魚でも、サボると罰・簡単な計算
2024.07.05.
朝日新聞デジタル
ヒトと同じ脳の回路、集団生活で知能発達
鏡を見て自分かどうか判断できる魚がいる。
協力しない仲間には罰を与える魚や、簡単な計算ができる魚もいる。
そうした、知性を支える脳の基本的な構成自体は人間と大きく変わらないらしい――。
近年、そんな研究結果が相次いで報告された。かつて考えられてきたよりもはるかに頭のいい可能性がある魚。
どこまで「賢い」のだろうか。大阪公立大学の動物社会学研究室の幸田正典特任教授、安房田(あわた)智司教授らは、魚の知性に着目した生態研究 (☜ LINK動画)を続けてきた。
高い知性を持っているかもしれないダテハゼと
ニシキテッポウエビ
例えば、エビの掘った穴を隠れ家にするハゼがいる。
従来はダテハゼがニシキテッポウエビの敵を警戒するかわりに、巣穴を提供してもらっていると考えられていた。
しかし、「詳細に調査すると、利害関係は複雑で、高度な認知能力を駆使して関係を維持することがわかってきた」(安房田教授)という。
エビとハゼが互いにエサを与え合うことや、ハゼが尾の振り方を変えることで、エビに敵の接近を知らせたり、巣の外に呼び出したりしている可能性を明らかにしたという。
鏡に近づくホンソメワケベラ
また、和歌山県から沖縄県にかけてなど、広く生息する魚「ホンソメワケベラ」が、鏡に映る姿を自分だと認識できることを発見。
魚類としては世界初の研究成果だった。
協力しないヘルパーに罰を与えることがわかった「サボリ」
さらに、今年4月には、「魚もさぼると罰を受ける」という研究成果も発表した。
使ったのは東アフリカのタンガニーカ湖に住む「サボリ」という魚。
両親以外の個体が、他の種の侵入者を追い払うなど、ヘルパーとして子育てを手伝う「協同繁殖魚」だ。
ヘルパーの魚を、手伝いができないように2時間、他の水槽に隔離した後、透明のケースに入れて両親がいる水槽に戻したところ、他の水槽に隔離しない場合に比べて、両親から攻撃を受ける時間が長かった。
さらに10分後、透明ケースから出して、手伝いをできる状態にすると、両親からの攻撃時間が長い場合ほど、侵入者を追い払う、手伝いの時間も長くなる傾向にあることがわかった。
チームは、「人と同じように相手の目的を推測する高度な認知能力を持ち、状況に応じて行動を調整していることを示唆している」と考察する。
安房田教授によると、群れなどの集団生活による複雑な社会で認知能力が高まり、自然淘汰(とうた)で知的能力が発達する「社会的知性仮説」があり、これが魚にも適用できるという。
ドイツのチームは2022年、魚に計算能力があるかどうかを調べた。
シクリッドとエイの2種類の魚を使い、1~5個の範囲内で「1」ずつの足し算や引き算ができるかどうかを試した。
数字ではなく、丸や三角などのマークの数を認識させ、マークの色が青の時は1を足したものが正解、黄であれば1を引いたものが正解とし、正解の方にエサを置いて、ルールを学ばせた。訓練に合格して本実験に進めたのは、シクリッドが8匹中6匹、エイは8匹中3匹だった。
本実験に取り組んだシクリッドは7~8割、エイは9割ほどの確率で正解を選択したという。
チームは「魚類が鳥類や哺乳類と同じような認知能力を多く持っているという知見を裏付けるものだ」と説明している。
こうした脳の働きの構造に着目した研究成果もある。
理化学研究所脳神経科学研究センターの岡本仁名誉研究員らは今年3月、ヒトと魚の賢さの共通基盤を発見したと発表した。
チームはこれまでに、魚が周囲の状況に応じた適切な行動を学習し、その記憶を保つことなどを明らかにしてきた。
しかし、ヒトと同じようなしくみによるものか、別のしくみで偶然同じ行動を示すのかはわからなかったという。
ヒトや哺乳類の知的行動では「大脳皮質―基底核回路」と呼ばれる神経回路が、過去の経験をもとに最適な行動を取らせるなど、重要な役割を果たすことがわかっている。
そこで今回、体長3センチほどの「ゼブラフィッシュ」を使って、この回路のつながり具合を調べた。
すると、哺乳類の「大脳皮質―基底核回路」を構成する「大脳皮質」や「線条体」、「淡蒼球(たんそうきゅう)」といった部位にあたる場所もあった。さらに、ヒトと同じパターンの神経回路一式が備わっていることや、役割はわからないが、魚特有のショートカット経路まで存在することがわかったという。
今後さらにゼブラフィッシュの脳を調べることでヒトや哺乳類の脳の基本的な働きを解明できるかもしれないという。
岡本さんはこれらの研究成果から「ヒトと魚で脳の大きさは違っても、知的行動は共通の神経回路で制御されていると考えられる」と説明する。
ヒトや哺乳類の「大脳皮質―基底核回路」は、脳深部に及ぶ複雑なネットワークがあり、詳しい動作原理がわかっていない。
一方、ゼブラフィッシュの場合は主要な構成要素が1ミリの立方体に収まるほどにコンパクトで、全体の神経活動を観察することができる。
岡本さんは、ゼブラフィッシュの研究を続け、幅広い動物の知性を支える共通基盤の動作原理を解明したいという。
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