ゾゾスーツの反省生かす? 足のサイズ測るマット


ZOZOMATは、マットに足をのせ、足の周囲をスマートフォンのカメラで撮影することで、マット全体に施されたドットマーカーを読み取り、足の3Dサイズの計測ができる。専用アプリの音声案内に従って撮影するだけで、「足長」や「足幅」、「足囲」などの複数箇所のサイズをミリ単位で計測でき、アプリ内で3Dデータを360度確認できるという。
 マット自体は、ドットマーカーを含む基本レイアウトが用紙に印刷された簡素なものとしており、低コストで短期間での大量配布が可能。

例えば、新聞などの紙媒体へZOZOMATのレイアウトそのものを広告として出稿したり、プリンターで印刷できるPDFファイルを配信するなど、より多くのユーザーに体験できる方法を検討しているという。
 同社では、ZOZOMATのデータを活用し、自身の足のサイズに合った靴を試着なしでも注文できるECサービスの開発や、2019年秋ごろをめどに展開を予定している、ZOZOSUITで得た体型データを活用し、出店ブランドが企画する商品をマルチサイズ展開してZOZOTOWN上で販売するサービス「MSP(マルチサイズプラットフォーム)事業」での、ブランドとの商品開発などを見据えているという。


☞上記のリンク動画を見て気になる点を以下に記してみました。

 自分の手でスマホを持ちながら足の計測をすると、「姿勢」が崩れて正しい足の計測ができない !!

  しかも、足の位置がかなり不自然(?)な位置のため、これでは体重負荷が均等にならないので、

 この計測方法ではキチンと測定できないのでは、…? という疑念を持ちました。

 採寸作業は、「姿勢」を第三者が確認して行うことが極めて大事という基本がないように感じました

 

 ゾゾと「採寸」を巡っては、2018年に無料配布した「ゾゾスーツ」があった。正確に体形を測り、そのデータをもとに自主開発ブランド(PB)を販売する目的だった。しかし希望者が殺到してゾゾスーツの発送が遅れ、実際に売り出したスーツは縫製などに問題が続出。PB商品の販売は振るわず、19年3月期の大幅な業績悪化の一因になった。 @ 6/24 朝日デジタル記事より

 

ヒトが身に着けるウェア・シューズの採寸の基本を十分に理解せず、IT進化の時流に乗せた「売り方」をアピールするだけのマーケティングでは、またまた失敗するのでは?? という気がします。

私の経験では、ヒトが身に着けるモノの採寸は、やはり「触診」というヒトの感覚が極めて重要であると確信してます。しかし、少なくとも、誰かにお願いしてスマホによる3次元計測」をする動画を掲載してほしかったなぁと感じましたが、さぁ どうなりますか?? 


ゾゾスーツ、量れなかった女心

2019/4/25 日本経済新聞 電子版


ZOZOがプライベートブランド(PB)で配布している体形計測スーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」。

2019年1月31日に開催した18年4~12月期の決算発表会で、同社の前沢友作社長は「(想定以上に)ゾゾスーツを着てもらえなかった」と吐露。
日経 xTECHはゾゾスーツを注文した顧客に独自調査を実施した。結果、ゾゾスーツ所有者のうち約4割がサイズを計測しなかった、もしくは計測できなかった事実が明らかになった。

■ぴったりPB商品、トラブル相次ぐ
ZOZOは18年4月に現行のゾゾスーツの配布を始めた。同時にTシャツやジーンズといったPB商品を展開。続く7月にはPBのビジネススーツも発表した。いずれもゾゾスーツで計測したサイズを基に、1人ひとりに合った商品を届けるのがZOZOのPBの根幹だった。
一方、生産工程のトラブルやそれに伴う商品の質の問題が相次ぎ、18年度の通期連結業績予想を下方修正した。

当初はPBによる売上高向上に加え、PBによる相乗効果で通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」の売り上げ増を見込んでいた。だが冒頭の通り、前沢社長は「ゾゾスーツを着てもらえなかった」ことにより達成できなかったとした。

■計測結果のない顧客は4割に
日経 xTECHは19年2月にアンケート調査を実施し、20~40代の男性156人、同女性156人の計312人のゾゾスーツ注文者から回答を得た。ゾゾスーツを着用したかという問いに対し、「着用したが、計測していない」「着用して計測したが、計測に失敗した」「着用していない」を合わせると39.1%と約4割に上った。約2割は着用すらしていなかった
■理由は「着用が面倒くさくなった」
着用しなかった17.3%の顧客にその理由を聞いたところ、「着用が面倒くさくなった」が46.3%と最も多く、次に「無料だったのでとりあえず頼んでみただけだった」(40.7%)、「届くまでに興味が薄れてしまった」(38.9%)が続いた。

 


■計測に成功、6割がPB商品注文
一方、ゾゾスーツ注文者の60.9%は「着用して、計測に成功した」と回答した。そのうち57.4%がその後、PB商品を注文したと答えた。この「6割が計測し、そのうち半数が購入」との結果は、もともとZOZOがPBの売上高の予測の基準に使っていた割合にぴたりと一致する。
結果、ゾゾスーツを注文した利用者の動向はZOZOの想定通りだったといえるだろう。

一方、ゾゾスーツは当初600万~1000万の配布を予定していたが、実際は100万~200万程度だった。配布数が伸びなかったことがPB苦戦の大きな原因と言えそうだ。


さらに、日経 xTECHの調査で明らかになったのは女性の反応の鈍さだ。

18年4~12月期のZOZOの決算資料によると、ゾゾタウンのアクティブ会員(過去1年間に購入のあった会員)に占める女性の割合は67%と男性を上回る。年齢層は20~30代がボリュームゾーンであり、全体の平均年齢は33.2歳だ。
ゾゾスーツやそれを利用したPBの注文は、当然ゾゾタウンの主要顧客の成約率が高くなると想定された。少なくとも開始当初はZOZOが保有する顧客層に支持される必要があったはずだ。年齢層が20~30代、もっと言えば女性の支持だ。


「着用して、計測に成功した」女性は半数未満

■ 女性が着用しない理由「面倒くさくなった」

着用しなかった理由を女性に尋ねると、「着用が面倒くさくなった」の割合は54.1%で、男性と比べて約25ポイント高い結果となった。女性に対しては特に、着用自体を嫌気された傾向が男性よりも強いことがみて取れる。

 

利用者の体のサイズを計測できなかっただけでなく、女心を推し量ることもできなかった

これがZOZOの誤算の深層である。前沢社長はすでにゾゾスーツ配布の縮小を発表しているが、計測段階で利用者の満足度を高められなかったことが敗因の1つと言えそうだ。

 


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