おがわの音♪ 第608版の配信


「教室のエアコン設置論」よりも重要なこと

 エアコンをつけるだけなら「非効率のまま」だ

 81日から「オガール祭り」というイベントが、岩手県紫波町で行われる(5日まで)。岩手と言っても、今年は連日30を超え、時に35前後にもなるほどの猛暑が続く。台風12号が列島を襲った7月末も、東京よりもよほど暑かったくらいだ。

その紫波町は盛岡市からJRで南に約20分。人口は約3万人だが、都市と農村の新しい結びつきを創造する公民連携のまちづくり「オガールプロジェクト」で、今やすっかり有名だ。

「補助金に頼らない地方創生のモデル」* として全国から見学に訪れる人も多い。

だが、実はこの地域で夏は涼しく冬は暖かい世界レベルの断熱効率」を誇る木造建築物がじわりと増えていることは、あまり知られていない。

* 地元の民間人が高い「パブリックマインド」をもち、町長はじめ議会も民間を信頼し、さらに自治体職員が手続きを含めて自治体法務と向き合って結実したプロジェクトだからこそできた成果と言えます。地方創生を考えるとき、「地方は弱っているから、政治や行政の力でどうにかしてもらおう」といった話が出てきがちです。しかし、それではうまくいかない、というのがこれまでの地域再生政策の結果だと思います。

単に助けてもらうのでは、再生はないのです。

何より、いつまでも国から地方へと権限移譲などといって、「主導権」と「税金」を奪い合ったりしているのは、もう諦めたほうがよいように思いますむしろ、地方で民間が金融機関と向き合い、知恵を絞って「公共施設や経済開発をセットにした、新たなプロジェクトを開発する」ほうが、よほど可能性があるということです。


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