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日本人は「英語は語順こそ超重要」をわかってない


「動詞の位置にあればそれが動詞になる」のが英語

大西 泰斗 : 東洋学園大学教授

2021年11月09日

「なぜ日本人は英語が話せないのか?」

文法も前置詞も表現の仕方も「イメージ」で理解し「英語のクセ」をつかめば、英語力は一気に伸びる。

「伝統的学校文法で英語を学んだ私たちには共通の弱点がある」と説く『一億人の英文法』著者、大西泰斗氏の新刊『それわ英語ぢゃないだらふ』から、ビジネスパーソンが今日から使える3つのコツを、抜粋・再構成してお届けします。

 

英語は配置のことば

学校文法はシンプルでも合理的でも説明的でもなく、著しく心理的妥当性に欠け、英語の本質を捉えてもいません。

私たちが話せない原因は「話す」ための基本である「語順」に習熟していないからです。

語順習熟を可能にする文法を学び、前置詞も表現の仕方「イメージ」で理解し「英語のクセ」をつかめば、英語力は一気に伸びます。英語において、位置は意味を支配する特権的地位にあります。最終的に語句の意味を決めるのは位置なのです。

She's just friended me.

 (SNSで)彼女はたった今僕を「友達」にしてくれたよ。

Don't Chris me ―― it's Professor McVay to you.

  僕を「クリス」呼ばわりしないでくれるかな。君にとっては「マクベイ教授」ですよね。

日本語では名詞を動詞として用いる場合、「お茶する」「ヒマする」など動詞であることを示す語尾「~する」を用いますが、英語にその必要はありません。動詞の位置に置けば動詞の役割を与えられるからです。

 

文型(配置パターン)と動詞との相性をイメージで覚える

動詞はあらゆる文型で使うことができるわけではありません。それは文型そのものに意味があるからです。

動詞がある型で使えるかどうかは、文型自体がもつ意味と、動詞の意味(イメージ:表現のもつ中核的意味) が合致するかどうかにかかっています。

たとえば、「見る」と訳される単語であっても look は自動型、see は他動型と型が分かれます。

look は「目を向ける」という単なる動作であるため自動型see は「見える」と対象を視覚が捉えていることを表すため他動型相性がよくなるのです。

 

それぞれの動詞の日本語を超えたイメージを掴もう

もうひとつ例を挙げておきましょう。

「言う」と訳される tell、speak、say、talk のうち、授与型で使われるのは tellだけ(He told me the news. 彼はそのニュースを私 に教えてくれた)です。

tell のイメージは「メッセージを伝える(渡す)」。「あげる・くれる」を意味する授与型とは非常に相性がいいのです。

 

speak は「音声を出す」、say は「(ことばを)言う」、talk は「おしゃべりをする」。

たとえば「私は~に...をおしゃべりした (talk)」では意味が伝わりません。

文型のもつ意味に動詞のイメージが対応できるかどうか、それが相性を作り出しているのです。

文型の意味を理解し、それぞれの動詞のもつ日本語訳を超えたイメージを摑むことが、型と動詞の相性を理解する大きな助けになるのです。

 

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この本の読者「書評」を、以下抜粋しました。これっ、納得できるところがあります

日本人の多くが英語をまともに使えないのは「口頭練習がほとんどない驚くべきほどの学習量の不足」と「受験以外にほとんど英語の必要性がない社会」に原因がある。そもそも、或る外国語を学習して「一定レベルまで使いこなせる」ようになるためには、四技能 (読む・聞く・書く・話す) を含めた最低3,000時間の学習が必要であるとされています。

ところが、日本の英語教育では、小・中・高・大の平均16年間で英語学習に費やされている合計時間は平均1,500時間程度であり、しかも受験用の reading とwriting中心の学習しか行っていない

つまり、必要時間の半分ほどしか行っていない学習では、どれだけの工夫をしても英会話などできるわけがない。

 

参考までに、以下のようなコメントも、・・・。※ 「読解力」という視点で見ると、・・・

近年、日本の英語教育は大学入試改革に伴い、右往左往してしまっている。

私はそれが英語教育の目的を見失ってしまっている原因であると思っている。

従来の教育は、大学で学問をする上で様々な文献・史料を読みこなすための読解力を身につけることを中心に行われてきた。

このように考えれば、英語のみならず、よく議論となる古文・漢文も必要であるとわかる。

古文・漢文は日本語であり、江戸時代や明治時代においての文献はこれらで書かれたものが多いためだ。

歴史を学ばないとしても、昔の日本の経済はどのようであったかなど、知るためには読解力が必要なのである。

 

さらに、・・・なるほどね !!

これから英語を勉強する子どもにはちょっと難しいです。

英語をある程度勉強してきた人向けの本です。なるほどそうだったのでか。と理解出来ます。
初心者が英語を話したいと思って選ぶ本ではありません。

 


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