静かな殺し屋「サイレントキラー」という言葉をご存知ですか。
静かに、症状を現さずに体を蝕んでいくためこの名前が付いたのですが、高血圧はそのサイレントキラーの別名を持ちます。
高血圧は自覚症状がほとんどなく、健康診断や人間ドックで指摘されて気づく方がほとんどです。
自覚症状がないため軽視されがちですが、高血圧は動脈硬化を引き起こし、放置してしまうと徐々に進行して脳梗塞や脳出血、狭心症や心筋梗塞、腎機能低下による人工透析などが合併症として起こる恐れがあり、最悪の場合には命に関わる場合もあるのです。
高血圧とは
血圧とは動脈が流れるときに血管の内側にかかる圧力のことを言います。
「上の血圧」とは心臓が収縮して血液を送り出す時の血圧のことを言い、収縮期血圧(最高血圧)とも言います。
「下の血圧」とは心臓が拡張した時の血圧のことを言い、拡張期血圧(最低血圧)とも言います。
収縮期血圧/拡張期血圧のどちらか一方、または両方が 140/90mm Hg 以上が続くようであれば高血圧と診断します。
また、リラックスできる環境で測定する家庭内血圧では 135/85 以上が続く場合、高血圧と診断されます。
高血圧の治療
高血圧と診断されたら、まずは是正するべき項目がある場合には食事や運動などの生活習慣の見直しを行います。
そこで改善がなかった場合には飲み薬による治療を導入します。
生活習慣の見直しをされている方は、これからお話しする 5つの食品をどのくらい摂取しているかチェックしてみて下さい。
毎日多く摂取している場合には控えることで、高血圧が改善されるかも知れません。
食べてはいけない食べ物 その➀ 加工肉
塩分(Nacl)の多い食事は血圧を容易に上げてしまいます。
塩分(Nacl)の中のナトリウム(Na)が血液中に多く含まれるようになると、上昇したナトリウムを下げるために、体は水分を引き寄せる働きをします。
その結果、血液中の水分が増え、血液量も増えて循環する血液量が増加します。
血液量が多くなると血管の内側の壁にかかる圧力が強くなって高血圧に繋がるという訳です。
ハムやソーセージ、ベーコンなどの加工肉は⻑期保存が可能となるように多くの塩分や保存料が入っています。
そのため、これらの食品を多く摂取している場合は高血圧へと繋がるリスクとなります。
加工肉は IARC(国際がん研究機関)が発表した「発癌性がある」とした群(タバコの煙、アスベスト、ダイオキシン)の中に含まれているのをご存知ですか?
これはソーセージやベーコンなどを⻑期保管するために使用される添加物に発癌性があるとされているからです。
大腸がんを例に上げてみると「加工肉を1日50g 以上摂ると大腸がんのリスクが 18%上昇する」というデータがあります。
スーパーなどで見かけるソーセージが 1 本約 20g という事を考えると少し怖いですね。加工肉をたくさん食べることは糖尿病にも繋がります。
加工肉はお弁当に入れたり、手軽に1品となったりするため非常に便利なものではありますが、多くの塩分を含んでいるため、毎日摂取することは控えた方が良さそうです。
食べてはいけない食べ物 その➁ アルコール
アルコールの飲み過ぎも高血圧に繋がります。
少量のアルコール摂取は血圧を下げる作用がありますが、過度のアルコール摂取は血圧を上げてしまうことが多くの研究で分かっています。
また、飲酒の際におつまみとして摂取するものは塩分が多く含まれている事も高血圧に繋がる一因とも言えます。
アルコールは適正な量を摂取するようにしましょう。アルコールの飲み過ぎは肥満にも繋がります。
食べてはいけない食べ物 その➂ カップ麺・冷凍食品
カップ麺や冷凍食品はとても便利であり、多くの方が利用していると思いますが、実は多くの塩分が含まれています。
1 日の目標塩分量は男性 7.5g 未満、女性 6.0g 未満とされており、高血圧の予防・治療のためには1日 6.0g 未満とされています。
一般的なカップ麺には約 5g の塩分が含まれていますので、それだけで 1 日の目標塩分量の多くを占めてしまいます。
1日の中ではこれ以外の食事でも塩分を摂取しますので、過剰になってしまいます。
便利なカップ麺ですが、たまに食べる程度にして、食べる際には塩分が多く含まれているスープを飲まないようにするなど工夫が必要です。
また、実は冷凍のお弁当や惣菜などにも注意が必要です。
唐揚げやチャーハンなどは味が濃くて美味しいという反面、多くの塩分が含まれている場合があります。
パッケージの裏側に塩分量など栄養成分標示が記載してありますので、男性7.5g、女性 6.0g という目標塩分量と比較してみると良いかも知れません。
食べてはいけない食べ物 その➃ コレステロールが多い食品
脳梗塞や狭心症などの原因となる動脈硬化ですが、高血圧の他、脂質異常症も危険因子の1つとして挙げられます。
血液中にコレステロールが増えすぎると、余分なコレステロールが血管の壁に張り付いてプラークというかたまりを形成し、動脈硬化を引き起こします。
高血圧症と脂質異常症が合併すると動脈硬化が早いペースで進行してしまうため、高血圧の方は脂質についても十分に注意する必要があります。
卵、レバー、明太子、シュークリームなどはコレステロールが多く含まれていますので、食べ過ぎには注意が必要です。
また、食物繊維はコレステロールを下げる働きがありますので、海藻類やキノコ類、野菜などは積極的に摂取するようにしましょう。
ちなみに牛乳はコレステロールが多いイメージがあると思いますが、研究結果によると1日 600ml 以下であれば問題ないという研究結果が出ています。
さらに、牛乳に含まれる良質なタンパク質が血管の壁をきれいにするというデータも出ていますので、適量を飲むのであれば問題ないと言われています。
食べてはいけない食べ物 その➄ 清涼飲料水
糖分が入った清涼飲料水を毎日飲んでいるという方も注意が必要です。
甘い清涼飲料水を頻回に飲んでいると糖尿病に繋がるというデータが出ており、2010 年にダイアベティスケアという雑誌に載った論文によると
「清涼飲料水を1日 1 回以上摂る方は糖尿病の発症リスクが 26%以上上昇する」と発表しています。
なぜ糖尿病の話をするのかと言いますと、糖尿病も動脈硬化に繋がるからです。
糖尿病とは血液中の血糖値が高い状態を言いますが、この状態は血管を傷つけ、動脈硬化の原因となってしまいます。
高血圧に糖尿病が付随すると、さらに動脈硬化を加速させてしまいますので、そのリスクは極力避けるべきです。
ジュースや炭酸飲料、スポーツ飲料などは多くの糖分を含んでいるものが多いため、毎日飲んでいるという方は他の生活習慣病を防ぐためにも改善が必要です。
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