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オンライン診療「初診解禁」で医療はどう変わる

次世代医療を担うベンチャーが続々登場

中川 雅博 : 東洋経済 記者
2020年04月14日

都内4カ所で展開する「クリニックフォア」でのオンライン診療の様子。予約、問診を経てビデオチャットによる診察を行い、クレジットカードで決済をする仕組みだ

(写真:リンクウェル)

初めての診察から処方薬の受け取りまで、すべてネットで完結する――。

非常時の対応ではあるが、スマートフォンのビデオチャットなどを活用したオンライン診療が、長年の議論を経て大きな一歩を踏み出そうとしている。

政府は4月7日に発表した「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」の中で、オンライン診療を「初診」でも受けられるよう仕組みを整備することを盛り込んだ。

当該医療機関での初めての診察や新たな症状・疾患についての診察の場合、これまでは対面が原則だった。

だが新型コロナウイルスの感染が急速に拡大する中、院内感染などを防ぐため、期間限定で規制緩和に踏み切った形だ。



*オンライン対応の医療機関は1%未満

これを受け、4月13日から初診患者のオンライン診療が解禁された。ただ一般社団法人日本医療ベンチャー協会の集計によれば、オンライン診療への対応医療機関は1200超全国の医療機関の1%にも満たない
厚生労働省は各地方自治体に運用方法や診療報酬に関する通達を出し、仕組みが整っていない医療機関や慣れていない患者を考慮し、オンラインだけでなく電話による診察も認めることとした。

オンライン・電話での初診料は2140円で、1~3割と規定されている患者負担は最大で642円となる。
薬剤師による服薬指導もオンライン・電話で可能となり、医療機関は薬局に処方箋情報をファクスで送付する。

原本も別途郵送する。薬の受け渡しも、院内処方の場合は医療機関から直接、薬局での処方の場合は薬局から配送できるようになる。ただし薬の処方は1週間を上限とし、麻薬や向精神薬、ハイリスク薬(特に安全管理が必要な医薬品)の処方はできない。
コロナの感染拡大を受けて厚労省はまず2月末に出した通達で、慢性的な疾患などで従来から定期的に受診してきた患者に対するオンラインによる再診でも保険の適用を認めた。それまでは6カ月以上対面受診している慢性疾患の患者などに限っており、オンラインに移行しても3カ月に1回の対面が必要だった。
都内4カ所で診療所を展開するクリニックフォアは、いち早くオンライン診療に取り組んできた。

同クリニックのシステム開発を担うベンチャー、リンクウェルとともに独自にオンライン診療システムを開発し、事前予約、問診、電子カルテ、ビデオチャット、クレジットカードによる決済までをすでに整えている。

今回の初診解禁に合わせ、本人確認のために保険証や身分証明書をアップロードできる仕組みも追加した。

 

*1日10人以上診察したクリニックの気づき

クリニックフォアでは、それまでオンライン診療をED(勃起不全)やAGA(男性型脱毛症)、ピルの処方など保険の効かない自由診療に限定していたが、厚労省の通達を受けてシステム改修を終えた3月9日以降、1日10~20人程度の患者を診察してきたという。

オンライン診療は予約、問診、診察、決済という流れが一般的だ。画像はメドレーが医療機関向けに開発・提供するオンライン診療アプリ「CLINICS」(画像:メドレー)

自身も医師としてクリニックフォアで診察も担うリンクウェルの金子和真代表は、「定期受診患者に対するオンラインでの診察自体にはあまり課題はなかった。感染リスクがある中で患者からは感謝されている。ただそうした患者でも症状が変わり、薬の処方が変わる場合は、対面で診察しないと判断が難しいこともある」と指摘する。
さらに初診患者のオンライン診療について金子氏は、「実際にのどの中を見たり、胸の音を聞いたり、お腹を押したときの反応を見たりといった身体所見が取れないという点にはリスクがある。患者の理解も必要だ。対面診察の“儀式”と思えることにも、きちんと意味がある」と話す。


クリニックフォアでは、初診患者の対象疾患を、軽微な急性期疾患や、今の状況で通院の難しい慢性疾患の一時的処方に限定する独自の方針を掲げている。また、医師が対面診療が必要だと判断した際、グループ内、あるいはグループの連携医療機関での対面診察が可能な患者に限っている。
一方で、自らシステムを構築できる医療機関は少数派だ。クリニックフォアのシステムと同様に、予約、問診、ビデオチャット、決済、服薬指導など、一連のプロセスをアプリなどのパッケージとして提供する企業が、ベンチャーを中心に増えている。2019年、東証マザーズ市場に上場したメドレーは、先述したオンライン診療対応医療機関の約8割にオンライン診療システム「CLINICS(クリニクス)」を提供する。
「オンライン診療は医師が患者とただテレビ電話で話せばいいということではなく、スケジューリングや本人確認、決済など、システムには医療機関での実運用に必要な作り込みが必要。忙しい医療現場でも使いたくなるように設計している。LINEやZOOMでは対応できない」。メドレー代表で医師の豊田剛一郎氏はそう話す。
この3月にクリニクスを使ったオンライン診療の数は、前月比で倍増。同月の問い合わせ数も、コロナウイルス感染拡大前と比べて2倍以上の水準だという。

 

*医療×ネットは広がるか

豊田氏は、「あくまでオンライン初診には慎重であるべきだと思う。平時であれば(身体所見が取れないなど)デメリットが大きいが、今は対面初診のリスクのほうが大きい。今回より多くの人がオンライン診療を知ってくれた。これまでの議論は実際の経験者がいないまま進んできた。意義と限界を理解したうえで、医療でネットを活用する許容度が上がっていってほしい」と話す。

今回の初診解禁に関して日本医師会の松本吉郎常任理事は4月8日の記者会見で、「初診からのオンライン診療は、情報がない中で診断をするため、大変危険だと指摘してきた。今回の政府方針は、非常事態のもとでの例外中の例外という認識だ」と話している。医師会の中では以前からオンライン初診の誤診リスクを指摘する声が少なくない。
これに対し豊田氏は、「オンラインでの診断が難しければそこで確定せず、対面にすればいい。本質的な話ではない」と語る。
中国やアメリカではオンライン診療のシステムを手がけるベンチャーが多数生まれ、市場も拡大している

医療制度は大きく異なっており、単純な比較は難しいが、オンライン診療という選択肢の認識が広がることで、ここ日本でも医療の形が変わっていくのは間違いない。


腰痛に有効な体操

「マッケンジー体操」とは、自分でできるとても簡単な体操です。

慢性腰痛、急性腰痛、ヘルニア、坐骨神経痛にも効き目があると、一時メディアでも話題になりました。1956年ニュージーランドの理学療法士ロビン・マッケンジーが開発した手法です。
この体操には、後屈体操(伸展の体操)と前屈体操(屈曲の体操)の二種類があります。

有名なのは後屈体操(伸展の体操)。

こんな人…。どちらかというと、立って前屈するほうが後屈するより痛みが発生するというタイプの人に向いている体操です。



図は、" 3.の体操 " のイラスト


やり方は

  1. ベッドや床にうつ伏せになり、ゆっくり息を吐く深呼吸をしながら1~2分そのままの体勢でいます(重症の人は5~10分以上
  2. をついて上半身だけを持ち上げ、ゆっくり息を吐く深呼吸をしながら1~2分そのままの体勢でいます(重症の人は5~10分以上
  3. 両肘を伸ばし上半身だけ持ち上げのけぞるような体勢を取ります。痛みに耐えられるところまで持ち上げます。ゆっくり息を吐く深呼吸。

軽い人は1.2.を軽くし、3.で1~2分そのままの体勢でいます。

また、痛みが少ない人は、これを10回繰り返し1セットとして、1日1セットほど行います。

ざっとこんな感じです。

たったこれだけのことで、効果が得られる人が多いようです。まさかとは思っていましたが、実際に私は「あれっ」と思うほどの効果がありました。
今腰痛にお困りの方でまだこの体操をしたことのない方は、しばらくこれを続けてみてくださいね。

もう一つ、前屈体操(屈曲の体操)もあります。

こちらは、どちらかというと立って後屈しづらい方向けの方法です。いずれもWEBで詳しく説明がありますので是非検索して研究してみてくださいネ。

このほか、ヨガの「猫のポーズ」も腰に余計な負担のかかりにくいストレッチかもしれません。

けれど、マッケンジー体操の方が筋肉の緩み方が大きいように感じます。



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