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「世界最大債権国」日本、直接投資急拡大の必然

  「円」が最強通貨である理由と代償

    20180604日    唐鎌 大輔 : みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト

イタリア危機が冷めやらぬ中、例によって為替市場における「安全資産としての円」を求める動きは健在である。この論点に関しては賛否からいろいろな議論がありうるが、最も説得的なデータが525日、財務省から発表されているので取り上げておきたい。財務省が明らかにした2017年末の「本邦対外資産負債残高の状況」によれば、日本の企業や政府、個人が海外に持つ資産から負債を引いた対外純資産残高は、前年比マイナス2.3%の3284470億円と3年連続で減少したものの、27年連続で世界最大の対外債権国という座を維持している。海外投資家による対内証券投資が急増したため負債項目が膨らんだことが純資産を押し下げたが、資産側もクロスボーダーM&Aや海外株式投資を中心として対外直接投資や対外証券投資が前年比で大きく増加している。政府債務が先進国中最悪の状況にあっても「安全資産としての円」の地位が揺らいでいないのはこうした対外債権国としての盤石のステータスが評価されているからにほかならず、まさに本領発揮ともいえる計数である。だが、日本の抱える対外純資産をめぐってはそれを構成する項目と主要国と比較した際の相対的地位に近年大きな動きが見られるので、この点を詳しく議論してみたい。

 


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