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1日1分だけ!記憶力がよくなる「根拠のある方法」

MITの脳科学研究から開発されたメソッド

吉野 邦昭 : 記憶力インストラクター/脳力開発研究家

2021年08月14日

「人の名前が出てこない」「会話の中に『あれ』や『それ』が増えてきた」「いま何をしようとしたか忘れてしまう」……。

『スマホ脳』がベストセラーになるなど、現代の情報氾濫による「物忘れ」の増加が社会問題になっています。

ところが、これまで世の中には「物忘れ」を根本から解決する記憶力回復法はなかなかなく、いつ来るかわからない認知症におびえて過ごすしかありませんでした。

そんな中、なんと96.4%の人が効果を実感したという科学的根拠のある記憶力回復法があると言います。『1日1分見るだけで記憶力がよくなるすごい写真』の著者であり記憶力インストラクターの吉野邦昭氏に聞きました。



 * MITの脳科学研究に基づき、96.4%が効果を実感

「年を取って、忘れっぽくなってきた……」

記憶力インストラクターとして活動する私にはこのような相談が多数寄せられます。

そして、そのような方々の多くは、何も努力をしていないわけではなく、脳トレをしたり、食事や運動、生活習慣を改善したりと、何かしら努力をされているのですが、うまくいかなかった方々です。

そんな「物忘れ」に悩み、解決しようといろいろ試したけどうまくいかなかった方々を救いたい──そのような思いで私は死に物狂いで調査を始めましたが、日本で「これだ!」というものは発見できませんでした。

そこで、多数の「記憶」に関する海外論文と医学書を読みあさったのです。

そんな日々が続いたある日、ある論文に行き着きました。

それが、認知研究の第一人者であるMIT(マサチューセッツ工科大学)のMary Crawford Potter名誉教授の研究でした。

このMITの論文をもとに私が開発したのが、チェック柄のようにメッシュ(分割の線)の入った「16分割写真」という記憶力回復法です。

「16分割写真」を使用する記憶力回復法(著書より抜粋)

やり方は簡単です。 

分割された写真の1つひとつのコマを、指定された時間見て、次のコマに移っていくだけです。 

この16分割写真、実際に1082人の人に実践をしてもらいました。

すると何と96.4%の人が効果を実感したと回答したのです。 

なぜメッシュ(分割の線)の入った写真を見るだけで記憶力が高まるのか? 

あなたは物忘れをしてしまったとき、「何で忘れてしまったんだろう」などと思っていませんか? 

その認識自体が間違っています。 


実は物忘れをしてしまう本当の原因は「忘れたからではなく、そもそも覚えていない」ことにあります。

例えば、家の鍵をどこに置いたか忘れてしまったのであれば、実は思い出せないことが原因なのではなく、鍵を置いたその瞬間の自分の行動に集中していないがゆえに、そもそも最初から覚えてすらいないことが本当の原因なのです。

つまり、記憶力とは「行動への集中力」なのです。

16分割写真では、1枚の写真を分割し、1コマずつに情報を限定して見ることで、「行動への集中力」を科学的に高めてくれるのです。 

先ほどのMITの論文は、このことを示しています。

この論文では目に入った視覚情報は0.1秒程度で認識されますが、長期記憶化されるにはさらに0.3秒見ることが必要だとのことでした。すなわち、1つの視覚情報を長期的に保持するには、ザーッと見るのではなく、じっと(合計0.4秒以上)注視する必要があるというのです。

* まずは例題にチャレンジ 

なぜ「16分割写真」で記憶力がアップするのか?

 それはこれまでも触れたように、「行動への集中力」がアップするからです。

私たちは、目や耳に入ったものはスグ記憶されると思い込んでいますが、それは誤りです。

覚える対象に集中して「見る」「聞く」して初めて記憶されるのです。

現代人は情報過多……近年は“持ち歩ける”情報端末であるスマホの普及のために情報の波にのまれ、「行動への集中力」が著しく低下しています。

その結果、物忘れに悩む人が増えているのです。 

少し試してみましょう。

次の写真を30秒見て、その後の質問に答えてください。  

例題1

Question

Q1:横断歩道の残り時間は何秒でしたか?

Q2:左の歩道のオレンジのシャツの男性のくつの色は?

Q3:バスの2階の最前列には、何人座っていましたか?

※答えは、逆さに掲載。

 

どうでしたか? 案外覚えていませんよね。

中には「そんなの、あった?」という方もいらっしゃるかもしれません。

全問答えられたという方は、かなり「行動への集中力」が高い方です。 

「え? 全然できない、どうしよう……」と思った方、大丈夫です。

これができる人はなかなかいませんので、まったく心配いりません。


* 「16分割写真」で試してみましょう

では、次の写真はどうでしょうか。

次の写真は16分割され、所々モザイクがかかっています。

どこからでもよいので、モザイクのないコマを順番に、1コマ4秒ずつ見て、その後の質問に答えてください。  

どうでしょう? 先ほどよりは答えられたのではないでしょうか。

写真を小さく分割し、情報を限定させることで、見る瞬間の自分の行動に集中できたのです。

さらに、最初はモザイクを入れ、コマ数を制限。

隣のコマに集中が散らないようにしています。

「16分割写真」ではまずは、モザイクを入れた状態のものから、徐々にモザイクを外したものにしていくことで、誰でも簡単にできるよう設計しています。

 

Question
Q1:電車の屋根にアメリカ国旗は、何本立っていましたか?
Q2:電車の車番は、何番でしたか?
Q3:右側中央のサングラスの男性の帽子は何色でしたか?
※答えは、以下、逆さに掲載。



「例題2ですら、1問も解けなかった……」という方、大丈夫です。

この「16分割写真」は、正解することよりも、「取り組むこと自体」に効果があります。たとえ1問も解けなくても確実に皆さんの記憶力はアップしているので安心してください。それでは、同じようにいくつかやってみましょう。モザイクのないコマを1コマ4秒、計32秒見てください。

どのコマからスタートしても大丈夫ですが、飛ばさないよう、順序よく見てください。

Question
Q1:Transfer(乗り換え)はどちら方向に行けばよいですか?
Q2:有名ブランドの名前が1つありました。何ですか?
Q3:写真右の時計の長針はどの数字を指していましたか?
※答えは、以下、逆さに掲載。



 Question

Q1:今、時刻は何時頃ですか?
1. 早朝  2. 昼  3. 深夜
Q2:掲示板のメーカーはどこのものですか?
1. Panasonic  2. SONY  3. SAMSUNG
Q3:12:00発の便に乗るには何番ゲートに行けばよい?
※答えは、以下、逆さに掲載。 



 Question

Q1:記念写真を撮っている5人のうち、見えている3人の中でサングラスをかけているのは何人?

Q2:右側中央を向こうに向かって歩いている女性の服は?

1. 黄色のスカート  2. 赤いパンツ  3. 青のパンツ

Q3:左の中央で腰かけている白いシャツの男性は、サングラスをかけている?

※答えは、以下、逆さに掲載。 

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