ある中小企業経営者の独り言



平成30(2018)年9月、経団連が策定してきた「採用選考に関する指針」(俗にいう「就活ルール」)の今後のあり方について、議論が必要だとの認識が示されて以来、就活ルールの見直しに関する議論が行われてきましたが、このたび政府が新たな就活ルールを定めたとの報道がなされています。

2018年10月9日、経団連が「採用選考に関する指針」を廃止することを決定しました。そして昨日10月29日に2021年度新卒採用における具体的な方針が決定しました。


以下、少し古い情報ですが、…。参考まで。

 無名中小が新卒で優秀な人材を集める方法

 視点や戦い方を変えれば大企業とも伍せる 

清瀬 一人 : 共同システム開発 社長

 20160719

 

無名中小企業が狙うべき「新卒のタイプ」を把握する

 計画的に優秀な学生を採用するためには、まず自分たちが「どんな学生を狙うべきか」知っておくことが重要です。  

とても残念なことですが、一点の非の打ちどころもないようなエリート学生は、何の変哲もない中小企業にわざわざ就職しませんが、世の中には、能力はあるけれども、中小企業に就職する学生はいくらでもいます。 

それはどのような学生かといえば、次のような人たちです。 

 あまり就職活動に熱心ではない 

大学院に進学するつもりだった、海外留学するつもりだった、公務員(教員)を志望していた、起業したいと思っているなどの理由から、就職活動に熱心ではない学生が、毎年、一定数存在します。この種の学生には、ただ「就職活動をしていなかった」というだけで、能力的には、大企業に就職していく人と比べても、何の遜色もない人がたくさんいます。 これらの人たちは、ほかの学生の就職活動が終わってしまった大学4年生(修士2年生) の秋から冬にかけて出現します。

したがって、中小企業は春だけで採用活動を終わらせることなく、秋にも再び採用活動をするべきです。 

 志望先を限定しすぎて就職先が決まらなかった 

世の中には、(表現が適切ではないかもしれませんが)博打が好きな人とそうでない人がいます。博打が好きな人の特徴は、その思いの強さにあります。

本命しか受けないと決めていれば、普段出せない力が本番では出せるだろう、あるいは、自分の人生には妥協したくない、などと考えて自分を追い込んでいるのです。 博打が好きな人たちは、就職活動においても本命しか志望しません。

なにがなんでもキャビンアテンダントになるとか、テレビ局のアナウンサーになるとか、新聞記者になるなどといった夢を抱いて就職活動に臨みます。 

しかし、どんなに気合いを入れて臨んだとしても、つねに勝てるとは限りません。武運つたなく負けてしまったこれらの人たちが気付いたときには、ほかの大手企業の採用活動は終わってしまっているのです。これらの人たちも、秋の採用で拾っていくことができます。  

 

春採用よりも「秋採用」に力を入れる

一般に就職活動は、大学4年生(修士2年生)の春に始まって、夏までには終えるものだと思われています。

しかし実際には、秋になっても就職活動をしている学生も少なくありません。秋になっても「まだ」就職活動をしている学生という目で見れば、何だか「落ちこぼれ」のようでイメージが悪いのですが、中小企業にとってはそのような学生こそが「お宝人材」になります。 

無名中小企業は「秋の採用活動」に力を入れることで、優秀な学生をたくさん採れるようになります。 

その第一の理由は、「秋は採用活動をしている会社の数が春に比べて少ないので、競争が激しくない」ことがあげられます。

春に採用活動を行うと、他社との競争が激しくて、なかなか学生を獲得できないうえ、 内定辞退が多くて疲弊することがあります。

秋の採用活動では、そのようなことが少ないといえます。 

第二に、秋に就職活動をしているといっても、それは必ずしも「どこにも受からなかった学生ばかりではない」ということです。

就職活動自体から遠ざかっていた人もいますし、あるいは春の挫折と失敗をばねに一回り大きく成長した人もいます。

ポテンシャルとしては決して春の人材に比べて 見劣りするものではありません。  

第三に、秋に就職活動をしている学生は、「もう後がないので、内定を出してから辞退されることがない」のです。

春に就職活動をしている学生は、内定を出しても「考えさせてください」と言われて、結局、辞退されることが多いのですが、秋であればすくに内定受諾の返事をもらうことができるのです。  

 

インターンシップ」で優秀な学生を囲い込む

 新卒採用がうまくいっていない会社の多くは、社長があまり採用活動に関心を持っていない会社だと言われています。

もちろん、まったくの無関心というわけではないのですが、優先順位が低くて、部下に任せきりにしているのです。  

そのような会社はたいてい、良い人材を獲得することかができません。社長の顔が見えなければ、その企業の特色もまた見えないからです。

特色の見えない中小企業は、大企業に比べて規模が小さいだけで、何の魅力もない凡百の企業になってしまいます。 

「この会社の将来ために、きみの力が必要だ。成長のために力を貸してくれ」という口説き文句を言えるのは社長だけです。

一介の人事担当者には、それだけの動機も権限もありません。たとえむりやり口に出したとしても、うそくさくなってしまうのがオチです。 

インターンシップは、2時間や3時間の面接しかできない採用選考に比べて、学生の資質や適性を見極めるのに最適です。

また、適性を見るのみならず、自社をアピールするよい機会にもなりえます。 

なぜなら、知名度の低い中小企業としては、インターンシップは「採用広報活動」であり、インターンシップに参加した学生とコンタクトを取って、良い人材がいればフォローして勧誘につなげられる「採用選考活動」だからです。 

中小企業が採用活動で最も困ることは、「学生の間で知名度がないこと」です。

私たちが日常生活で、聞いたこともない会社の高額商品を買うことにためらいを感じるのと同様、学生も聞いたことのない企業に就職したいとは考えないのです。

しかし、実際使用してその効果がよくわかっている商品が買うでしょう。

同様に、インターンシップに参加し、良い印象を抱いた学生から、「会社の知名度」という障壁をぬぐい去ることができるのです。

中小企業が大企業と伍して採用活動の土俵に上がるには、まず会社について知ってもらって、知名度を上げなければなりません。

(出典:東洋経済新報社)


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