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若者はデジタル化する世界で苦戦している―PISA2018調査結果

OECD諸国の生徒の4人に1人は、最も基本的な読解問題も解くことができず、したがって不安定さを増すデジタル社会において生き抜く方法を見つけるのに苦戦することになります。
これは、学校制度の質、公平性、効率を評価するOECDのPISA調査の最新結果から明らかになりました。
OECDのPISA2018調査には、79カ国・地域の15歳の生徒約60万人が参加し、読解力、科学、数学のテストを受けました。
今回の焦点は読解力に当てられており、ほとんどの生徒がコンピュータを使って回答しました。
ほとんどの国々、特に先進諸国では、過去10年間に教育機関への支出が15%増えているにもかかわらず、成績はほとんど改善していません。読解力では、北京、上海、江蘇省、浙江省(中国)、シンガポールの点数がその他の国々より有意に高くなりました。OECD諸国中トップだったのは、エストニア、カナダ、フィンランド、アイルランドでした。


東京女子学園高校では、読解力の向上を目的に新聞記事を要約する「朝読解」を続けている=東京都港区で、根岸基弘撮影

経済協力開発機構(OECD)の2018年の国際学習到達度調査(PISA、ピザ)で、日本の子どもたちの読解力がここ数年低下し続けている実態が浮き彫りになった。今回は、学習指導要領の見直しなどにつながった03年の「PISAショック」時とほぼ同水準にまで下がった。教育現場で何が起きているのか。

 2018年に実施された経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA、ピザ)で、日本の高校1年生の読解力の低下が明らかになった。

特に、文章の中から正しい情報を選び出したり、複数の情報を比べて検証したりする問題の正答率が低かった。

日本は学校の情報通信技術(ICT)環境の整備の遅れも顕著で、文部科学省は読解力に関してコンピューターで解答するテスト形式に不慣れであることも低下の要因の一つに挙げる。






経済協力開発機構(OECD)は3日、世界79カ国・地域の15歳約60万人の生徒を対象に2018年に行った学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。日本は「読解力」が15位となり、前回15年調査の8位から後退した。

「数学的応用力」は6位(前回5位)、「科学的応用力」は5位(同2位)になったが、世界トップレベルは維持した。

03年調査では日本の順位や平均得点が下がって「PISAショック」と呼ばれ、文部科学省が「脱ゆとり教育」の路線を本格化させた。特にトップレベルにあった読解力が14位と急落。12年調査は4位に回復したが、15年調査で8位に下がっていた。
18年調査で日本は全国の高校など183校の1年生約6100人が参加した。

日本の読解力の平均得点は504点で、OECD加盟国の平均(487点)は上回ったものの、前回から12点下がった。

408点未満の低得点層の生徒の割合が全体の16.9%を占め、15年調査よりも4ポイント増えた。
読解力調査では、インターネットで情報が行き交う現状を反映し、ブログなどを読んで解答を選んだり記述したりする内容が出された。

文科省によると、日本の生徒は、書いてある内容を理解する力は安定して高かったが、文章の中から必要な情報を探し出す問題苦手だった。情報が正しいかを評価したり、根拠を示して自分の考えを説明する問題も低迷した。
OECDのシュライヒャー教育・スキル局長は「日本の生徒はデジタル時代の複雑な文章を読むのに慣れていない」とみる。
IT(情報技術)機器を扱うスキルが影響したとの見方もある。

PISAは15年調査で、紙に手書きで解答する方式からパソコンで入力する方式に変更しており、文科省は「日本の生徒は機器の操作に慣れていないことが影響した可能性がある」とする。
OECDが今回の調査と同時に実施したアンケートでは、1週間の授業で「デジタル機器を使用しない」と答えた日本の生徒は、国語が83%、数学が89%、理科が75.9%を占めた。

利用率はいずれもOECD加盟国中で最下位で、デジタル活用が進んでいない実態も示した。
文科省は今後、情報を精査して自分の考えをまとめて発表したり、多様な文章を読んで生徒同士で話し合ったりする授業に力を入れる。

デジタル時代に対応した学力を伸ばすため、小中学校の児童生徒1人あたり1台のパソコンを配備することも目指す。

国・地域別の順位は3分野すべてで1位が北京・上海・江蘇・浙江、2位がシンガポール、3位がマカオとなり、アジア勢が上位を席巻した。
PISAは義務教育を終えた15歳を対象に、3年に1回実施している。今回で7回目

問題は世界共通で、実生活の具体的な場面で知識をどの程度活用できるかを評価するのが目的だ。



南米沖のイースター島は巨大なモアイ像で知られる。

住民は像の運搬に木材を使ったはずだが、森はその後すっかり消失した。ネズミによる食害か、それとも住民が乱伐したせいか▽世界の15歳が挑んだ国際調査PISAの出題例である。・・・@ 2019.12.04. 天声人語



」の正解は、↓ を参照ください

 




PISAが問う、いま必要な学力 シュライヒャーOECD教育・スキル局長に聞く                                                                        2018年3月26日

グローバル化 多様性への理解を  

 教える量と結果の質 相関ない

経済協力開発機構(OECD)の国際的な学習到達度調査(PISA)は日本を始め、各国の教育政策に大きな影響を与えてきた。統括するアンドレアス・シュライヒャーOECD教育・スキル局長の来日を機に、調査の意義とこれからの目標を聞いた。
PISAが2000年に始まって20年近くになります。各国の教育にどんな影響を与えましたか。

「一番大きいのは、教育についての考え方や視点を広げたことだと思います。カリキュラムに縛られず、考え方や理解力を調べようとしたPISAは、コンピテンシー(能力や特性)の概念を導入した最初の調査でした。現在は多くの国がこの概念を使っています」
「15年には、チームとしての問題を解決する能力を調べました。仕事をする時、他人と生活する時には人とつながり、協働することが求められます。でも、学校では一人ひとりを椅子に座らせ、個人の能力を測る。こうして各国の教育に問題提起を続けています」

18年にはグローバル・コンピテンスを調べようとしています。

「簡単に言えば、異なる視点から世界を見る能力で、ある種の発展です。協働できるかだけでなく、世界が示すような多様性と向き合うことができるのか。グローバリゼーションが進むなか、最も必要な能力の一つだと考えています」




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