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岸田政権の“自爆”入閣オンパレード


人気ブロガーのきっこさんが、岸田首相自ら「新時代共創内閣」と呼ぶ人事を「爆笑自爆内閣」と酷評。

* 岸田文雄の爆笑自爆内閣

10月4日、自民党の新総裁となった岸田文雄が、衆参両院本会議で、記念すべき第100代の首相に選出されました。

しかし、こちらも残念なことに、史上最短命の首相なのです。何故なら、100日以上も国会を開催せずに逃げまわっていた自民党政権が、ようやく国会を開催したと思ったのも束の間、首相の岸田文雄はソッコーで「14日の衆院解散」と「19日公示、31日投開票の衆院選」を表明したからです。

解散総選挙を行なえば、仮に与党が過半数を確保して政権の座を死守したとしても、岸田文雄は第101代の首相になりますから、記念すべき第100代の首相の就任期間は「わずか27日間」ということになってしまうのです。

ま、なるべくボロが出ないうちにトットと解散総選挙を行ない、少しでも傷を浅くしたいという焦りは分かりますが、今回は公示日も投開票日も「仏滅」なのです。政治家は験(げん)を担ぎますから、通常は「大安」の日を選びますし、最低でも「仏滅」は避けます。公示日も投開票日も「仏滅」という最悪の日程での強行は、過去には数々の不祥事で崖っぷちまで追い詰められた森喜朗政権くらいしか前例がありません。

「大安」だの「仏滅」だのは迷信と同じで、科学的根拠などありませんが、自民党の皆さん、ご愁傷様です(笑)…なんてのも織り込みつつ、岸田文雄はさっそく党人事に着手して、前後左右上下どこからでもツッコミ入れ放題の爆笑自爆人事を披露してくれました。そして、お次は閣僚人事も発表し「選挙で国民の信を問いたい」と抜かしました。

しかし、20人の閣僚のうち13人が初入閣で、「誰これ?」という人ばかりなのです。

これでは、この人選が良いのか悪いのか、すぐに判断できる人は少ないでしょう。

党人事のほうは、すでに四方八方からのツッコミで絶賛炎上中ですが、誰これ状態の閣僚人事のほうは、とても分かりずらいのです。

そこで今回は、解散総選挙に向けた自民党の看板である新内閣について、ポイントとなる閣僚をいじって行きたいと思います。

【内閣総理大臣】岸田文雄                          

【総務大臣】金子恭之(初)                      【防衛大臣】岸信夫

【法務大臣】古川禎久(初)                      【内閣官房長官】松野博一

【外務大臣】茂木敏充                                  【デジタル大臣】牧島かれん(初)

【財務大臣】鈴木俊一                                  【国務大臣】堀内詔子(初)      

【文部科学大臣】末松信介(初)              【復興大臣】西銘恒三郎(初)   

【厚生労働大臣】後藤茂之(初)              【内閣府特命担当大臣】二之湯智(初)

【農林水産大臣】金子原二郎(初)          【内閣府特命担当大臣】野田聖子  

【経済産業大臣】萩生田光一                      【内閣府特命担当大臣】山際大志郎(初)

【国土交通大臣】斉藤鉄夫                          【内閣府特命担当大臣】小林鷹之(初)

【環境大臣】山口壮(初)                          【内閣府特命担当大臣】若宮健嗣(初)

それでは、さっそくツッコミを開始しますが、・・・

【総務大臣】金子恭之 (60)(初) 

金子恭之は、もともとは政党に所属しない無所属の衆議院議員でした。国会議員は、個人からの献金は受けられますが、団体・企業献金は政党しか受けられません。そのため自民党議員は、1人1人が実体のない幽霊政党支部を作り、そこで団体・企業献金を受け取り、自分の政治資金管理団体へ迂回させるというイカサマを使っています。しかし、無所属だった金子恭之は、このイカサマが使えません。

そこで、当時の自民党の幹事長、山崎拓と口裏を合わせ、地元の熊本県の川辺川ダムの建設業者からの企業献金をいったん山崎拓の自民党支部へ振り込んでもらい、そこを迂回させて自分が受け取っていたのです。

金子恭之に渡った建設業者からの献金は2年間に少なくとも2,100万円、そして、その後、金子恭之は自民党に入党しました。こんなカネの亡者が総務大臣だなんて、世も末です。

【財務大臣】鈴木俊一

財務大臣に再入閣した鈴木俊一、この人は元首相の鈴木善幸の息子で、姉が麻生太郎の嫁なので、麻生太郎の義理の弟ということになります。で、どんな人物かと言うと、2000年の総選挙では選挙直前に公共事業受注企業から690万円の違法献金を受け取ったり、2007年の第1次安倍政権で閣僚たちの事務所費問題が浮上すると、それまで年間3,000万円以上も計上していた事務所費を大慌てで年間750万円に修正するような人物です。

他にも、年間に1,400万円を超えるガソリン代を計上しており、野党の追及に「7台の車が毎日300キロ走っている」という支離滅裂な説明しました。しかし、政治資金収支報告書を確認すると、1回の給油で174万円という支出があり、「お前はタンクローリーにでも乗っているのか!」とツッコミを入れられました。


【文部科学大臣】末松信介 (65)(初)

セコいと言えば、文部科学大臣に初入閣した末松信介も、なかなかのセコさを炸裂させています。過去には1,200万円もの寄付金を政治資金収支報告書に記載せずにポケットに入れ、刑事告発されました。この人の政治資金収支報告書はツッコミどころが満載で、ブランド品から愛車のカー用品に至るまで、どこからどう見ても政治活動とは無関係な物品のオンパレードです。

 

【厚生労働大臣】後藤茂之 (65)(初)

厚生労働大臣に初入閣した後藤茂之の選挙事務所は2009年の衆院選で「現金買収の約束」や「未成年者使用」など複数の公選法違反で摘発されましたが、すべて事務所の運動員が勝手にやったことにして、運動員だけが逮捕されました。

また、2014年の衆院選でも後援会員による公選法違反が発覚しましたが、この時も逮捕されたのは後援会員だけでした。

他にも、後藤茂之は、法務副大臣をつとめていた2013年に、巨額年金資産消失事件を起こした悪名高きAIJ投資顧問の子会社、アイティーエム証券とベッタリ癒着していて、政治資金パーティー券を大量購入してもらったり、代表取締役から献金を受けていました。その上、後藤茂之は、アイティーエム証券の株式を額面で1,000万円分所有していました。

あれほどの大事件を起こしたAIJ投資顧問と癒着していた人物が厚生労働大臣って、何の冗談でしょうか?

【農林水産大臣】金子原二郎 (77)(初)

冗談と言えば、農林水産大臣に初入閣した金子原二郎も、冗談のような人選です。こちらも後藤茂之と同じく安倍政権下の2013年、自民党の総務会長代理という立場を悪用し、防衛省に圧力を掛けて、自衛隊が大量に入れ替えるパソコン、1,800万円分をすべて、自分の地元、長崎県の業者に発注させたのです。そして、金子原二郎はその業者から240万円もの献金を受けていたことも発覚したのです。

他にも、金子原二郎が長崎県知事をつとめていた2000年代の諫早湾の干拓事業では、干拓後の造成農地に入植した農業経営団体の中に、金子原二郎の長女が取締役をつとめる企業が含まれていたことが発覚しました。この時、この干拓事業を主管する農水省の大臣政務官をつとめていたのが、自民党の長崎選出の衆議院議員、谷川弥一ですが、谷川弥一の長男が、この「身内企業」の代表取締役だったのです。

ちょっとややこしいですが、多くの漁業従事者を押さえつけて諫早湾を強引に埋め立てた背景には、当時の県知事と、自民党と、農水省による利権のトライアングルがあったのです。そして、私利私欲と自民党のために尽力した県知事は、その後、自民党から立候補して自民党の力で国会議員になり、このたび、晴れて農水大臣に初入閣したのです。何という「政治の私物化」でしょうか?呆れて開いた口からエクトプラズムが流れ出て幽体離脱してしまいそうですが、自民党にとっては、これが通常運転なのです。


【復興大臣】西銘恒三郎 (67)(初) 

そんな中、今回の閣僚人事であたしが一番ムカついたのは、復興大臣に初入閣した西銘恒三郎です。この人は、復興大臣の他に「沖縄及び北方対策」を担当する内閣府特命担当大臣も兼任しているのですが、この人、地元の沖縄では「裏切者」と呼ばれています。それは、名護市辺野古の米軍新基地について、もともとは「県外移設」を訴えていたのに、新基地工事を請け負っている土建業者から60万円の献金を貰ったとたんに辺野古容認派」寝返ったからです。

念のために補足しておきますが、こうした公共事業を請け負っている企業、国と契約している企業からの献金は、公職選挙法で禁止されています。そのため、西銘恒三郎は、多くの自民党議員と同じく、この違法献金が発覚した時点で60万円を返金して事なきを得ましたが、あたしは、この方式がいつも納得できません。バレなきゃ返さなくいい、バレたらバレた時点で返せば何のオトガメもなし…って、これ、おかしくないですか?こんなことが通用するなら、店で万引きしても、バレた時だけ商品を返せばOKってことになりますよね?

【内閣府特命担当大臣】二之湯智 (77)(初)

最後は国家公安委員長に初入閣した二之湯智(にのゆ さとし)です。この人も例に漏れずカネに汚い人物で、政治資金収支報告書を調べると、複数年に渡って虚偽記載や不記載が満載で…って、これは意図的に韻を踏んでラップ調にしたわけじゃありませんが、分かっているだけでも1,000万円を超える虚偽記載や不記載が見つかっています。

また、これは本人の不祥事ではありませんが、2010年、二之湯智公設秘書の男が京都市内の不動産会社の社長宅に押し入り、社長の妻にナイフを突き付けて負傷させた上、金庫から現金1億円を奪ったのです。もちろん、男は強盗致傷の容疑で逮捕され、公設秘書は解雇されましたが、犯行時は二之湯智の下で働いていたのです。よりによって強盗の雇い主を国家公安委員長に抜擢するなんて、岸田文雄のギャグセンスには脱帽します。そして、ギャグセンスだけでなく、岸田文雄がどれほど国民を軽視しているのかが分かるのも、この二之湯智の初入閣なのです。二之湯智参議院議員で、来年の夏で任期が切れるのですが、現在77歳なので、来年の参院選には出馬せず、政界を引退すると述べているのです。あと10カ月で引退する人物に国家公安委員長を任命するなんて、無責任にも程があります。

警察行政のトップという重要なポストを、こともあろうに「辞めて行く人への餞別代わり」に使うなんて、これほど国民をバカにした人事は見たことがありません。


まだ他にもツッコミを入れたい初入閣が何人もいますが、これだけでもお腹がいっぱいになったと思います。

ま、これほどまでに「叩けば埃」だらけの最低最悪の内閣なのですから、岸田文雄が大慌てで解散総選挙に突入したかった気持ちも分かりますが、あたしは一有権者として、「仏滅」の公示日と「仏滅」の投開票日を静かに待ちたいと思います。チーーーーン!


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