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年齢を重ねても記憶力は維持できる


加齢で脳が衰えるのは残念ながら避けられません。
しかし筋肉と同様、トレーニングすれば何歳からでも脳を鍛えることができます。

1つ目は「覚える意志」いわば意欲を持つこと。

偽の薬でも効くと信じて服用すると本当に効果が出ることがある「プラセボ(偽薬)効果」!!

これと同様に「覚えられない」「無理だ」というネガティブな思い込みは記憶スイッチをオフにしてしまいます。

記憶力が衰えない人は皆「年だから覚えられない」とは考えません。低下するのは記憶力ではなく意欲です。意欲の低下や苦手意識をなくすことが記憶力維持の第一歩になってくれます。


2つ目は「回数」、つまり復習です。

何度も復習するとより強い記憶になるという脳の性質があります。

そのイメージは壁のペンキ塗りに似ています。ペンキ塗りは何度も塗り重ねて完成しますが、記憶も同様。

薄い記憶を何度も重ねて厚くするほうが強い記憶となっていつまでも覚えていられるのです。

にもかかわらず、1度や2度見たり書いたりしただけで、覚えられないと諦めてはいませんか ?

1度で覚えられなければ2度、2度で駄目なら3度、と復習を繰り返して記憶を強くしましょう。


3つ目は「感情」すなわち感受性です。

脳の中で記憶をつかさどっている場所を「海馬」といいます。

この海馬のすぐ隣には「扁桃体」という場所があり、喜怒哀楽といった感情に反応します。

つまり、何らかの感情が動いて扁桃体が反応するとそれによって隣り合った海馬が刺激を受け記憶が強化される仕組みになっているのです。
そのような理由から、感情が伴った記憶は長く頭の中に残ります

年々、心から感動したり喜んだりすることが減ってきてはいませんか ?

大きなことでなくても構いません。おしゃべりを楽しんだり咲いている花を愛でたりご飯を味わったりと、いつまでも感受性豊かにワクワクした日々を送ることが扁桃体を活性化させ同時に記憶力アップにもつながるのです。

*メモやノートを使いこなす!

脳の記憶の司令塔「海馬」を刺激し、効率的に記憶をするメモ術を紹介します。
記憶がどのように失われていくかを調べた研究結果では、記憶というのは徐々になくなるのではなく、初期の段階で急激に失われることが明らかになっています。

だからメモにいちばん大事なのは新鮮さであるといえます。メモをとるときは時間がないことが多いものです。そのため書き込みも最小限になりがちですから、その場では書き込めない情報もあるはずです。

早いうちにメモを見返せば、それを書いたときの意識を呼び起こし、書き込めなかった情報まで思い出せます

ところが時間が経つと記憶がどんどん消えていってしまい、メモとしての価値は下がります

最終的にはなぜそのメモを書いたのかさえ忘れることも。そうならないため、なるべくメモをとった日に目を通して、書き込めなかった情報まで追記することをおすすめします。


  日付と場所を忘れずに


同じくノート術

ノートをとる本来の目的は、内容を頭に入れることです。カラフルなペンでノートをつくる人もいますが、記憶力と色の多さはあまり関係がありません
それよりも自分で工夫しながら書くほうが強く記憶に残ります。

枠で囲む線でつなぐ、それから「!」「?」「☆」「◎」「↑」などイラストを描く。

このように自分の意思で工夫した過程はすべて「エピソード」になります。

自分で考えてつくったという「エピソード」が海馬を刺激するから、強く記憶に残ってくれるのです。


デジタルツールの発達によって、「これからはメモもアプリの時代」という論調を目にすることもあります。

これだけ便利なツールが登場している昨今なので、もちろんそれは間違いではありません。ただし、それには「アプリの方がその人に合っている」という前提があればの話です。手書きのメモ帳だけでも、様々な種類があります。

B5 ノート、A4 ノート、手のひらサイズのメモ帳、リフィルなど、自分に合った大きさや使いやすいものを選ぶべきですし、アプリを利用する場合であってもたくさんある中から自分に合ったものを選ぶべきでしょう。大切なのは「どこに書くか」ではなく、そこに「何を書くかです。筆者は長年リフィルを使用していますが、その理由は後でページを挟み込むことができたり順序を入れ替えたりできるため、メモを時系列で整理しやすいからです。

  • いつでも持ち歩けるサイズの 1 冊を決める
  • 要点とキーワードだけをメモする
  • 気になったことはコメントをつけておく
  • 余白を贅沢に使いながらメモを取る

 



ツールを使いこなす以外に大切にしたいのが睡眠です。

 

睡眠と記憶には切っても切れない関係があります。

なぜなら記憶を定着させるには必ず睡眠をとらなければならないからです。

学生時代に試験の前日、徹夜で勉強した経験のある方はいないでしょうか?

一夜漬けで入れた知識はその日の試験までは持つのですが、試験が終わった途端どこかに消え去ってしまいます。

これは睡眠をとっていないため、きちんと記憶が定着しなかったことを示しています。
睡眠中も脳は働いていて、記憶を管理している海馬はとくに大忙し

なぜなら海馬にとっての睡眠は、昼間のうちに頭に入った情報を整理する時間だからです。

寝ているときに見る夢はわけがわからないものが多くありませんか ?

あれは海馬が、バラバラになっている記憶の断片を組み合わせて再生する過程で起こる現象と一説にはいわれています。例えるならば、昼間頭に入った情報はバラバラ状態のジグソーパズルのピース。

それらが睡眠中に組み合わされて正しい形に整理されているのです。

こうして、完成したパズルだけが記憶として脳に保管されます。
では記憶に最適な睡眠時間はどのぐらいでしょうか ?

ハーバード大学の研究によれば新しい知識や技法を習得するには、覚えたその日に6時間以上の睡眠が必要とのことです。ですから睡眠時間を削って試験勉強を行うなど愚の骨頂。

睡眠時間を十分確保して勉強するほうが、結局はたくさんのことを身に付けられます。

 


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