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「考える力」を最大限引き出すためのノウハウとは?

2024.07.17

 by 毎日3分読書革命!

新しいアイデアを生み出すためには、その思考法が重要ですよね。

今回、土井英司さんが、大人気の東大教養学部の特別プログラムを一冊の本にした「新しいことを考えるための一冊」を紹介。 



【独創力を鍛えるための良書】⇒『東大教養学部が教える考える力の鍛え方』

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、マーケティングの殿堂・ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院でMBAを取得し、博報堂ブランド・イノベーションデザインを立ち上げ、東京大学教養学部でも教鞭をとる著者が、その人気授業を書籍化した一冊。

ベースとなっているのは、「考える力を鍛える教室」(通称「ブランドデザインスタジオ」)としてスタートした東大教養学部の特別プログラムですが、これが評判となり、受講できない学生や他大学から申し込みが殺到したそうです。

本プログラムの核となるのは、著者が「リボン思考」と呼ぶ3ステップの思考法。

事実について考える(インプット

解釈について考える(コンセプト

解決策について考える(アウトプット

という、「新しいことを考える」ための基本の型が紹介されており、なるほどこれは必読の内容です。

できれば学生時代、遅くとも20代のうちにはマスターしておきたい、思考法の基礎が書かれています。

インプット時の「問い」を変化させる切り口、「問い」の4つの種類、プロのマーケターがやっている調査方法

「インプット」に関する部分だけでももう充実の内容です。

「コンセプト」の部分では、コンセプトづくりのための切り口、著者が博報堂で関わった、眠りに特化したホテル、「レム」の事例などが紹介されています。

「アウトプット」では、通常のブレインライティングをアレンジした、東大BDS流「ブレインライティング」のやり方や「チェックリスト法」、「ランダムインプット強制発想法」などが紹介されています。

実際の授業のケースや、そこから生まれたアイデアなども紹介されており、組織で考える力を向上させられる、実践的かつヒント満載の一冊です。

ほぼ新書サイズで、250ページ程度のコンパクトな本ですが、アイデア発想のための思考法は、ほぼこれ一冊でカバーできると思います。

 さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

l   改善だけだと、同質化を招きやすくなります。ライバル社と比較して、弱い点を強化しようという発想にどうしても陥ります。

  当然ながら、ライバル社も同じ動きをするので、改善するほど、自社とライバル社の商品に差異がほとんどなくなるということが起こるのです

    大事なのは、インプット時の「問い」です。

    相手の意識領域を引き出すありきたりの「問い」ではなく、今まで言語化できなかった無意識領域を引き出す新しい「問い」を立てたいのです。

「知っているつもりだけど実は知らないことはないか?」

「あたりまえのように使っているけれど、他の人たちにとってはどうなのか?」

「いつも同じ方法で調べてわかった気になっていないか?」

いつも同じ人に聞いていないか?」

今までにやったことのない方法で調べられないか?」

今までのやり方を疑い、調査方法を”発明”するつもりで臨みたい

l   森の向こうに何があるかないかがわからなくても、「あの森の向こうには何かあるのだろうか?」という問いを投げかけることができます。

 すると、「森の向こうを見る方法は何かあるのだろうか?」という次の問いが生まれていきます

l   あるチーム(仮にAチーム)は、「井の頭線の車両の中で使いにくいところを探してみたら、何か発見があるんじゃないか?」という問いを設定しました

l   「問い」には4つの種類がある

(1)クローズド・クエスチョン

(2)リミテッド・クエスチョン

(3)オープン・クエスチョン

(4)リピート・クエスチョン 

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深掘りしたいなら

「なぜですか?」

「どうしてですか?」

「どういう意味ですか?」

「もう少しかみくだいて教えてもらえますか?」

広げたいなら

「他にはありますか?」

「それ以外で何かありますか?」

「言い残したことなどあればおっしゃっていただけますか?」

進展させるには

「それで、どうするのがよさそうですか?」

「本当はどうなるといいですか?」

 「何の制約もなければどうしたいですか?」

 「平均」よりも「極端」を大切にせよ

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l   テレビを8台も持っている人がいたら、「なぜそんなにたくさん持っているのですか?」と聞きたくなりませんか。

この時代に「スマホは持っていません」という若い人がいたら、「なぜ持っていないのですか?」と聞きたくなりませんか。

そこに、面白い宝が眠っている可能性を秘めているのです

l   優れたコンセプトを生む3つの「K

「共有力」「期待力」「起点力」 

実際のワークのやり方が詳細に書かれているので、講師、研修講師の方が読んでも、良い勉強になると思います。

ゴールが決まった仕事は、どんどん AIに代替される時代 

人間として必要な「考える力」を養うために、ぜひ読んでいただきたい一冊です。


廃業したパチンコ店が市民の交流拠点に?

 ~京都福知山で見た地域活性化の大成功事例



 

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