中国自動車業界は年明け早々から「死に急ぐ」価格戦に突入した
2025.01.17
by 『CHINA CASE』
中国の自動車市場は年初である春節を迎えるこの時期から価格戦が始まるのが通例で、今年もそれは変わらないようです。
日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』が、2025年早々の価格戦についての情報を紹介しています。
中国自動車市場は25年早々から価格戦、300万円以上も値下げも
中国自動車市場は2025年早々から価格戦が始まっている。
年初、そして春節を迎えるこの時期から価格戦が始まるのは異例ないこと。
それだけ、2024年から続けられてきた熾烈な競争を受け、2025年に危機感を持っているメーカーが多い表れだ。
中国勢、新興、そして合弁、ラグジュアリーまで、新春バーゲンをしていないところはなく、これで本当に持続可能なのか、改めて考えさせられる。誰もが死に急ぐ「巻き」の中国自動車業界の状態は、2025年も健在のようだ。
Cheryがけん引
中国勢では奇瑞(Chery)の捷途(JETOUR)が展開しているSUVシリーズ「山海」で、4万元(約80万円)の値引きを展開。
2024年のCheryは格安ガソリン車の輸出を梃に、販売台数を急増させたが、JETOURの存在感はいまいちだ。
山海L6~L9という、理想(Lixiang)のラインナップと製品名をもろパクリしているJETOURだが、ただでさえ安い山海L6~L9を4万元も値引きして大丈夫なのか、他人事ながら心配になる。
BYD、Geelyも
Cheryは「星途(EXEED)」でも3万元の値下げをしており、また、吉利(Geely)もやはり3万元、BYDは2.5万元の値下げを断行している。GeelyもBYDも、売れていないわけではなく、むしろ販売好調なのに、値下げ合戦に積極参戦しているところが、中国の「巻き」の実情。
テスラ、ARCFOXなど
これら従来メーカーがここまで積極的であれば、あまり値下げをしないイメージの強い新興も追随せずにはいられない。
テスラは中国において、引き続き自動車ローン利息0%を継続、また、1万元の値引きを行っている。
今後3年で販売5倍増を目標に掲げる北汽集団の「極狐(ARCFOX)」は、政府による刺激策が出ない前提かつ期間限定ながら、実に5.8万元(約120万円)の補助金を用意。長安の「阿維塔(AVTAR)」も2025年2月11日、つまり春節明けまでを目途に4.4万元のキャッシュバックを実施する。
蔚小理も参戦
Lixiangも引き続き、自動車ローン3年間利息0%を実施、その上で1.5万元分のポイント還元を行う。
やはり自動車ローン利息0%を展開するところが多く、蔚来(NIO)やそのサブブランド「楽道(ONVO)」もそれに倣う。
小鵬(Xpeng)は1万元のキャッシュバックの他、888kW分の充電カード贈呈。LEAPはおそらくは車種別に5000~1万5000元のキャッシュバックを行う。
VWやトヨタも
合弁も例外ではない。と言うより、危機感はより強いだろう。
上汽VWは実に6万元(約120万円)の値引き、一部モデルのエントリーを8万元まで引き下げた。一汽VWも指定モデル限定ながら2.7万元の値下げを行う。
トヨタが値下げ?と日本人だと首をかしげる方も多いかもしれないが、トヨタも負けていない。
一汽トヨタでは販売開始、好調の新型プラドを3万元値下げ、広汽トヨタはカローラクロスの広汽トヨタ版、フロントランダーを込々でやはり3万元値下げ。さすがにトヨタは車種をかなり限定する形にしているが、フロントランダーはエントリー12万元程度だから、実質10万元を切ることになる。
LUXも積極的に
ジャガーに至っては、最大17万元(約340万円)の値引きを行う。対象は中大型セダンの「XLF」で、そのエントリーは26.98万元(約540万円)となる。
昨年のジャーマン3による、主に新エネルギー車(NEV)の叩き売りを彷彿とさせるが、この「XLF」はCheryとの合弁で生産している。先述のようにCheryはそもそも値引きに積極的だ。ジャーマン3の中でもアウディも今回の価格戦に参戦。ガソリンの小型SUV「Q2L」で5.1万元(約120万円)値引きし、エントリーは実に13万元(約260万円)台となる。いずれも期間限定ではあるが、もはやバグり方が半端なく、なかなか理解が追いつかない状態だ。
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