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ロボット需要減速?安川電機が再び下方修正

米中貿易摩擦が直撃、設備投資は様子見に

森田 宗一郎 : 東洋経済 記者
2019年01月19日

 産業用ロボットメーカーで、世界四強の一角・安川電機と、工作機械や産業用ロボットの中堅メーカー・不二越が1月中旬、相次いで下方修正や減益決算を発表した。1月10日に発表された安川電機の2019年2月期第3四半期決算(2018年9~11月)は、通期見通しの売上高を従来予想の4980億円から4820億円に、同営業利益を590億円から530億円へ下方修正。

昨年10月に続く、今期2度目の下方修正となった。前2018年2月期は約11カ月の変則決算だったため単純比較はできないが、従来予想から一転して営業減益となる。

日本電産会長が懸念 中国需要が急減「経営経験にない」

    2019年1月18日 朝日新聞記事

モーター大手の日本電産の永守重信会長は17日に記者会見し、2019年3月期決算の業績予想の下方修正を発表した。

米中貿易摩擦の影響で昨年11、12月に中国国内での需要が急減したとし、「これまでの経営経験で、見たことのない落ち込みだった」と語った。会見は東京都内で行われ、まず吉本浩之社長が中国での自動車向け部品の生産が「11月に30%落ち、12月も同じインパクトがあった」と説明。永守会長は家電向けの部品についても「30~40%落ちた」と語った。

 永守会長は「この変化を甘く見てはいけない。今からもっと悪くなったら、リーマン(ショック)に近いことになっていくのでは」とし、1月以降も厳しい環境は続くと予想。19年3月期の売上高予想を1兆6千億円から約1割減の1兆4500億円に修正した。営業利益は1950億円から1450億円、純利益は1470億円から1120億円と、ともに25%前後引き下げた。

売り上げの減少による減益に加えて、工場の統廃合に伴う設備の減損などの構造改革費用240億円も計上するという。  

  (栗林史子、中村光)


日本電産の永守重信会長、吉本浩之社長の記者会見での主なやりとりは次の通り。
 ――中国の家電向けモーターの状況はどうなっているか。
 永守氏「(昨年)11、12月は30~40%くらい落ちた。在庫調整の意味合いが強い

中国では省エネ家電に補助金を出すというニュースもあり、それで在庫が一挙にはけることもあるかもしれないが、いつはけるだろうか……。エアコン関連で4千万台ぐらいの在庫があると聞いている」

 ――中国の自動車向けはどうか。
 吉本氏車載向け全体で30%ぐらい落ちている。7月ぐらいからやや落ち始め、9、10、11月とさらに落ちた。

11月は生産ベースで30%減。12月も同じぐらいのインパクトがあった。EV(電気自動車)はまだ影響を受けていない

 ――急激な変化の要因は何か。
 永守氏「一番大きいのは在庫調整で、ドーンと止まっている。政治的な要因もある。少なくとも11、12月の落ち込

み方は尋常ではなかった」

 ――影響は長期化すると見ているのか。
 永守氏「それが分かったら、きょう修正していない。ドーン、ドーンと変化が起きたので修正した。

上がったら、また修正したらいい。自動車向けも『11月から戻る』と営業責任者が断言していたが、さらに落ちた。見抜けなかったのは、経営者として反省もある。相当に予想を超える形で落ち込んだ」

「リーマン・ショックの時は全体的にバーンと落ちたが、46年間経営していて、月単位でこんなにドン、ドンと落ちたのは初めて。過去に経験していることは予測がつくが、初めてのことは注意しなあかん。甘く見たらあかん」

 

 ――米中貿易戦争を戦略にどう織り込むか。
 永守氏「未来永劫この状況が続くかというと、中国はそんな国じゃないと思う。米国がどうのとか、中国がどうとか

いうのではなく、世界的に中長期で見て経営をやらないといけない。変えなきゃいけないものと、変えてはいけないものをきちっと区別しないと。横並びで、他もやってるからやらないといけないという考え方はない」


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