ココカラファインが、「スギHDとの経営統合に関する検討及び協議開始」とのプレスリリースを発表


 ドラッグストア大手のスギホールディングス(HD、愛知県大府市)とココカラファイン(横浜市)は1日、経営統合に向けた協議を始めた、と発表した。実現すれば、売上高は9千億円に迫り、業界トップのイオン系のウエルシアHD(東京都)を抜く。
 ココカラは4月にも、業界大手マツモトキヨシHDと資本業務提携の検討を始めると公表。1日の発表によると、マツモトキヨシとの協議も継続するとしており、巨大な企業連合が誕生することも見込まれる。店舗数は、スギとココカラの2社単純合算で約2500。人口が減り、国内市場が先細ることを見越し、規模拡大で経営の効率化を図り、勝ち残りを目指す。
 ドラッグストア業界では長くマツモトキヨシHDが首位だったが、近年では、ウエルシアHDやツルハHDが積極的なM&Aにより地場チェーンを取り込むなどして急成長。首位を激しく争う構図になっている。


 時価総額の小さいココカラファインを中心に、ドラッグストア業界再編が加速

6月1日、ココカラファイン<3098>が「スギHD<7649>との経営統合に関する検討及び協議開始」との

     プレスリリースを発表。

1. 経営統合に関する検討及び協議開始の背景

2019/4/26 「マツモトキヨシHD(との資本業務提携に関する検討及び協議開始のお知らせ」
  ・非公式に資本業務提携の打診を受けていたマツモトキヨシHDとの資本業務提携に関する検討及び協議を開始
2019/4/30 スギHDから経営統合の提案を受領
  ・かねてより非公式に業界再編等に関する意見交換を行っていたスギHDから、正式に、2019/4/27付当社とスギHDとの経営統合によって両社の企業価値向上を図る旨の提案を受領
2019/6/1 取締役会で協議
  ・マツモトキヨシHDとの資本業務提携に関する検討及び協議と並行し、スギHDからの提案についても同様に、当社の企業価値を向上させる可能性の有無の観点から、検討及び協議を開始することが適切であると判断

2. 本提案に関する検討及び協議開始の目的

  【当社の企業理念】

  ・「人々のココロとカラダの健康を追求し、地域社会に貢献する」

  【当社の社会的使命】

・日本全国に展開するドラッグストア・調剤薬局1,354店舗(うち調剤薬局292店舗/2019年3月末現在)と介護周辺事業との連携を図り、医療・介護に携わる多職種連携により地域における在宅医療・介護を一体的に提供する「地域におけるヘルスケアネットワークの構築」

【スギHDのグループ経営理念】

・「私たちは、社員一人ひとりの幸福、お客様一人ひとりの幸福、そして、あらゆる人々の幸福を願い、笑顔を増やします。」

 ドラッグストア・調剤薬局1,190店舗(うち調剤実施店舗833店舗/2019年2月末現在)を展開し、お客様の健康維持・予防から介護・終末期のケアまでを一貫してサポートする「トータルヘルスケア戦略」の実現に向けた様々な施策を積極的に推進

【業界を取り巻く環境】

・同業他社や異業種・異業態による積極的な出店や価格競争に加え、M&Aによる同業の規模拡大、インターネット販売拡大に伴う消費者の購買チャネルの変化、人件費や建築費用の上昇も影響し、生き残りをかけた競争は激しさを増している
⇒ このような厳しい競争環境において、「今後、市場の拡大が続くと考えられる調剤を核とした医療・介護事業領域の強化により日本でNo.1のヘルスケアカンパニーを目指す」という提案を受け、本提案実現の可能性の検討及び協議を進めていく

3. 経営統合に関する内容

・両社は、「経営統合準備委員会」の下、両社の長期的な発展を目的とする経営統合の可能性に関する検討及び協議を開始
・具体的な内容及び条件については、今後両社協議の上、決定する予定。なお、当社は、マツモトキヨシHDとの検討及び協議とスギHDとの検討及び協議を客観的な立場から総合的に検討するために、特別委員会を設置する予定
・特別委員会の設置時期及び委員の選定等の具体的な内容については、決定次第改めてお知らせする

4.6月3日株価終値(前営業日比)、時価総額

ココカラファイン 4,910円(+700円)、1,251億円
スギHD 4,870円(△65円)、3,084億円
マツモトキヨシ 3,150円(△55円)、3,442億円
ウエルシアHD 3,870円(+60円)、4,056億円

※参考:スギHDとココカラ、経営統合検討 業界首位に―日経新聞(2019年6月1日公開)


ドラッグストアの2018年度の総売上高:7兆円を突破する見通し
⇒ 人件費上昇や訪日客の爆買いの一服で利益率は低下傾向の模様
これまで:高収益の医薬品や化粧品のもうけを元手に、食品や日用品の安値攻勢でスーパーやコンビニエンスストアの牙城を切り崩し
⇒ 一段の成長に向けた店舗拡大は消耗戦に

 

☞   ドラッグストア業界の再編の動きが、オーナー色の薄いココカラファインを軸に始まる

☞   これから、全ての業種で同様の経営効率化を目指した動きが加速化することが想定される。


マツキヨもココカラとの統合協議へ スギHDと争奪戦
                                                                                 2019年6月5日20時52分
 ドラッグストア大手のマツモトキヨシホールディングス(HD)は5日、同業大手のココカラファインと経営統合を含めた検討・協議を進めると発表した。ココカラはすでにスギHDとの統合協議を始めたと1日に公表。ドラッグストア再編はマツキヨとスギによるココカラ争奪戦の様相だ。 マツキヨは5日、「資本業務提携に限らず経営統合を含むあらゆる選択肢の検討、協議を進める」と発表し、ココカラに伝えた。 これを受けココカラは「伝達内容を含め客観的な立場から総合的に検討していく」と発表。スギとマツキヨについて、どちらとの統合が自社にメリットがあるかを、今後設置する外部有識者らの特別委員会で検討するという。

 

☞ さぁ、どうなりますか??


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