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京都ならではのお正月

今回は『おもしろい京都案内』から、京都ならではのお正月のしきたりをお伝えします。 

今ではここまでキッチリとしている家庭も少なくなってきているとは思います。 

しかし、その1つ1つに日本人の古来からの願いや想いが息づいています。 

日本の伝統を丁寧に掘り下げていくことによって新しい未来へのヒントが浮かぶかもしれません。 

知らないこと、気づかされることもあると思います。

■根引きの松 

最近では京都の正月に欠かせない「根引きの松」は、わざわざ花屋さんに行かないとないみたいですね。

 「根引きの松」は京都ならではの変わった門松ですよね。

 根ごと引き抜いた細い松の木を白い半紙で巻いて紅白の水引を結っただけのものです。 

京都らしい質素なもので、「根がつきますように」との願いが込められているとか。


■注連縄 

ちなみに昔は注連縄(しめなわ)を玄関はもとより各部屋、お風呂、トイレ、車、自転車など身近なものに取り付けていたようです。注連縄の起源は日本神話にさかのぼります。 

天岩戸から出てきた天照大神が再び天岩戸へ入ってしまわないよう、神々が岩戸に縄を締め塞いだのが始まりと伝えられています。 

このため注連縄は神と人との領域を示し、邪なものたちが入ってこないようにするための結界なのです。 今でもたまに車などに飾られているのはその名残りだったんですね。 

注連縄というとイメージが違う感じがしますが、お正月飾りは確かに注連縄が原型ですよね。 

お正月のお飾りを飾りに関しては、京都の商家など伝統と格式を重んじる家では屏風やお軸も新年のしつらえにします。飾るのは26.27.28日辺りで29日は苦を避ける意味でも避けます。 

31日も一夜飾りとなってしまうので30日が最後でしょうか。


■器 

正月の食事に必要な器なども用意します。普通とは違う食器を使います。 

男性は朱塗りで女性は黒塗りの家紋付きのお椀を出します。 

お膳の高さもあぐらをかく男性のものと、正座する女性のものとでは微妙に違います。 

男性のお膳の足の方が低いのです。 

このような品は元来子供が生まれた時に誂えて一生使うものだといいます。 

お正月身の回りの色々なものをサラ()します。 

大晦日には新しい下着を家族の枕元に置いて寝て新しい年を迎えます。 

そしていよいよ新しい年を迎えます。


■雑煮 

年が明け元旦の朝は家族で新年の挨拶をします。 

挨拶を済ませた後は、前日から用意しておいたお雑煮やおせちを「お祝いやす」と手を合わせてみんなで頂きます。京都のお雑煮は白味噌に丸もちです。 

歳神様にお供えするものでもあるので神様が好きな白色の味噌を使います。 

餅は伸びるので長寿を願う食べ物でもあります。 

それを丸い形にして円満への願いが込められています。 

そして人の頭(かしら)になるようにと頭芋を切らずに一つずつ入れます。 

また子孫繁栄を願い地に根が張るようにと小芋を入れます。 

また大根を輪切りにするなど全て具を丸くして入れます。 

「今年も一年人と争う事無く、何事も丸うおさめて暮らせますように」と願う気持ちが沢山込められているのです。 

エビイモや海老は背中が曲がってしまう歳になるまで元気で暮らせるようにとの思いを込めておせち料理に詰めます。 

お雑煮は歳神様へお供えするものでもあるので、昆布のみで出汁を取り食べる直前にかつお節をかけます。神様は生臭い匂いを嫌うのでお雑煮はで出汁はとりません 

 

京都ではお正月の三が日に食事の度に毎回登場するが用意されます。 

にらむだけで箸をつけない「にらみ鯛」という変わった風習があります。 

今では一日だけという場合も多いようですが、少しおいた鯛は身がしまって美味しいといいます。 

おせちはごまめ、数の子、叩き牛蒡(ごぼう)は「三種の神器」と呼ばれるほどおせちには欠かせない食材です。 また、小梅と結び昆布が入った大福茶を三が日頂きます。 

迎春菓子としては宮中の包み雑煮から転じた花びら餅が老舗菓子匠などで販売されます。


■祝い箸 

元旦の朝、おせち料理を並べ始めると家長である父親が、一人一人の祝い箸の箸紙に家族の名前を書きます。お正月の3日間くらいはそのお箸で食事をします。 

祝い箸はお正月に使われる太めで両端が削られている箸です。 

お正月にはどの家にも「歳神様(お正月様)」が幸行されているとされています。 

歳神様と共にお雑煮やおせちを頂き、神様のご加護を受け、慶びを共にするのが日本の正月の食事のあり方です。そのため、祝い箸の一方を自分が使い、もう一方は神様が使われるために両端が削られているのです。「取り箸」として重箱のご馳走を取り分けるために使うことは、決してしてはいけないことです。重箱用の取り箸には、「組重」と箸紙に書かれた重箱専用のお箸を用意して、それを使ってご馳走を取り分けるのがしきたりです。  

このあたりは日本の伝統的な正月の風習の一つです。 

きちんと後世に伝えていきたい日本人の精神ですね。


三が日が過ぎると縁起物のにらみ鯛もお役目が終わります。 

焼き直したり蒸して食べたり、湯豆腐に入れたり、鯛そうめんにしたりして美味しく頂きます。 

余ったおせちは天ぷらにしたり、細かく切ってけんちん汁や茶碗蒸しの具材にして召し上がります。 

7日には七草粥15日には小豆粥で締めくくり、お飾りや注連縄をはずします。 

「おめでとうさん」と言っていた挨拶もこの頃から普通の挨拶に変わり日常の生活に戻っていきます。 

昔は誰でもお正月の用意をしたものです。 

最近は便利になった割にはゆとりある生活にはなりません。 

現代人の心の問題だと思います。 

お正月の準備や用意も日常に忙殺され簡素化され省略されてしまいました。 

そのため「ハレ」「ケ」の境がなくなってしまいました。 

昔から日本人は普段通りの生活を送る日を「ケ(裏)」と呼びました。 

これに対して神社の祭礼やお寺の法会、正月や節句などの年中行事を行う特別な日を「ハレ(晴れ)」と呼びました。 

単調になりがちな生活に変化とケジメをつける日本人の生活の知恵ではないでしょうか。 

普通どおりの生活を送る「ケ」の生活が順調にいかなくなることを「気枯れ(けがれ)」といいます。 

「ケガレ」は穢れでもあり特に死や病、血にまつわるものと考えられてきました。 

日本人は昔からケガレを忌み嫌いました。 

お正月などは神に近づくのにふさわしい体になるために禊ぎを行いケガレを取り除きます。 

今年の正月は新しい10年の始まり、干支も子年(ねずみどし)と十二支の最初に戻り、新元号・令和初の元旦を迎えます。 

今までの悪いものは全て祓い、素晴らしい新時代を迎えたいですね。

 

それでは、皆様 よいお年を


持ち直す製造業の景況感 by 野村証券

12月13日、米中両政府は貿易交渉で「第1段階の合意」に達したと発表しました。ただし、米国は中国が強く求めていた関税の撤廃には応じず、中国の産業補助金など対立の度合いが深い問題については、第2段階以降の協議に先送りする方針です。
また、米国では、香港での人権尊重や民主主義の確立を支援する「香港人権・民主主義法」が成立し、米下院では、中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区の少数派イスラム教徒に対する人権侵害を巡り、中国政府当局者に制裁を科す法案を可決しています。
こうした政治問題と経済・通商問題は切り離されて議論される可能性もありますが、2020年11月の大統領選を視野に入れ、人権問題や安全保障、及びハイテクを巡る緊張関係は続くものと思われます。
一方、主要国のマクロ経済統計は改善し始めました。総じて企業景況感などが改善しており、実体経済を示すデータの持ち直しはこれからと考えられます。
なお、半導体関連の2020~2021年の見通しに景気底入れの兆候が現れており、景気に先行する半導体の見通しが好転していることは、今後世界経済の底入れ・持ち直しを示唆していると考えられます。さらに今後、各国の財政支出が景気持ち直しに寄与することが期待されます。

 



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