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「AI」の定義

 AI(人工知能)の正式名称は「Artificial Intelligence」日本語では「人工的な知能(人工知能、AI)」で、人間の脳で行われている作業をコンピュータが模倣して、人間の自然言語の理解や論理的な推測、経験からの学習などをするプログラムのことを指します。しかし実際のところ、AI(人工知能)についての厳正な定義は存在していません。なぜなら、AIの研究者、博識者などによってAIの認識や解釈が違い、明確な定義が決まっていないからです。AI(人工知能)がどのように活躍していくのか、現状それが未知数であることも定義が決まっていない理由の1つでしょう。現在、皆さんが話に聞いたり、どこかで活用したりしているAI(人工知能)は、ドラえもんのようになんでもできちゃう汎用AI(人工知能)では無いんですよね。それはただ単に「各専門に特化したAI(人工知能)」であり、人間のような存在ではありません。私たちが期待しているような「ドラえもん」はまだまだ先の未来と言っていいでしょう。


 データ分析を武器とした経営に必要な備えは、「アルゴリズム」「知識」「アーキテクチャ」の3つです。ビッグデータ時代に成功していた企業は、この3つのバランスを取りながら自社の人材、マーケットにおける状況にあわせて、自社の強みを活かすことができる領域に対して重点的に投資を行ってきました。しかし、アルゴリズムの複雑化、データ量の爆発的増加、ハードウェア性能の相対的な不足等、今起きている変化によって、3つのバランスが崩れ始めています。これまで優位を保っていた企業も変化の波に飲み込まれ、競争環境、市場動向に大きな変化が生まれやすい状況です。具体的な事象として、大量データの中から価値あるデータを探索していたデータサイエンティストの存在意義が揺らいでいます。というのも大きな成果を上げているのは、ビッグデータとは言えない、いわばスモールではあるけれども知恵が詰め込まれたデータを扱う場合が増えているからです。

 

 AIが誰でも使えるようになってくる時代に、企業におけるAI活用方法はどのように変化していくのでしょうか。それは、活用する部署、企業の競争力の源泉や、利益をもたらす技術・ノウハウによって異なると考えます。例えば自動車業界における自動運転やインターネット広告における高度な行動分析など、AIの技術力がそのまま競争力となる製品・サービスを主商品としている企業では比較的影響は少ないと推測しています。なぜなら、このような企業はアルゴリズムそのものが製品価値であり、差別化要因であるため、独自かつ高度なアルゴリズム開発が必須となるためです。もちろん前述したツールを使うことも多々あるでしょうが、そこには専門的な知識を持った技術者が試行錯誤し、他者より優れた商品を開発しようとするはずです。しかし、そうでない分野、例えば営業活動の生産性向上のように、アルゴリズムそのものが製品価値につながらない分野では異なります。このような分野では、各人それぞれがAIを気軽に使い、頭にあるアイデアを素早く実現し、試行錯誤を繰り返すことによってこそ新しい価値が生まれます。このような場合、AIの技術面・独自性の重要性は下がり、各人が気軽に使えることが重要となります。


 第36版  人工知能のイノベーション、人工知能によるイノベーション

                  ~ AIの可能性と限界を考える
9月14日にNPO法人産学連携推進機構主催の講演@秋葉原で、AICOS2016(アキバイノベーションカレッジオープンセミナー)第5回が開催されました。 テーマは「人工知能のイノベーション、人工知能によるイノベーション~ AIの可能性と限界を考える ~」、講師は40年前からこの分野を研究し続けている第一人者で東京大学の中島秀之特任教授。 近年自動車の自動走行や世界最強の棋士を破った囲碁AIなどで盛り上がっていますが、そもそも「知能」の定義は、情報が不足した状況で(そこそこ)適切に処理する能力。
必要な情報がすべて揃って、処理アルゴリズムが決まっている場合は必ず答えが出るわけで、この分野で人間はコンピュータの速度に敵いません。よって訳の分からない時にAIと呼ばれていたものが、顔認識のように解明されて実用化されると単なるITになることもあります。
こういったもやもやした世界は日本人が得意とする分野であり、幾何学的配置のベルサイユ宮殿に対し、平面図では全く良さが分からないのに、実際その場に立つと見事に美しい桂離宮が好対照の例として挙げられました。 医療の例でいえば最新医学知識は、医師よりAIが多くても「注射は痛い」など無数の常識をデータ化するのは困難で人間の能力を天才が100、凡才が90とする時に、現状のAIは1か10という表現が興味深いものでした。その点で、インダストリー4.0で製造情報をデータ化して上手い処理技術が開発されてしまうと日本流の暗黙知的な技能の優位性が崩れる危険性もあります。日本が記憶とか計算とかAIが得意な分野だけ教育し、視点とかデザインとか、人間が得意な分野を教えているという問題提起がありました。


 第42版  人工知能が金融を支配する日

チェスや将棋よりはるかに複雑な囲碁で人工知能が勝つのはまだ先だと言われていたため、2016年、人工知能「アルファ碁(Alpha Go)」が囲碁の世界トップ棋士といわれるプロに勝った事件は世界に衝撃を与えた。この立役者となったのが、機械学習、深層学習といった近年の人工知能技術の急速な発展である。実は、その影響を一番受けるのが金融業界だ。
数字で構成される金融の世界は人工知能や自動取引と相性がよく、2010年、一瞬でリーマンショックを上回る株価下落を招いたフラッシュ・クラッシュ(瞬間暴落)の背景にこうした自動取引があったことは記憶に新しいが、実際に金融市場は既にロボ・トレーダーの独壇場になりつつあるという。 なお、日本はこの分野では世界に大きく後れている。                                                     
また、ヘッジファンドは人工知能のトップ研究者を IBMやアップル、Googleから次々引き抜いており、先進国の銀行支店は今後 10年で 30~80%削減されるとの予想もある。本書ではこうした金融業界の最先端を明らかにし、人工知能の発展により変わる金融業界の未来を見通している。著者は、旧東京銀行でトレーディングや資産運用に携わり、現在は金融シンクタンクの取締役として活躍する人物。
一読すれば、いずれあらゆる業界に波及する人工知能の破壊的影響力、人間が発揮すべき付加価値、近年話題のフィンテックの本質についてなど、多くの示唆がある一冊として金融業界関係者以外にも、是非ご一読いただきたい。

  表舞台と裏舞台の両方から変わる金融界
 私たちにとって一番心配なことは、裏舞台のテクノロジーが人知れず超強力になって、一握りの人たちの利益ばかりが増えることだ。もし、巨額の資金でトップ研究者をひきつけるヘッジファンドが新しい手法を開発し、その手法の存在さえも明かさずに独占すれば、残りの人類は利益を吸い上げられるばかりという状態に陥る。また、表舞台で技術の独占が起こる可能性もある。
例えば、世界中の個人や企業の信用分析について、ある一社だけが桁違いの量のビッグデータや優れた分析手法を保有し、他の金融機関はその会社のサービスに依存せざるを得なくなるような状況だ。そう考えると、金融界の未来には大きく 2つのシナリオがある。
悪いシナリオは、破壊的なテクノロジーが独占されて、一握りの人々が膨大な利益を上げるというもの。
一方、良いシナリオは、優れた技術が広く共有化されて多くの人々が利用できるようになることだ。
 資産運用や、信用リスク分析手法の情報が共有化された場合、現在のように個々の金融機関が競争を続ける意味が薄れ、公共的なサービスという色彩がより強くなるだろう。金融という仕事は、結局のところ、お金の価値という単一の尺度しかないからだ。
 例えば、自動車購入者が求める価値は外見や乗り心地など多様であり、自動車メーカーは多様な価値基準に応じた個性が発揮できる。これに対して金融の仕事は、運用なら安定してリターンを得る能力、融資なら信用リスクを見抜く力という 単一の基準に集約され、業者ごとに個性を発揮する余地がずっと少ないのだ。 日本の良いところは、技術を独占し世界の金融界を牛耳ろうという考え方がほとんどないことと、潜在的には市民的な公共意識が高いところである。
超強力なテクノロジーの出現の時代では、独り勝ちを避ける公共意識が重要なファクターになる。だとすれば日本がなすべきことは、アメリカのヘッジファンドのまねではなく、世界に負けない水準の独自のテクノロジーを作り上げ、それをできるだけ公共の目的で使用することにある。そのためには、既存の金融機関同士の利害関係などを超越した体制が必要だ。


 第76版  AI時代が到来!将棋も産業もこう激変する

AI時代はすぐそこまで来ているのか。
 コンピュータ的な発想を取り入れて、実戦で指している棋士も増えているという。
 先日のある対局ではスマホの将棋ソフトを使った不正疑惑も話題になったが・・・  

 https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4492970274/toyokeizaia-22?p=tk  


 第84版  「機械学習」革命――的中したビル・ゲイツの予言

「自ら学習するマシンを生み出すことには、マイクロソフト10社分の価値がある」。 米マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏は今から10年前の2004年2月にこう語った。その時は来た。米グーグルや米アップル、米フェイスブックといった先進IT企業は今、コンピュータがデータの中から知識やルールを自動的に獲得する「機械学習」の技術を駆使し、様々なイノベーションを生み出し始めている。

これらは来たる機械学習革命の、ほんの序章に過ぎない。機械学習の本質は、知性を実現する「アルゴリズム」を人間の行動パターンから自動生成することにある。この事実が持つ意味は、果てしなく大きい。今後、実社会における様々な領域で「人間の頭脳を持つプログラム」が登場する一方、データの中から 知識やルールを見つけ出したり、プログラムを開発したりするデータサイエンティストやプログラマーの    仕事が、機械に置き換えられてしまうからだ。機械学習は社会や企業にどんな革命をもたらし、IT関係者の役割や活動の場はどう変わるのか。猛スピードで進行する革命の本質に迫る。 


 第111版  ホンダ・グーグル、完全自動運転「提携」の意味

   2016年12月27日

これまで完全自動運転の開発に言及してこなかったホンダが、大きな一歩を踏み出すことになりそうだ。ホンダの研究開発子会社である本田技術研究所と、米グーグルを傘下に持つ持株会社アルファベットの子会社「Waymo(ウェイモ)」は、完全自動運転車の共同研究を行う方向で覚書をかわし、実現に向けた検討を始めた。ホンダが提供する車両にウェイモのセンサーやソフトウェア、車載コンピューターなどを搭載し、公道試験を米国で始めるべく協議を進めている。


 第137版  AI記者に生身の記者が勝負を挑んでみた

                                                                              2017年2月3日(金)   
 日本経済新聞でAI(人工知能)記者が1月にデビューした。企業決算が発表されると、わずか2分で速報ニュースを流すことが出来る。業績ニュースを皮切りに、将来的にはあらゆるテーマに関して、AI記者が記事をまとめる時代が訪れるかもしれない。人間の記者の仕事を奪う脅威となるかもしれないし、仕事の負担を減らしてくれる強力なパートナーとなるかもしれない。なにはともあれ、現時点でAI記者がどれほどの力量を持つのか。昨年まで日経新聞で業績記事を書いてきた記者が勝負を挑んでみた。 決算シーズンまっただ中の、2月1日に三本勝負を行った。記者が記事を書く際に参考にするのは、AI記者と同様に企業決算を記した決算短信のみとする。さあどうなるか。 


 第264版  ブロックチェーンに懸けるトヨタの深謀

「GoogleもUberもいらない未来」。

トヨタ自動車傘下で最先端の研究開発を手掛ける米Toyota Research Institute(TRI)社の将来ビジョンを一言で表すとこうなる。同社は2017年5月、自動運転車の開発に使う走行データの取引市場やカーシェアリングの運用などに、「ブロックチェーン」技術の適用を検討すると発表した。目標はこれらのサービスを、第三者の介在なしに実現することである。


 第272版  ビッグデータ、AI、ブロックチェーンを活用、インフラは適材適所で。

 みずほ銀行が取り組むFINTECHの今

 ここ最近、急激に耳にするようになった言葉の1つに「FinTech」がある。これはFinance(金融)とTechnology(技術)を合わせた造語だ。今、金融業界ではクラウドやビッグデータ、AI、ブロックチェーンなどの技術を活用し、ITによるデジタル変革を積極的に推進し始めている。

ガートナーが主催した「ITインフラストラクチャ & データセンターサミット 2017」(428日開催)では、みずほ銀行 IT・システムグループ専門役員 加藤 昌彦氏が登壇し、みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほ)の中期経営計画にある戦略の1つ「FinTechへの対応」ほか、最先端技術への取り組みについて説明した。


 第302版  AIに奪われるだけじゃない!技術革新で生まれてきた「新しい職業」5選

   「新しい職業」とは何か? それはここ5年ぐらいで新しく生まれてきた職業のことです。最も目につくようになったのは「YouTuber」ですが、それ以外にも多くの新しい職業が生まれつつあります。今回はその代表的な職業を5つ、紹介します。あと、10年もすれば、AI革命によって今の既存の職業の半数はなくなると言われています。「将来は○○になりたい!」と思って勉強してきた子どもたちが、いざ就職する時には目指していた職業がなくなっているという事態に直面してしまうのです。こういう状況を踏まえると、現在の「学校教育」は、完全に空振りに終わってしまう可能性が高いと感じます。失われていく職業に目を向けるのではなく、これから生まれてくる職業に目を向けて、人生を切り抜けていきましょう!

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第306版  人工知能(AI)は敵か、それともブラック労働から私たちを救う解放者か?


 第323版 深層学習に3つの課題、トヨタ参加の新協会が挑む打開策

 エヌビディア、ABEJAなどのIT関連企業11社と、東京大学大学院の松尾豊 工学系研究科 特任准教授など人工知能(AI)技術のディープラーニング(深層学習)の研究者が2017104日、「日本ディープラーニング協会、JDLA)」の設立を発表した。

ディープラーニングの活用促進や、3年間で3万人の技術者育成などを目標に掲げる。協会の理事長には松尾氏が就任した。 同協会で目を引くのが、トヨタ自動車が賛助会員として参加したこと。トヨタの参加が象徴するように、JDLAの松尾理事長は、製造業でディープラーニングの本格活用が進むことを期待している。「ディープラーニングはものづくりと相性が良い。今後の日本の産業競争力にとって非常に重要だ」(松尾氏)。 


第352版 ソニー、12年ぶりに「アイボ」復活--先端AI搭載、いぬ年1月11日に19万8000円で

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第357版 アマゾンのAIスピーカーが最強といえるワケ

    アマゾンは118日、AIスピーカー「Amazon Echo」を来週から日本で販売を開始すると発表した。小型版の「Amazon Echo Dot」、スマートホームのハブ機能を持つ「Amazon Echo Plus」を加えた3モデルのラインナップとなる。価格は主力モデルとなるEchoが、他社製品よりも約2000円安い11980円に設定されているほか、最廉価のEcho Dot5980円と安く、購入しやすい。都内で開催された発表会には多くの報道陣が駆けつけ、会場はすし詰め状態になった。メディア側の期待の大きさが伝わる発表会だったが、アマゾンが説明するように日本語と日本の文化、ライフスタイルを理解したアシスタントとしてどこまで上手に機能するかは、来週の発売以降を待たねば本当のところはわからない。ハードウエア、およびアマゾンのAIアシスタントに対応するパートナー企業製のスピーカーはいずれもすでに海外では発表・販売されているもの。そうした意味では、注目点は日本語への対応や、日本でよく使われているアプリケーション、サービスなどとの連携にフォーカスが移る。今後のお手並み拝見……といったところだが、筆者は別の視点から発表会に注目していた。それはライバルと比較した、アマゾンの立ち位置の特殊性だ。


第373版 AIの発達をこのまま市場に任せてよいのか

   人類にとって「憂鬱な未来」か「豊かな未来」か 
※『デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか~労働力余剰と人類の富』(東洋経済新報社、2017)  

日本経済は人手不足の様相を強めている。失業率は20179月には2.8%に低下し、特に有効求人倍率は1.52倍と、バブル期のピークだった19907月の1.46倍をも超える高さだ。団塊世代が65歳を超えた20122014年以降も、毎年150万人を超える人が65歳を迎えて年金生活に入っていくのに対して、15歳を迎える人口は120万人に満たず、毎年30万人以上ずつ生産年齢人口が減少していく。 今後も高齢化による労働力の減少が続き、高齢者や女性の労働参加を考慮しても、しばらくの間は労働需給がさらにひっ迫するだろう。しかしもっと先を考えると、AI(人工知能)の進歩で機械が人間の行ってきた仕事を担うようになるという動きが加速し、人間の仕事はなくなっていき、世界的に労働力過剰という事態が出現する可能性がある。『デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか~労働力余剰と人類の富』(東洋経済新報社、2017)で、著者のライアン・エイヴェントは、コンピュータは蒸気機関や電気と同様の汎用技術でとてつもない力を持ったものであることや、デジタル革命は人類に多大な恩恵をもたらすので後戻りできない流れであることを指摘し、社会が直面する課題を論じている。以下ではこの議論を参考に影響を考えてみたい。  


第388版 翻訳AIの進化でこれ以上の英語学習は不要?

 翻訳AI(人工知能)の技術が急速に進化している。ビジネス会議で同時通訳をしてくれる世界が目前に迫っている。

英語を話すのが苦手な日本人にとっては朗報だが、そうした世界ではこれまでとは全く異なるコミュニケーションの力も必要になりそうだ。AI時代に必要な英語力や英語学習のやり方はどのように変わるのか。


第401版 理想の姿は「適材適所で連携」、AIも人間と同じ 

音声対話機能を搭載するAI(人工知能)スピーカー(スマートスピーカー)が続々と登場するなかで、独自のコンセプトに基づく製品で再び注目を集めている企業がある。

ロボット型携帯電話「RoBoHoN(ロボホン)」や、同社製スマートフォン(スマホ)に標準搭載する音声アシスタント「emopa(エモパー)」、調理家電「ヘルシオ」シリーズなどの「しゃべる機械」を開発しているシャープだ。これらの共通点は、ユーザーのことを知って学んでいく“相棒”のような存在であること。同社製品の設計思想や、人と機械とのコミュニケーションのあり方について、「ロボホンの母」こと景井美帆氏(シャープ IoT通信事業本部 コミュニケーションロボット事業統括部 市場開拓部長)と、エモパーの開発を手掛けた宇徳浩二氏(IoTクラウド事業部 プロダクトソリューション開発部長)に話を聞いた。


第421版 フェイスブックのAIがぶち当たった「限界」

   最先端でも子どもの学習能力には勝てない

各国の大企業がこぞって独自開発し、活用に乗り出すAI(人工知能)。日々、膨大な量の写真や動画が投稿されるフェイスブックも、プラットフォーム全体の健全性を維持するのにAIをフル活用しているほか、すぐにはビジネスに結び付かないような先端研究にも力を注ぐ。

今のAIには何ができて、何ができないのか。AIはこの先、どう進化するのか。同社の学術的研究を担うチーム「Facebook AI Research(フェイスブック 人工知能研究所)」のエンジニアリング・マネージャー、アレクサンドル・ルブリュン氏に最前線の研究について聞いた。 


第437版 AI導入でリストラが進みやすい上場企業ランキングを初算出!

 『週刊ダイヤモンド』210日号の第1特集は、「企業も個人も生死を分けるAI格差」です。 

AI革命によるリストラがにわかに進み始めました。 

3メガバンクが3万人超の削減を打ち出し、損保大手も営業事務の9割自動化を決めました。日本企業のAIサバイバルがいよいよ本格的に始まったのです。個人も際限なき格差拡大の危機にさらされています。企業も個人も、あらがいようのないAI革命に対応できるか否かで生死を分ける「AI格差」時代の到来です。  


第445版 AIは開いた世界で力を失う、弱点を補う人間の存在

実際のAIArtifical Intelligence)の研究が始まったのは1956年に開催されたダートマス会議からといわれている。それから第1次ブーム(1950年~1960年)が始まり、現在まで約60年の歴史がある。

 AIには「強いAI」と「弱いAI」がある。強いAI」は単独で人間と同等のAIを目指すもので、どちらかというと科学的思考性が強い

多くの研究者は強いAIを目指すが、うまく研究が進まないため、特定の分野で人間のタスクを支援する知的システムである「弱いAI」へと移るケースが多い。ただ、一部にはまだ汎用人工知能(AGI)への注目も残されている。シンギュラリティ(技術的特異点)など、2045年には人間を凌駕(りょうが)するAIが出現するという予測もある。

  山田氏はAIについて「研究として目指しているのは、人間並みの知的な処理をコンピュータ上に実現することだ。 コンピュータ上ということはプログラミングに書くことであり、プログラムに書けるということは、どういう手続き、処理を行っているかということが、人間が言語のかたちで記述できるかどうかということだ」とかみ砕いて表現する。 


第456版 ディープラニングが変える組込みAI活用の最前線

 

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第462版 AI活用に向けてやるべきは、「得意なものと不得意なものを押さえること」

「これまでは時間帯や場所などの軸で仕事を分類してきた。これからは新たな分類の軸として、『人工知能(AI)にやらせることができるのか、AIにはできないことなのか』という着眼点が加わる。だから、AIが得意なことと不得意なことを理解しておくことが大切だ」。ガートナー ジャパンが開催した「ITインフラストラクチャ&データセンターサミット2017」では426日のゲスト基調講演に、人工知能学会会長の山田誠二氏が登壇。「人工知能の現状認識と未来への提言」と題して講演した。山田氏はまず、ガートナーが20169月に作成した「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2016年」を提示し、AIが過度な期待のピーク期にあることを紹介。いま、まさにAIがブームとなっていることを裏付けた。

講演の前半では、AIの目標を「人間並みの知的な処理をコンピュータ上で実現すること」と説明し、AIの歴史をひもといた。AIのアプローチには、「強いAI」(単独で人間と同等のAIを目指す)と「弱いAI」(あくまでも人間をサポートする知的システム)の2種類があり、歴史的には強いAIを目指したものの、難しいことから弱いAIへ移行している。 「『AIが人間を代替する』というように対立を煽るのはよくない」と山田氏は指摘する。「どう考えても、生物である人間を超えることはまだない。AIは単なるプログラムである』という基本的な理解が必要だ」(山田氏)        


第464版 中国の最先端AIが作り出す戦慄の未来社会

 まず、技術的に追い抜かれる可能性が現実的になってきた。さらに中国が先端AIで優位に立つことの影響は、軍事にまで及ぶと予測されている。個人データの利用に寛容な中国の特異な社会構造が、AIの開発に有利に働いている。中国では、究極の監視社会が実現しようとしている。これは個人の自由に対する深刻な脅威になる。「今後5年間は、アメリカがリードできるが、すぐに中国が追いついてくる」。こう述べたのは、グーグル元CEOのエリック・シュミット氏だ(Business InsiderMail Online参照)。その中国のAI技術の高さと恐ろしさを象徴しているのが、顔認証技術だ。電子マネー「アリペイ」を運営するアント・フィナンシャル(アリババの子会社)は、20179月、顔認証だけで支払いができる新決済システム「スマイル・トゥ・ペイ」を導入した(TechCrunch参照)。  


第500版 AIがAIを「だます」ことで賢く成長

 学習プロセスを加速、弱点を補う「敵対的生成ネットワーク」

  AI(人工知能)は多種多量なデータを「深層学習」することで賢くなる。この学習プロセスを加速し、弱点を補えるのが「敵対的生成ネットワーク(GAN)」だ。 敵対するAIを「だます」ことで賢く成長し、従来のAIにはない「想像力」を獲得する。(日経ビジネス201825日号より転載)  

実在するセレブの写真を基に「存在しそうなセレブ」の画像を大量に作り出す──。米半導体大手エヌビディアがユーチューブで公開した動画が、注目を集めている。  AI(人工知能)の新技術である「敵対的生成ネットワークGAN)」の威力を見せつけたからだ。 エヌビディアが用意したのは約3万枚の顔写真。これをAIに読み込ませると、別のAIとの知恵比べが始まった。 片方のAIが目や口などのパーツを微妙に変えた画像を作ると、もう一方のAIはその画像が本物かどうかを判定する。AIが生成した偽の画像だと見破られた場合は失敗原因を分析し、新たな画像を生成して再挑戦する。最初は顔がゆがんだり肌の色が不均一になったりして、明らかに不自然な画像になったが、試行錯誤を続けることで精度が向上。20日程度すると「いかにもセレブ」な雰囲気を持った画像をAIが生成できるようになったという。  

「敵対」するAI同士が切磋琢磨し、お互いの能力を高められるのがGANの最大の特徴だ。あるAI研究者は「学会では2017年、GANが最も話題に上る技術だった」と語る。昨今のAIブームの主役である「ディープラーニング(深層学習)」の弱点を補えるからだ。AIを成長させるためのデータを、実世界だけではなく、コンピューター上の仮想空間からも獲得できるようになる。


第547版 2020年代に「AI大量失業時代」が到来する理由

  米国は失業率10%超に、日本も雇用悪化へ? 

新しく価値あるモノはその普及期に入ると、爆発的な伸びを見せながら広まっていきます。たとえば、スマートフォンは2007年に誕生してから10年あまりが経ちましたが、その先駆けとなったアップル社のアイフォーンは最初の5年間の販売台数が平均して前年比2倍超に伸びていたのです。 


 第550版 ガートナー「AIがビジネスの成否を分ける」--なぜITがAIを学ぶのか

 機械学習、深層学習などの人工知能に分類される技術がブームだ。 「デジタル世界で成功するためにITリーダーはAIを習得しなければならない」というのはGartnerのリサーチディレクター、Chirag Dekate氏、ITが人工知能(AI)を理解しているかどうかが企業の業績を大きく左右するという。 Dekate氏はガートナー ジャパンが4月末に都内で開催した「ガートナー ITインフラストラクチャ、オペレーション・マネジメント&データセンター サミット 2018」で、AI時代に向けたデータセンター戦略について、なぜITAIを理解する必要があるのか、IT担当がAIでやるべきことを助言した。


第556版 AI」だけでは未来は創れないといえる理由

 技術が進歩しても敵わない人間だけの能力 

AIは万能ではない――この考え方を筆者は大前提としている。

AIについて書く前に、簡単に筆者の紹介させてほしい。私は今から17年前に新卒で米国投資銀行に入社し、トレーダーという仕事でキャリアをスタートさせた。2000年代初頭の当時は、業界全体でトレーダーの仕事を自動化するためのシステム開発に乗り出していた時期であったが、当時のシステムは、まだまだAIと呼べるレベルの代物ではなかった。実際、自動売買システムは、トレーダーのアシスタント的存在で、重要な取引は「人間の」トレーダーが行っていた。その後、システムに本格的にAIが組み込まれ始め、パフォーマンス的にも人間を凌駕するようになっていった。実際、2008年時点では、多くの自動売買システムにAIが組み込まれていたと考えられる。にもかかわらず、多くの証券会社が20089月に端を発したリーマンショックで 巨額損失を出した。   それはなぜか? そこにAIの弱点を理解する鍵があると筆者は考えている。


第571版 グーグル社員の猛抗議が問う「軍事AI」の是非

AI活用原則を発表、国防総省と契約更新せず     2018年06月12日

「グーグルは戦争ビジネスにかかわるべきではない」「この計画はグーグルのブランドや採用競争力に対し、取り返しが付かないほどのダメージを与える」「われわれの技術の道徳的な責任を第三者に委ねてはならない」米IT大手グーグルで今春、社員の間で回覧されたスンダー・ピチャイCEO宛ての書簡にはこうした文言が並んでいた。同社のクラウド部門が昨年9月に米国防総省と結んだ軍事用無人飛行機(ドローン)向けのAI(人工知能)開発契約、通称「プロジェクト・メイブン」に対する反対運動である。米メディアによれば、4000人を超える社員がこの書簡に署名したほか、一部社員が辞職する事態に発展した。