おがわの音♪ 第1073版の配信★


なぜ年越しそばを食べるの?

ゆく年くる年 ・・・

 

今年も残すところあと僅かとなりましたが、「おおみそか」「おおつごもり」「歳神様」など、大晦日にまつわる知識、皆さんどのくらいお持ちでしょうか?


*大晦日あれこれ

まず「おおみそか」という言い方ですが、もともと「みそか」は「三十日」です(「三十路(みそじ)」もありますね。

「三十」は和語読みすると「みそ」です)。

それが「月末」を意味するようになっていきます(実際に「29日」や「31日」で月末になろうと、「みそか=月末」という位置づけです)。

ただ、12月の月末は、ただの月末ではなく、一年の締めくくりということもあるので、「大」がついて「おおみそか」となりました。

また、「おおつごもり」という言い方もあります。

これは太陰暦だと、月末は月が隠れて見えない日

「つきごもり」から「つごもり」となり、やはりこれも年末だけ「おお」がついて「おおつごもり」です。

いずれにしても、毎月やってくる月末の中でもさらに一年の締めくくりということで「大」がついて「おおみそか」だったり「おおつごもり」となりました。

日本では大晦日は「歳神様(としがみさま)」をお迎えする行事が行われます。

よく日本昔話や民話などでも、大晦日の年越しを題材にしたお話があります。

やってきた神様が貧乏神だったり、福の神だったり。

そう、新しい神様をお迎えするのが大晦日です。

年越しには、

  • 年越しそば
  • 除夜の鐘
  • 二年詣り

などが行われます。

年越しそばは、「細く長く続く」ことから「延命・長寿」を祈願したものなど諸説あるようです。

私は残念ながら蕎麦アレルギーなので「年越しそば」は食べられないので、うどんにしているのですが、これだと、「太く短く」になってしまいますね…。

除夜の鐘は「煩悩の数」と言われる108回分、鐘をついて煩悩を払うわけですが、これも地域やお寺によっていろいろあるようです。

二年詣りは、大晦日から元旦にかけての初詣。学生時代は友達と年越しによく行きました。

京都の八坂神社では「をけら祭」というのがあります。御神火を起こし、それを火縄にうつし、消えないようにぐるぐる回しながら家に持ち帰ります。

この「をけら詣り」は京の大晦日の風物詩です。その火で、神棚の灯明をともしたり、お雑煮を作ったりするのです。

みなさまのお住いの土地土地で、さまざまな行事があることと思います。あらためて見直してみると色々な発見があるかもしれません。

出典:1日1粒!「幸せのタネ」

 


光の速さがあまりにも奥深いと言い切れるワケ

物理の「4大定数」は宇宙のどこでも変わらない

小谷 太郎 : 大学教員、サイエンスライター

2020年12月17日

光速c、電子の電荷の大きさe、重力定数G、プランク定数h。この4つの物理定数は、宇宙のどこでいつ測っても変わらない。

宇宙を今ある姿にしているのは物理の4大定数なのである。宇宙を支配する数字の秘密を、NASA元研究員の小谷太郎氏がやさしく解説する。

 

 

*光速cで特殊相対性理論がわかる

最初に取りあげるのは、光速、つまり光の速さです。しばしば c という記号で表されます。

光速は、4つの物理定数のうち、人類が最初に認識したものといえるでしょう。

その測定の試みも古くからあります。もっとも、光は極めて速く、簡単に測れるものではありませんでしたが。

初期の素朴で誤差の大きな測定から、次第に工夫が進み、測定精度が上がると、光速の不可解な性質が明らかになりました。

測定装置が動きながら測っても光速は変わらないのです。

いったいどういうことでしょう。誰もが頭をかきむしりました。

実はこれは、光速不変という宇宙の基本原理の現われでした。 この原理を基に、アインシュタインは特殊相対性理論に到達します。

それは時間と空間の見方を一変する革新的な物理学理論でした。

物理定数とは何でしょうか。

その答えは、まず第一に挙げられる物理定数の性質は、宇宙のどこに行っても、だれが測っても、変わらない量だということです。

そういう量を物理定数と呼ぶのです。

光速は物理定数の1つです。つまり、光速は、宇宙のどこに行っても、だれが測っても、変わりません。

といっても、人類はロケットに乗って月へ行ったことがあるきりです。

人類が送り出した探査機も、太陽系という宇宙の片隅をうろうろしているにすぎません。

 

*天体現象の観察でわかること

広大な宇宙のほとんどは未踏なのに、どうしてそこでの光速が変わらないといえるのでしょう。

実は宇宙から届く光を望遠鏡で観察すると、宇宙のどこでも光速が変わらないことがわかります。

もしも宇宙空間のどこかに、光速の異なる領域があったなら、そこで何が起きるでしょうか。

そこでは興味深い現象がさまざま起きるのですが、まず一目でわかるのは、そこで光線が曲がったり屈折したりすることです。

もしも光速の異なる領域が宇宙にあれば、あたかも水を満たしたガラスのコップが景色や人物像を奇妙にゆがめるように、そこの天体はねじ曲がったりひねくれたりして見えるでしょう。

そういう天体像が存在するかどうかを、望遠鏡で調べると、宇宙空間に光速の異なる領域があるかどうかがわかるのです。

(あまり混乱させたくありませんが、重力定数の説明の回では、まさしく光速の異なる領域が宇宙にあって、天体像がねじ曲がったりひねくれたりしている例をお見せする予定です。が、ここではまず光速が宇宙に普遍の物理定数であることを説明しましょう)

このような天体現象の観察から、宇宙のどこでも、何万光年も何億光年も離れた遠方でも、光速は同じとわかります。

残念ながら、人類はこれまで宇宙人と会ったことはありませんが、広い宇宙のどこかに住んでいる宇宙人も、天体現象を観測して、やはり「光速は宇宙のどこに行っても同じ」と結論しているでしょう。つまり、光速はだれが測っても同じです。

(もしも宇宙人と会話する日が来たら、通じる言語が必要になります。

まず第一歩として、両者ともに知っているものを指して、それをどう表現するか、教えあうことになるでしょう。

宇宙のどこでもだれが測っても同じ光速は、確実にその共通の語彙として使われるはずです。

本書で取り上げる、重力定数や電子の電荷の大きさなどの基礎物理定数は、どれも会話に必要な基礎単語となるでしょう)

 

*4大定数は「偉い」物理定数

と、ここまでは、物理定数は宇宙のどこに行っても変わらないことの説明なのですが、実は「物理定数」という言葉は、世の中でそこまで厳密に用いられているわけでもなくて、時と場所によって値の変わる量であっても物理定数と呼ぶこともあります。

例えば卵を手にとって落とすと、重力にしたがって落下し、床の掃除が必要になります。

手から離れた時点の落下速度はゼロですが、落下速度は見る間に増し、床に接触する時点では3 m/sほどの速さになります。

この落下速度の増え方を「重力加速度」といいますが、これも物理定数の1つと見なすこともあります。

重力加速度は北極と赤道で値が異なります。

北極で卵を落とすと、赤道で落とす場合よりもちょっぴり大きな加速度で落下し、そのため床の掃除はちょっぴりよけいに手間がかかります。

また火星や月に出かけていって卵を落としても、ちがう重力加速度で落下します。

月の重力加速度は地球のおよそ6分の1、火星ではおよそ3分の1です。

重力加速度は宇宙のどこでも同じ量ではありません。

宇宙のどこに行っても本当に変わらない物理定数を「基礎物理定数」と呼んで、重力加速度のような、地方によって違う物理定数と区別することがあります。

基礎物理定数は、真に基本的で重要な、いわば「偉い」物理定数です。

光速や重力定数など、物理定数はどれも基礎物理定数です。

以後、とくに断らないかぎり、物理定数といえば基礎物理定数を指すこととします。

 



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