なぜ人は「スジの悪い戦略」に振り回されるのか


上司の思いつきが失敗するのにはワケがある

永井 孝尚 : マーケティング戦略コンサルタント
2019年05月22日

上司が思いついた「スジの悪い戦略」に振り回されるビジネスパーソンは少なくないのではないだろうか?
マーケティング戦略コンサルタントであり、『世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』の著者でもある永井孝尚氏によると、「スジの悪い戦略にも、スジが良い戦略にも、パターンがある」という。
そこでスジが悪い戦略が持つ4つの特徴について語ってもらった。


「良い戦略」とは、単純明快だ。1805年、ナポレオンがイギリス侵攻を狙っていた。イギリスの英仏海峡の制海権をめぐり、トラファルガー岬で33隻のフランス・スペイン連合艦隊と27隻のイギリス海軍が戦った。当時の艦隊決戦の定石は、両軍が艦砲射撃でダメージを与え、接近戦で戦う方法。しかしイギリス海軍のネルソン提督は常識を覆し、敵の真横に英国艦隊を突っ込ませた。損失は敵艦隊22隻、イギリスは0隻。イギリスは危機を脱した。ネルソンはこう考えた。まず、数で上回る敵を分断させたい。敵砲手の練度は低く、当日は海が荒れていた。ネルソンは「敵艦隊は、突入するイギリス艦隊を正確に撃てない」と読んだうえで、艦隊を突っ込ませるリスクを選んだ。敵が混乱し統率を失えば勝てる、というわけだ。そして狙いどおりになった。



メール・BLOG の転送厳禁です!!  よろしくお願いします。