるエッセンシャルワーカーと呼ばれる職種(医療従事者や警察、消防、公共交通機関に従事する人、保育士、介護士など)は、6日目のPCR検査などで陰性となれば、隔離を解除、仕事に復帰することができるようになった。

「市中感染が起こっている今、いつ誰が感染したり、その濃厚接触者になったりするかわからない。そういう人たちを全員自宅待機させていたら、病院もさることながら社会が回らなくなります。当院でも今は10日に短縮し、更にスタッフが足りない状況になれば6日目に検査を行って、陰性であれば勤務に戻ってもらう予定にしています。今後は検査を毎日して、勤務を継続する必要が出てくるかもしれません」

こう述べたうえで、「今後は、企業などでもこうした方針をとる必要があるかを、考えなければならない時期に来ている」と話す。

3つめは、一般のわれわれが行っていきたい対応だ。まずはワクチン。

多くの人がワクチンの2回接種を終えたが、接種から時間が経って抗体価が下がっていることがわかっており、感染力が高いオミクロン株に対する感染予防効果はあまり期待できない。やはり接種するタイミングが来たら、速やかに3回目接種をしたほうがよさそうだ。

「まず3回目を打つと抗体価がグンと上がります。当院でも研究で抗体価を測定しているので、それは明らかです。このブースター接種で重症化を予防できるだけでなく、感染予防の効果も高まります」

さらに3回目接種については「あくまでも可能性」と前置きしつつ、こんな話をする。

「例えば、B型肝炎のワクチンは2回打ちますが、その効果は1~2年しか持たない。それが3回目を2回目接種後半年~1年の間に追加接種すると15年ぐらい持つのです」

つまりは、2回の接種で基礎免疫ができ、3回目で増幅、つまりブースターがかかる、ということだ。

「そういった免疫の仕組みが人には備わっているので、新型コロナワクチンに関しても、当初から専門家のなかには3回目接種の必要性を訴えていた人もいます。まだ3回目を打っている人が少なく、検証までできていませんが、これが実証できれば4回目以降の接種は必要なくなるかもしれません」

 

*「風邪症状と見分けがつきにくい」からこそ

もう一つは、検査だ。

今、行われている新型コロナウイルス検査はPCR検査と、抗原定性検査。

このうち抗原定性検査は医療機関だけでなく、薬局やドラッグストアなどでも取り扱うようになってきた。

筆者も年末に無料の抗原定性検査をドラッグストアで試したが、15分ほどで結果が出た(結果は陰性)。

「オミクロン株の症状は、われわれ専門家でもインフルエンザや風邪の症状と見分けがつきにくい。だから少しでも症状があれば、医療機関や自己検査にて確認する、飲み会などの感染リスクが高い行動をとる前にも検査を受ける。セルフチェックを行って、1人ひとりが感染拡大を防止する、そんな仕組みが必要なのではないでしょうか」

その上で、万が一陽性となった場合、あるいは検査を行わなくとも感染が強く疑われる場合には、電話などで医療機関や保健所に相談し、重症化リスクが低ければそのまま自宅で待機し、熱が3日以上続くなど、重症化の兆候が出たら速やかに入院する――。

感染者が膨大な数になればそんなシステムが必要だという。

「正直なところ、行政任せ、医療機関任せでは、オミクロン株には太刀打ちできない。これからは一人ひとりの意識の持ちようが重要で、こういう仕組みが整えば、自らの身を守るだけでなく、人に感染させるリスクも減る。結果的に、感染を広げずにすみます」

もちろん、これは感染状況によって柔軟に対応することが大事になる。そのために必要になってくるのが、地域での感染情報を知ることだ。

現在、厚生労働省が発表しているのは、新規感染者数、入院治療が必要な人の数と重症者州、死亡者数などだ。

数字こそ出ているが、ある地域でのどれくらいの割合で感染するリスクがあるのかはわからない。

これを解決する方法として、谷口医師は定点方式による「インフルエンザ様症状サーベイランス」をすべきと主張する。

これは、地域で風邪症状があった場合に積極的に検査を行い、風邪症状がある人のなかでコロナが陽性になる人の割合を示したもので、インフルエンザなどでは昔から行われているものだ。新型コロナウイルスでは、米国やイギリスなどで実施しており、分科会でも2020年5月からサーベイランスの必要性を提言してきたが、いまだ実現していない。

三重県では谷口医師との協働で地域のサーベイランスを行っているが、それによると、1月2日~8日の感染状況は、三重病院のある津市では0%、その北側に隣接する鈴鹿市は2.69%、鈴鹿市に隣接する四日市市は0%だった。

「0%のところであれば、今はまだ感染が広がっていないと考えられ、風邪症状があっても抗原検査は不要かもしれません。それが10%台になればかなり高いので、風邪症状=コロナ感染を疑って検査をした方がいい。こうやって地域の感染状況に応じた対応が、オミクロン株ではさらに必要になると思われます」

 

*「業務継続計画」の見直しも必要だ

もう一つ大事なのは、企業や事業所のBCP(業務継続計画)の見直しで、これは分科会が前から訴えていることだ。

人(従業員など)と業務と(業務)場所について、感染リスクを下げるための方法を再確認し、感染者や濃厚接触者が増加しても、社会機能維持に必要な業務(エッセンシャル業務)を継続することをいう。

リモートワークのような遠隔勤務もその一つだが、かならずしもそれができる仕事だけではない。

従業員同士の距離を開ける、部屋を分ける、時差で業務を行うなどの対策が必要だという。

「これには従業員教育も必要です。オミクロン株は軽症のことが多いといわれていますが、感染者の数が増えれば一定数、重症者は出てきます。重症化率が1000分の1でも、100万人がかかれば、1000人は重症化します。また、後遺症についてもまだわかっていません」

「風邪程度だから大丈夫」という考えは、まだデータが揃っていない今、最も危険だという。

第1波から5波までみても、日本で感染が欧米ほど増えていないのは、国の力でも、行政の力でもなく、国民の一人ひとりの努力の結果だと、谷口医師は言う。

「この2年間で学んだことを、この経験を、オミクロン株でも役立てていかなければならないと思っています」

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