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息のニオイにまつわる記事


息のクサさは大病のシグナル?

2015.04.03 

新年度ということで、初対面の相手と会う機会が多い時期ですが、そんな時に心配になってしまうのが、自分自身の口臭。

 

口臭は口内・肺・胃からのにおいが総合して出来上がる

暴飲暴食が続いたりしてしまうと、ひどいことになってしまうのが口臭。

そこでで口臭ケア……なんて話になるのですが、口臭ケアは口臭がなんなのかを知らなければ話が始まりません。

テレビなどでは、自臭症自分のにおいが臭いと極度に心配する心身症)を煽る悪質なCMと共に、バラの香りでどーのこーのだと言ってますが、本当に臭い人はあんなものは効果が無いだけでなく、ドブの上に浮いたバラ、ウンコに刺した一輪のバラにしかなりません。上から芳香成分をいれても何も解決しません。 

そもそも口臭というのは、口内の細菌の営みから生み出された臭気成分、肺から出てくる臭い、そして胃から上がってくるにおいが総合して出来上がるものです。

なので、原因が歯を磨いていない(もしくは舌苔をきれいにしていない)、また、アルコールニンニクといった代謝物が呼気に混ざる物か、そして胃が荒れているかどうかなどでどう対処するかは、まったく別次元になるわけです。

ブレスケアの類いは悪くはないですが、慢性的に臭いのであればなんらかの病気です。

ただ自分のにおいというのは自分で判断がむずかしいので、どうしても気になる人なんかは、歯科医で相談するのも悪くないでしょう。歯科医には自臭症の人がよくくるのか、においを数値で表す機械が置いてあることが多いので、役に立ちます。

 

呼気は様々な病気のシグナルが見えるところでもあり、代表的な病気は特徴的なにおいを持ちます。

 

癌                  :ホルマリン固定された肉の臭いや、瘡蓋の臭いと言われる。松ヤニと死体を混ぜたような臭いとも表現される。

ジフテリア : 代謝不良でケトン体が出るのか、特に汗が独特の甘い芳香性を持つようになる

麻疹             : 茹でた鳥に近い匂い

リュウマチ : 独特の酸っぱい匂い

統合失調症刺すような鼻にくる臭い

 

これらは呼気だけでなく全身から匂い立つわけで、たまにお風呂にもきっちりはいっているのに、信じられないほど異様な体臭の人がいるのは、どこかが壊れている可能性が大と言えるわけです。


息がクサくなる原因は夜中の酸っぱいもの?

 2015.04.08 

 個人的な努力で予防がしやすい「口内衛生の向上」についてレクチャー!

 毎食後しっかり歯みがきしなくても、口臭は防げるってホント?

 

まずは口の中の衛生の向上を目指すべし

さて、口臭は、体からにじみでるもの(肺に入った空気に溶けて出る)、胃から上がってくる、そして口の衛生状態などから生じるという話をしましたが、最も個人的な努力で押さえることができるのが、言うまでもなく口の中の衛生です。

歯磨きが甘かったり、スナック菓子なんかを寝る前に食べてそのまま朝まで放置したり、酸っぱいものを口にいれたまま眠ったりすることで口内の雑菌のバランスは簡単に崩れます。

虫歯菌というものは、多くの細菌の総称なのですが、その多くは酸性環境を好みます。

故に、唾液はほんの少し塩基性で、口内のpHは7~7.5あたりになります。

これが、酸味料を含むものを口にいれたままや、酸っぱいドリンクを飲んだまま眠ると、6.5以下の酸性になり、その環境では、口内環境を悪化させやすい菌の活動が活発になります。 

塩辛いスナック菓子でも、実際はかなりの酸味料が含まれているので、局所的に非常に強い酸性になっており、それが歯の隙間や歯茎との隙間に入ったまま就寝すると、虫歯の進行や歯槽膿漏の原因となります。

歯槽膿漏や溜まりすぎた歯垢はチオールなどの悪臭物質をもりもり作り、さらに組織が壊死して生じる肉が腐った臭いが、乳酸酸っぱい臭いに混ざることで歯槽膿漏独特の猛烈に臭い口になっていきます。

故に歯ブラシは大事なのですが、歯ブラシの使い方が間違っている人も多く、またクセで磨かない部分がある人も多いので、そういう人は歯垢を染める薬剤(薬局で購入可能)なんかで歯垢の分布状況を目で見て把握することも大切です。

すでに歯茎が腫れて歯槽膿漏や準備段階になっている人は早めに歯科医で診てもらいましょう。

個人的な努力では、なかなか治りません。

歯磨きは、毎食後律儀にゴシゴシするのではなく、普段の食事であれば、良くゆすぐだけで十分で、1日に1回ないしは朝晩くらいで十分です。ただ二十歳以降はどうしても歯の隙間が増えてくるので、歯間ブラシ(フロス)2、3日に1回は必ずつかって歯垢が溜まらないようにしましょう。

間食の後は、良く口をゆすいで、そのあと唾液をだすのを意識するとよいでしょう。

そういう意味でも食後に口をゆすいで、その後ノンシュガーガムを噛むのは非常に良い習慣といえます。

口臭対策も地味すぎる毎日の積み重ねから! 

バラの香りのよくわからんサプリを飲んでも、腐った肉に添えられたバラになるだけです。

(出典 : くられ)


緊張しすぎると吐く息がクサくなるのはナゼなのか?

2016.12.02

対人関係で気になるニオイ。なかでも口臭を気にする人は多いですね。

緊張すると「口が渇く、上手くしゃべれない」といった悩み以外にも、「普段よりも口臭が気になる」ということが気になったことはありませんか?

どうして緊張したときに口臭が強くなるのでしょうか。また緊張以外ではどのような時に口臭がするのでしょう。

詳しくみていきましょう。

 

*緊張すると口が臭くなるのはなぜ?

緊張すると口が臭くなる原因は、緊張することで「自律神経」が乱れることにあります。

自律神経とは、外部からの刺激によって無意識に身体の機能を調整する神経です。

自律神経にはストレスや緊張、興奮状態によって働く「交感神経」と、リラックスした状態で働く「副交感神経」の2種類があります。この自律神経は、唾液(だえき)の分泌にも関わってきます

緊張している時、つまり交感神経が働いている状態では、唾液の分泌が抑えられます。

緊張したときに口が渇くのは、交感神経に影響されているためです。

では、唾液分泌が減るとなぜ口が臭くなるのでしょうか?

 

*口が渇くとなぜ臭くなるの?

唾液の分泌と口臭の関係を知るためにも、まず唾液の働きを見てみましょう。

唾液の働きは次のものがあります。

・口の中の汚れを洗い流す

・歯の表面、口の粘膜の乾燥を防ぐ

・細菌をからめとって、体内への侵入を防ぐ

・食べ物を飲みこみやすくする

 

これらはさまざまある唾液の働きの一部です。唾液の働きによって、口の中にある細菌の増殖を防いでくれています。

また交感神経は、唾液の分泌を抑制するだけではありません。

唾液の成分を普段の「さらさら」したものから、ねばねばしたものに変えます。

粘度の高い唾液は、細菌の栄養源になるため、口の中の細菌が増殖します。

そして増殖した細菌は、ニオイのもととなる「揮発性硫黄化合物(きはつせいいおうかごうぶつ)」という成分を発生させます。これが、緊張したときに口が臭いと感じる原因となるのです。

 

*緊張以外でも口臭が!唾液の分泌が減るのはどんな時?

緊張すると唾液の分泌量が減り、口臭につながります

では緊張以外でも、唾液の分泌を減らしてしまうことはあるでしょうか?

唾液の分泌を減らしてしまう原因をみていきましょう。

 

起床直後

朝起きて、口臭が気になることはありませんか?

睡眠中は唾液の分泌が減って、細菌が増殖します。

さらに、口の中に食べかすや舌の汚れが残っていると、口の中の汚れ成分を細菌が分解し、ニオイの原因物質を沢山つくってしまいます。

 

口呼吸

鼻づまりになると、鼻呼吸ができず口呼吸となりますね。

それ以外でも歯並びやかみ合わせの問題で、唇がとじにくく口呼吸になることがあります。

また夜間、無意識で口呼吸になっていることもあります。

口呼吸は、口を乾燥させた状態とします。そして、唾液を蒸発させてしまい、細菌の増殖と口臭へとつながります。

 

年齢、ホルモンバランスの変化

加齢によって、唾液の分泌量は減少していきます。

また、女性の場合は加齢に伴うホルモンバランスの変化によっても、唾液の分泌が変化します。

更年期の症状に「口腔内乾燥症=ドライマウス(口が渇いた状態)」があります。

また、ホルモンバランスの乱れで20代や30代でもドライマウスになることがあります。

 

喫煙

煙草の成分タールによって、喫煙者独特の口臭がみられます。

それ以外にも煙草に含まれるニコチンは交感神経を刺激します。

緊張したときと同じように、唾液の分泌が抑制されるのです。また、ニコチンには免疫作用を抑制する作用もあります。

そのため、歯周病など口臭の原因となる疾患になりやすくなります。

このように、緊張している時以外でも、唾液の分泌を減らしてしまう原因はさまざまあります。

 

では、唾液以外に口臭の原因となるものは何があるのでしょうか。

 

*慢性的な口臭の原因、病的口臭?

唾液が減ることによる口臭は、細菌がニオイのもとをつくることが原因のため、一時的なものです。

慢性的に続く口臭には「病的口臭」が原因にあると考えられます。

病的口臭とは、疾患が原因となって発生する口臭をいいます。

病的口臭のほとんどの原因は、口の中の疾患です。虫歯も含め、口臭の原因となる疾患は次のものがあります。

・虫歯や歯周病などの口の中の疾患

・蓄膿症(ちくのうしょう)や咽頭炎(いんとうえん)などの鼻やのどの疾患

・胃炎や胃潰瘍など消化器の疾患

・糖尿病などの代謝や内分泌疾患

これら病的口臭は、疾患そのものを治療することが必要となります。

対人関係においても気になる口臭。

慢性的な口臭が気になるようでしたら、これらの原因を治療するためにも、一度病院へ相談してみましょう。

執筆:井上 愛子(保健師、看護師)


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