「特需」に期待の北海道
by モノづくり総合版 メールマガジン
2025/01/09
新千歳空港に着陸する際、すぐそばでRapidusが建設中の工場「IIM-1」が飛行機の中からも見えます。
半導体業界に通じていない人にとっても「大きな半導体工場ができる」というのは大ニュースで、北海道は盛り上がっています。
新聞やテレビでも毎日のように経済効果や人口増への期待が取り上げられ、「TSMCは知らないがRapidusは知っている」という人も多いです。
北海道新産業創造機構の試算によると2023年度から14年間での北海道への経済波及効果は約19兆円にものぼるそうです。業界内での注目度の高さも相変わらずで、2024年12月に開催された「SEMICON Japan 2024」のRapidusブースは多くの来場者でごった返していました。各展示会を取材しているとRapidusブースはほとんどの場合、モノを展示するのではなく工場建設の進捗状況などをパネルや映像で紹介している印象でしたが、今回はIBMと共同で試作した2nmのGAA(Gate All Around)ウエハーを展示していました。同月にはIIM-1にASMLのEUV(極端紫外線)露光装置「NXE:3800E」を搬入/設置したことも発表するなど、2025年4月のパイロットライン稼働に向けて着々と準備が進んでいるようです。
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Rapidusは世界最先端のロジック半導体製造を目指していること、それを「世界最速のサイクルタイムで顧客に届ける」というチャレンジングな目標を掲げているということ、国からも大きな支援を受けていることなどから、大きな期待と懸念の両方を寄せられている企業だと思います。
先端半導体を国内で生産することの重要性について、仕事の中ではサプライチェーンの安定や経済安全保障といった視点から考えることが多いですが、休暇中に地元に帰って「ただの北海道人」になってみると、地域の活性化のためにもぜひ成功してほしいと感じました。過疎化が進む地域にとって、多くの企業や人が集まり世界に通用する製品が生産されるという希望はとても大きなものです。
TSMCの熊本第2工場も、1〜3月に建設が始まる予定ですね。第1工場の建屋は着工から1年8カ月という驚きの速さで完成したことも話題となりましたが、第2工場も順調に進んでほしいです。
※) 記事抜粋
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