南海トラフで「スロースリップ」観測。巨大地震との関連は?
2020.01.16
南海トラフで、プレートの境目がゆっくりと動く「スロースリップ」を東京大学と海上保安庁が初めて捉えたと、NHK、産経新聞、毎日新聞、朝日新聞などが報じた。巨大地震が発生する仕組みの解明に役立つと期待されている。
「日本海溝」のプレートの境目がある千葉県東方沖では、この「スロースリップ」が数年おきに確認されており、その後、比較的大きな地震がおきやすくなることで知られている。昨年から年頭にかけて発生した北関東周辺の地震も話題になっているだけに、今回の観測に注目が集まっている。
*「スロースリップ」とは
「スロースリップ」とは、プレートとプレートの境目がゆっくりとずれ動く現象。
地震波を出さずにたまったひずみを解放するため、私たちは揺れを感じない。
東日本大震災が起きる引き金となった可能性も指摘されているなど、巨大地震との関連が注目されている。
*南海トラフで初観測
「スロースリップ」が観測されたのは、陸地から50キロ以上離れている7箇所。
紀伊水道沖の2箇所では、平成30年ごろ、南東方向に向かって6センチと8センチ動いていたという。今回初めて観測されたのは、陸地から海側に50キロ離れた「南海トラフ」のプレートの境目の浅い部分。
東海から四国の陸側の地下深くでも、繰り返し「スロースリップ」が確認されているが、巨大地震との関連性は不明である。
*スロースリップ後に巨大地震発生
「スロースリップ」の多発地域は、東日本の太平洋沖にもあった。
2011年に起きた東日本大震災では、本震が起きる2ヶ月前から、震源のすぐ近くで「スロースリップ」が起きていた。
また、後に、これらのスロースリップ多発地域で断層破壊の拡大が止まっていたことが、京都大防災研究所などの研究チームの研究で判明している。
*「南海トラフ巨大地震」で予想されている被害
NHKによると、「南海トラフ」を震源域とした地震が想定される最大規模で発生すれば、マグニチュードは9.1。
東海から九州という広域で、最大震度7の激しい揺れ、10メートルを超える巨大津波が襲うと予想されている。
名古屋や大阪の市街地までも大きな津波が押し寄せ、東京でも超高層ビルが揺れ、都市機能は麻痺。
津波や建物の崩壊、火災による犠牲者を含めると、最悪32万人にものぼる恐れもあるという。
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