日本人がアメリカ人よりも「不可能を可能にする」能力を持っているワケ


2021.11.26

  不可能だと思われたことを可能にしてしまう─。

そんなドラマのようなことが現実でも起こることがあります。

実はそれを成し遂げられる人が絶対に思わない“たった一つの思い”があるそうです。それは一体何でしょうか?

佐藤しょ~おんさんが、不可能を可能にするために不要なもの、必要なものについてご紹介してます。

 

* 不可能を可能にするには

相変わらずというか、ここのところひたすらNHKオンデマンドにハマっています。

見るのは主にNHKスペシャルで、過去に見たこともある懐かしの映像を始め、ドキュメンタリーの傑作群を舐めるようにして見ています。その中に、『電子立国日本の自叙伝第6回』というのがありまして、約30年ほど前に放映された古い番組なんですが、今の日本人は絶対に見ておかなきゃダメな、元気だった頃の日本の姿が全編に滲み出て来ます。

この第6回は、シリーズ最終回ということで、日本の半導体産業についてのまとめみたいな話になりまして、それは必然的に日本とアメリカの違いがどこにあったのか?なぜ日本は追いつくことができて、アメリカは追いつかれてしまったのか(かつてはそんな時代があったんです。今はもう溜息しか出ませんが)を関係者が回想するんです。

 

とある技術者が、100ミクロンしか測定できない器械で、10ミクロンを測れるか?という命題に対し、

 ■ 測定器が100ミクロンしか測れないのだからムリ

と結論付けて、トライしようとしないのがアメリカ人なんだと言うわけです。

これは合理的ではあるが、これでは不可能を可能にすることはできない。

ところが日本人は

 ● どこをどのように工夫したら10ミクロンが測れるのか?

を考えようとするんですね。

アメリカ人はそんな日本人を見て、

 ■ そんな努力はムダなことだ

って嗤うわけですよ。ところがその熱意、情熱がそのうち不可能を可能にしてしまうということを言っています。

 

この動画では、歩留まりが下がる(不良率が上がる)理由を、工場の側で列車が通る時だけ歩留まりが下がるのではないか?と気付いた女子工員のエピソードが出て来るんです。

回路図をシリコンウエハに焼き付けるのは、精度が命ですから、ちょっとでも動いたらダメなんですね。

でもそれは後から分かったことなんです。

真因はこの女子工員が気付いたように、列車が通る時に工場の敷地が小さく揺れる(この揺れは人間には知覚できないレベル)ことによって、半導体の図面を転写する際に狙ったところに転写ができなくなることが理由だったわけです。

このエピソードのスゴいところは、これに気付いたのが女子工員だというところです。

つまりこれは全社員が一丸となって、歩留まりをどうにかして高めたい、不良率を下げたい、これ以上はもうムリというところで諦めずに、何かやれることがあるのではないか?どこかに手があるんじゃないか?と考え続けていたということなんですね。

不可能かどうかというのは未来にならなきゃ分からないところがあって、不可能だと思って手を出さなければ、それは必ず不可能な未来を導くわけです。手を出していないんだから当然です。

ところがそれよりも悪いのが、

 ■ これはどうせ不可能に決まっているよ

と考えながら手を出すことなんですね。

不可能だと考えながら何かをやると、いつも解説している「価値観が現実になる」という法則から、不可能な未来を作ってしまうんです。

こちらは先ほどと違って、手を出してしまったわけですから、もっと損な話になるんです。

最初から手を出していなければ、そこに労力もコストも掛かっていませんから、損失にはならないんですけれど、手を出してスタートしたのに結果が不可能で終わるとこれは大損になるわけです。

だったら手を出さない方が良かったのに…

というのが結論ではなく、やるのなら

 ● これは絶対に実現するのだ!

と考えながらやるべきなのだという話をしたいわけです。

あなたのこころが現実を作っているのですから、こころの中で、

 ■ こんなことができるわけがない

と考えていたら、現実はそちらの方向に、つまり不可能になる方向に進んでしまうんですよ。

だったらやらなきゃ良いんです。最初から手を出さないのが一番おトクなんです。

しかし一旦やると決めたのなら、そこからは

 ▼ 是が非でもやるのだ

 ▼ 絶対にやり遂げるのだ

 ▼ 最後には必ずできるのだ

と考えてやるべきなんです。

何度やっても上手く行かないという人は、ここを振り返ってみるべきだと思うんですよね。


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