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デルタ株「20〜30代」が短期間で重症化する実態

アメリカでは30代以下が感染し、重症化する例が目立つようになってきている(写真:Houston Cofield/Bloomberg)

ワクチン未接種層の感染拡大が深刻なアメリカ

The New York Times

2021年08月11日

現在、新型コロナウイルスで入院している患者の多くはワクチン未接種者だが、特徴はそれだけではない。50歳よりもずっと若い人々が目立つのだ。

弱った高齢者の入院患者が多かった昨年とは、まるで状況が違ってきている。

ルイジアナ州バトンルージュでは、肥満や糖尿病など重症化につながるとされるリスク要因をまったく持たない若者たちも、容体が深刻化して緊急治療室に搬送されている。ただ、症状がそこまで悪化する理由ははっきりしていない。

アメリカ各地の感染拡大地域で働く医師たちは、入院してくる患者のタイプが昨年とは異なると話す。ワクチン未接種者がほとんどで、年齢も若く、多くは20〜30代だという。昨年より症状が重く、容体が悪化する速度も速い。



* 39歳以下の接種率は5割未満

治療にあたる医師の多くは、アメリカで感染の8割を上回るようになったデルタ株が関係しているとみる。

若い層の重症化が増えているのは、こうした年齢層のワクチン接種率が低いことがもっぱらの理由だと考える専門家もいる。

アメリカ疾病対策センター(CDC)のデータによると、8月1日現在、アメリカでは65〜74歳のうち2回のワクチン接種を完了した人の割合は8割を超える。が、18〜39歳の接種完了率は5割に達していない。

ワクチンは重症化や死亡の予防に大きな効果があり、この点はデルタ株を含む変異株についても変わらない。

アメリカでは入院患者の約97%が未接種だ。

ニューヨーク大学医学部のアダム・ラトナー准教授(小児科・微生物学)は「デルタ株の重症化リスクについて、まだしっかりとした証拠は出てきていないと思う」と話し、こう続けた。

「原因は人々の行動にあるのかもしれない。経済や社会の活動が再開され、場所によっては(制限が取り払われて)全開となり、マスクの着用も求められなくなった。1年前、あるいは15〜16カ月前とは状況が異なる」

デルタ株をめぐってはこのところ、科学者の想定を裏切る不穏なデータが次々と浮上。毒性や重症化リスクの解明が切迫した課題になっている。

ニューヨーク・タイムズが7月下旬に入手したCDCの内部文書には、デルタ株は水ぼうそう並みの感染力を持ち、「(イギリスで最初に特定された)アルファ株などの従来株よりも深刻な症状を引き起こす可能性がある」と記されていた。

CDCによると、今年1月末時点では入院患者の半分は65歳以上で、50歳未満の大人は22%という構成だった。

しかし今では、高齢者の割合が25%を少し上回る程度なのに対し、18〜49歳は41%を占めるようになっている。

アーカンソー医科大学のキャム・パターソン学長は、冬に同大学の医療センターに入院した患者の平均年齢は60歳だったが、今では40歳になっていると話す。「デルタ株は従来株よりも、より若くて健康な人に感染しやすいのではないかと感じている」。

同大学の病院でデルタ株による感染が最初に確認されたのは5月1日だったが、6月17日までにはほぼすべての感染がデルタ株によるものとなった。「若い患者が増え、病状の悪化スピードが上がっていったのと、アーカンソー州でデルタ株が広まった時期は完全に一致する」とパターソン氏。

「私たちにしてみれば、まったく違った病気が現れたような感覚だ」。

 

* 健康な30代が数日で集中治療室行き

フロリダ州ジャクソンビルでジムを経営するボディビルダーのドナルド・マカヴォイさん(33)は、面倒なのでワクチンを接種せずにいた。

ウイルスにやられるのは健康に問題のある高齢者だけと考えていたからだ。

ところが、6月下旬に鼻水の症状があった。本人は風邪かアレルギーだろうと高をくくっていたが、交際している女性にきつく言われて検査を受けると陽性だった。マカヴォイさんは血中酸素濃度を測るパルスオキシメーターという小さな機器を渡されて、自宅療養に入った。

数日とたたないうちに症状は急激に悪化。マカヴォイさんが寝室の床に崩れ落ちたとき、血中酸素濃度は56%に落ちていた。正常値は95%以上だ。

バプテスト医療センターで酸素マスクを着けられ、集中治療室に送られた。

そこで11日間を過ごしたマカヴォイさんは、このつらい体験を「肉体面だけでなく精神面でも、今までに経験した中で最もおそろしいものだった」と話している。医師からは、デルタ株に感染したと聞かされていた。

酸素ボンベにつながれた状態で退院したのは7月8日。体重は11キロほど落ち、仕事に復帰するまでには4〜6週間の安静と呼吸療法が必要だと警告された。もっと長くなるかもしれないとマカヴォイさんは不安を口にする。

「デルタ株で誰もが等しく重症化する可能性が高まった」。そう話すのは、ラスベガスにある大学病院で集中治療室の責任者を務めているアンジー・ホンズバーグ医師だ。

患者はこれまで、1〜2週間ほど自宅療養した後に入院するのが普通だった。

入院する場合もたいていは、まず通常の病棟で治療を受け、そのうちに挿管や集中治療が必要になるという経過をたどった。

ところが今では、若い患者がマカヴォイさんのように一気に重症化するようになっている。

「デルタ株は従来株とはどこか違った動きをしているのではないか」とホンズバーグ氏は言う。

 

* 「重症化リスクは高まっていない」との指摘も

ミズーリ州スプリングフィールドにある500床規模の医療機関コックスヘルスで救命救急診療の責任者をしているテレンス・コールター医師も、コロナ患者の年齢が下がり、症状が重くなっていると話す。

同氏によれば、入院患者の多くは糖尿病や肥満、高血圧といった既往症のある重症化リスクの高い人たちだが、若い患者の中にはこうしたリスク要因がまったくない人たちもいる。

「実に恐ろしいことだ」とコールター氏。「そこまで重症化するとは考えられていなかった若くて健康な人たちに影響が出ている」。

後遺症が長引く場合が多く、肺に損傷が残る患者もいるという。

ただ、デルタ株は感染力が強いため、結果的に毒性が強まったように見えているだけだ、と指摘する専門家もいる。

デルタ株の重症化リスクが従来株を上回るものでなかったとしても、感染者数が増えれば、重症患者の絶対数も当然増えることになるからだ。

(執筆:Roni Caryn Rabin記者)

(C)2021 The New York Times News Services


ラムダ株“隠蔽”の菅政権に「ふざけるな」国民激怒。


人命より五輪、最凶ウイルス日本上陸を隠し、開会式を決行していた?

2021.08.13

 新型コロナウイルスの中でも致死率が高いとされるラムダ株が検出されながら、東京五輪期間中に“隠蔽”したとされる問題で、自民党外交部会長を務める佐藤正久参院議員が「もっと早く問い合わせがあれば答えた」と答えたことが物議を醸している。何か意図があったと疑われても仕方のない言い訳で、大きな波紋を呼びそうだ。

 

* ラムダ株の国内初感染を公表しなかった菅政権

12日にBS-TBSで放送された『報道1930』に出演した佐藤氏は、ラムダ株感染が国内で初確認されながら公表しなかった件について問われ、「早く発表すべきだったが、政府の中でも情報が共有されていなかった。(8月6日に明らかにしたのは)報道機関から問い合わせがあったから答えた」と釈明した。

東京中日スポーツが報じた。

 

南米・ペルーが由来とされるラムダ株をめぐっては、ペルーに滞在歴のある30代女性が7月20日に羽田空港に到着し、検疫で陽性が判明。その後、国立感染症研究所の調査によりラムダ株と確認されたという。

一連の動きが東京五輪開催時期とほぼ同じため、「五輪を優先してラムダ株感染を隠蔽したのでは」との疑いがもたれている。

国立感染症研究所の解析により「ラムダ株が日本に入った」と明らかになったのは7月23日。

その事実を厚労省に報告している。23日は東京五輪が開幕した日でもある。

そして、ラムダ株が日本で確認されたことを国際機関に報告したのは3日後の26日。

この日の日本はメダルラッシュに沸き、卓球・混合ダブルスで水谷&伊藤ペアが金メダル、柔道男子73kg級で大野将平が金メダル、スケートボード女子ストリートで西矢椛が金メダルなど、金銀銅合わせて7個ものメダルを獲得していた。

永田町や霞が関の動向に詳しい記者は、「開幕直後のメダルラッシュで盛り上がる中、『致死率の高いラムダ株が国内で初感染された』と水を差すような発表はできなかったいうのが本音」だと語る。

「ラムダ株だときちんと調べた、国際機関にもちゃんと報告したと、後から言われても答えられるように、やることだけはやっておいたということです。その上で、国民に向けた発表だけはせず、ラムダ株感染の事実を隠蔽したと疑われても仕方がありません」

厚労省が発表したのは今月6日で、その間の14日間は沈黙していたことになる。

報道機関からの問い合わせがなければ公表する気はなかったと言わざるを得ない。

 

* 「東京五輪が最優先」で人命無視の“隠蔽疑惑”

ラムダ株の隠蔽疑惑を最初に報じたのは米国のニュースサイト「デイリー・ビースト」だった。

デイリー・ビーストは8月6日付で、『東京はオリンピック直前に命に関わる新しいCOVIDの変異株を隠蔽』と題した記事を配信。その中で、「国立感染症研究所の研究者はデイリー・ビーストに、ラムダ株は空港のチェックで発見されたと語った」と報じている。

同メディアはラムダ株が確認された事実を再三厚労省に問い合わせたが返答はなかったといい、「私たちは24時間態勢で電話をかけて警鐘を鳴らした。しかし、大臣が記者会見を予定していた日まで厚労省は黙っていた。発表するつもりはなかった」と隠蔽を糾弾した。

いずれにしても、佐藤氏が語った「もっと早く問い合わせがあれば答えた」という言い訳はあり得ない。ラムダ株の存在はすでに世界中で知られており、「ラムダ株に対する意識の高さがなかった」とのコメントはあまりにも無責任だといえるだろう。

ラムダ株はすでに中南米を中心に広域に拡大している。

日本国内で初感染が確認された時点ですぐに公表すべきで、早めに公開しなかったというのは何かの意図があったと疑われても仕方がない。

アスリートたちには何も責任がない。政府の隠蔽体質がまた東京五輪の価値を損ねてしまう結果となってしまった。



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