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iPhone11を手にして確信した国産自動車の末路


2019.10.02

本国アメリカでのリリースから10日後の9月20日、日本でも販売がスタートしたiPhone11。

各メディアには早くもさまざまなインプレッションが掲載されていますが、世界的エンジニアは同機の実力をどう評価したのでしょうか。

iPhone11

3年ぶりにiPhoneを買い換えました。iPhone7は大きさも気に入っていた上に、iPhoneXから導入された上部のノッチ(カメラとセンサーのためにディスプレイが欠けた部分)が嫌いだったので、買い替えは控えていたのですが、日本出張の際に100%キャッシュレスにしようと思うと、SuicaにApple Cardでチャージする必要があるため(通常のSuicaは現金、もしくは、セットになったクレジットカードでしかチャージ出来ません)、iPhoneを新しくする必要があったのです。

大きさは許容範囲ですが、ノッチは「Appleらしくない」と感じています。

スティーブ・ジョブズが健在であれば、ノッチのような美観を損なうものを許したかどうか疑問です。私であれば、裏側に自撮り専用のディスプレイ(前面である必要はなし)をつけることにより、ノッチを回避しただろうと思います。そんな設計にすれば、背面のカメラにリソースを集中できるので、全体の設計としてもバランスが良くなります。

 

 

 OLEDはバックライトが不要で薄いので、両面につけても今の厚さを維持出来ると思います。
AppleがカメラをiPhoneの最も重要な機能の一つとして捉えているのであれば、それが最も自然なデザインだと思います。

話をiPhone11に戻すと、今のところとても満足しています。

Face IDは順調に動作しているし、大きな画面は映像を観たり漫画を読むには最適です。

ズボンの後ろポケットに入れるにはこれが最大なので、これ以上大きくしては欲しくないと思います。
同時に入手した純正の透明ケースは、見た目は素晴らしいのですが、とても滑りやすいので、ポケットから出した時に落としそうになるのが若干問題です。

賢い業者は、このケースむけの滑り止めのシールなどを発売してくるでしょうが、本末転倒のような気もします。

念願のSuicaを早速試してみました。

日本で使っていたのがPasmoだったのでその残金を取り込むことが出来ず、Apple Cardで新たに1,000円チャージしました。前にも書きましたが、(米国で発行された)Apple Cardで日本円を使っても、他のクレジットカードのように余計な為替手数料を取られないので、安心して使えます。次に日本に出張した時には、100%キャッシュレスで1週間過ごせるかどうか試してみたいと思います。


iPhone11の目玉でもあるNight Modeも早速試してみました。

写真は、シアトルにある建物の中から窓ガラス越しに撮影したものです(空に見えているUFOのようなものは室内の照明が写り込んだものです)。すっかり日が沈んだ後にも関わらず、建物や空が綺麗に撮れているし、木の間から見えている道路まで綺麗に撮影されているのは驚きです。
通常のカメラで撮影すると、肉眼で見たよりも暗く撮れることが多いのですが、iPhone11のNight Modeだと、逆に暗い部分が明るく見えます。

もっと暗い状況でも撮影してみましたが、肉眼では暗すぎて読めない文字まで読めるようになるので、ほとんど「暗視カメラ」と呼んでも良いほどの能力です。

ちなみに、このNight Modeは、GoogleがPixel3で導入したNight Sightへのレスポンスです。

iPhoneはこれまで常に、製品の完成度においてはAndroidの一歩先を進んでいましたが、Pixel3のNight SightでGoogleは、iPhoneよりも明らかに優れた能力をAndroid端末に持たせることに成功しました。
これはiPhoneの開発陣にとっては、大きなショックだったと思います。

これほど誰にでも分かりやすい機能を、それもAppleが最も力を入れていたカメラ機能で、Googleが先にリリースしてしまったというのは、彼らにとっては屈辱だったと思います。

ネットにはすでに、iPhoneのNight ModeとPixelのNight Sightの比較記事がいくつか出ていますが(参照:Night Mode: iPhone 11 Pro Max vs Pixel 3a XL!)、どちらも似たような技術を使っており、違いはごくわずかです。

どちらも既に、肉眼では捉えきれないものを撮影できるレベルになっており、ソフトウェアの力がいかに重要かを良く示しています。
当然ですが、コンパクト・カメラの能力は完全に凌駕しており、高級一眼カメラが唯一優れているのはレンズとセンサーの物理的な大きさのみ、というレベルに至っていると思います。ソフトウェアに弱い通常のカメラメーカーでは全く対抗できない領域にまで進化してしまったと言えます。
私は10年ほど前に、日本の某カメラメーカーの技術者に相談されたことがありますが、その時に「ソフトウェアで勝負をしようとしても絶対に負けるので、iPhoneのアクセサリとしてレンズとセンサーだけを搭載したカメラを作り、全ての処理はiPhone側でした方が良い」と助言をしましたが、それどころの話ではなくなってしまいました。やはり、ソフトウェアが強い会社がハードウェアまで作り始めると手がつけられません。
そう考えるとGoogleによるHTCの携帯電話機部門の買収は大成功だったと言えます(MicrosoftのNokiaの携帯電話機部門の買収とは対照的です)。Googleのスマートフォン市場でのシェアはまだまだ小さいですが(単体では1%にも届かないようです)、今後はマーケットシェアを伸ばし、Apple(2019Q2現在10%)、Samsung(同22%)、Huawei(同16%)、Xiaomi(同9%)に並ぶ5強には食い込んでくる可能性は大きいと私は見ています(数字は、「Global Smartphone Market Share: By Quarter」より)。
ちなみに、携帯電話業界で何が起こったかを20年近くも間近で見ているからこそ、同じようなことが自動車業界でも起こるだろうと私は確信しているのです。自動車にとってのソフトウェアがこれからますます重要になって行くことが明確な今、まともなソフトウェア技術者を社内で育てることが急務になっています。

しかし、残念ながら既存の自動車メーカーの経営陣のほとんどは、相変わらずソフトウェアの重要性を理解せず、ソフトウェアに関しては下請け任せのままで良いと思っています(私が経営していたUIEvolution/Xevoも商売をしていました)。私が2年前に「Xevo はそろそろ売り時だ」と感じたのはそれが理由です。


 iPhone 11 Proを分解、パッと見では分からない劇的変化が潜んでいた

2019年9月20日に発売されたAppleの新型スマートフォン「iPhone 11 Pro」の内部の様子を報告する。

一見すると、従来モデルを踏襲した内部設計のようだったが、詳しく見ていくと大きな変化が潜んでいた——。

「iPhone 11 Pro」の外観(左)とディスプレイを取り外した内部の様子

3眼カメラになった「iPhone 11 Pro」

 iPhone 11 Pro(Pro Maxもほぼ同じ)の外観とディスプレイを取り外した内部の様子。

最大の特長はApple初の3眼カメラを搭載したことだ。ライバルのSamsung ElectronicsやHuaweiは、「Galaxy S10 5G」や「P30 Pro」といった2019年モデルで、すでに4眼カメラのスマートフォンをリリースしている。

 

 

そのため、数字だけで見ればiPhone 11 Proが決して最先端というわけではない。しかし大胆な3角配置のレンズが、新しいものであり最大の特長になっている。

 内部の基本コンポーネントの配置は、2年前(2017年)のモデル「iPhone X」を踏襲するものだ。

内部の上からFace ID、インカメラ、その右にアウトカメラ(3眼)、カメラの下にコンピューティング基板、L字型の電池、その下にスピーカーと振動を作るTAPTICエンジン、Lightningコネクターとなっている。

これらコンポーネントの配置位置は2年前のiPhone Xのままである。

2007年発売の初代「iPhone 2G」を起点に、10周年モデルとしてリリースされたiPhone Xの基本設計は、その後3年は、そのままモディファイされて使われているわけだ。(初代iPhone 2G、同3G、同3GSまで3機種が同じ基本設計を使ったことやiPhone 6から画面が大型化されたサイクルを鑑みるとiPhoneの基本設計は3~4年周期で大きく変更されている。このことから、iPhone 11は最後のiPhone Xを起点とする形状の可能性があると言えるだろう)


「iPhone 11 Pro」の主要内部部品の様子

基本設計は「iPhone X」を踏襲

 iPhone 11 Proの基本部品の2つ、3眼カメラとプロセッサ基板を取り出した様子である。

3つのカメラはそれぞれレンズが異なる。基板はスペーサーを介した2階建て構造となっている。

一見すると整然とかつ、ぴったりすべてが収まっているように見える。

Appleは、前年(2018年)モデルで2個だったカメラを3個に増やしながら、ほぼ同じサイズの筐体の中に収まめるために、どのような工夫をしたのだろうか!?


2カ所に使用されている2階建ての基板構造

3個のカメラを収めるための工夫

 コンピュータ基板と、iPhone 11 Pro下部の端子(を含むフレキシブル配線)の様子である。

2層基板がメインコンピュータ基板だけでなく、端子部にも採用されていた!! この2層基板にはオーディオ関係のチップ(ヘッドフォン関係)や電源関係のチップが配置されている。

従来コンピュータ基板側にあったものがLightningコネクターの近くに移動し、さらに面積を縮小するために、2階建て基板が採用されている。

振動を発生させるTAPTICは小型化され、2階建て基板に充てる面積を生み出している。2階建て部分だけで4チップが収まっている!!



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