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「月とことわざ」を考えてみた


ことわざの正しい意味を知るのは大切なことですが、より突っ込んで「なぜその意味になるのか」といった奥深さを学べば、その面白さは倍増します。

須田将昭さんが、「月とすっぽん」「月夜に背中炙る」といった、月にまつわることわざを中心にその由来を紹介。

月とことわざ

子供達とことわざの勉強をしていると気づくのですが、ことわざとその意味を読んだ後「ふーん、そういう意味か」で終わってしまうことがままあります。
「蓼(たで)食う虫も好き好き」ということわざがあって「これどんな意味?」と聞くと、テキストに書いてある解説は読み上げてくれます。

その上で「蓼って何?」と聞いてみます。「知らない」「何それ?」となります。

本当はそこに興味を持って欲しいなというところです。
しかも「みたことないからわからない」となるのですが、写真を見せて「お刺身のわさびの横についているのはみたことない?」と聞くと「あー、知ってる」となります。

子供達にはちと辛すぎるかもしれませんが、一度は口に入れてみて、「あ、辛い。なるほどこんなものを好きだという虫がいるのは変だよね」ということを体感して、その上で「蓼食う虫も好き好き」の意味を感じて欲しいところなのです。

そういった関連では、月に関連したことわざですが、

月とすっぽん

も同じです。意味は「比べ物にならないほどにかけ離れていることのたとえ」ということなのですが、なんでそんなものを比べようとしたのだろうと思ってしまいます。
月もすっぽんも「形は丸くて似ているから」というのがもともとあるのですが、すっぽんを知らないとそれはわかりませんね。
合わせて他に月のことわざも探してみましょう。

月夜に背中炙る(あぶる)

なんてことわざがあります。昼日中、背中を出して寝転がっていたら背中もじりじりと日焼けもするでしょう。あつくなりますね。

でも月の光はどうでしょう?熱は全く感じませんね。どんなに満月の光が煌々としていようと、背中を炙ってもどうにもなりません。

回りくどくて効果がない」という意味なのですが、この辺りはまだわかりやすいかもしれませんね。

こちらはどうでしょうか?
月夜に釜を抜かれる
世の中には月夜ばかりではない

この2つは「月夜は明るい」というのが根底にあります。今の時代だと、街灯の明かりでいつの夜でも明るいのでピンとこないかもしれませんね。
昔の人にとっては、月夜の明かりほどありがたいものはなく、また一方で、月のない夜の闇もまた怖いものであったと思われますね。

月のことわざ、他に何か思い浮かびますでしょうか?


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