2023.07.24
by 土井英司のビジネスブックマラソン
アイデアをお金に変えるにはどんな視点を持てばいいのでしょうか?「Pontaカードの父」と呼ばれLoppiの端末やコンビニのセルフレジ導入も手掛けた著者がアイデア発想に関してのアレコレを伝授する一冊を紹介しています。
イチオシのアイデア本⇒『アイデアをお金に変える「マネタイズ」ノート』
本日ご紹介する一冊は、会員数1億人の「Pontaカード」、コンビニ業界初の「セルフレジ」、飲食業界初の「手洗い管理システム」などを生み、現在はコンサルタントとして活躍する著者がまとめた、アイデア発想の本。おそらくローソン時代の功績を認められてでしょう、サントリーホールディングスの社長、新浪剛史さんが本書を推薦しています。
どこの世界でも、大ヒットが出ると、ちょっと「関わった」程度なのに「仕掛けた」とか「プロデュースした」とか言う人が出てくるものですが(笑)、本書の著者は、業界で「Pontaの父」と呼ばれる本物。巻末にはなんと「Pontaカード」の企画書の一部が、新浪社長の確認のサインとともに特別掲載されています。
現在、赤色をしているLoppiの端末のアイデアを考えたのも著者らしく、とにかく実績が半端ない。
本書には、これらのアイデアのベースになった著者の思考やアイデア創出法、タイトルにもなっているノート術が紹介されています。
「拡げる」時は、「小さなメモ帳」
「絞る」時は、A4サイズの「方眼ノート」
という、シンプルなルールをはじめ、著者が実際にやっている方法が紹介されているので、同業者には特に刺さる内容だと思います(土井もアイデア仕事なので、興奮して読みました)。
なかでも、ブレストの基本原則に加え、著者がIDEOのメンバーとセッションを行ってヒントを得たという、「ひとりブレスト」3つの原則、「商品開発4つの窓」、差別化のための「11個の切り口」、広告制作のためのABC理論などは、即役立つ内容で、今すぐ買って読むことをおすすめします。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
アイデアづくりの行程「拡げる→絞る」
具体的に表すと「観察→記録→整理→組み合わせ→仕上げ」
「拡げる」時は、主に「小さなメモ帳」
「絞る」時は、A4サイズの「方眼ノート」
アイデアのように、決まった答えがないものを考えるには、「質問」ではなく「問い」が重要なきっかけになる
マーケティングの4つのC
1.Cost(コスト)
2.Customer
Value(お客様にとっての価値)
3.Convenience(入手のしやすさ、便利さ)
4.Communication(コミュニケーション)
1つの発見から発想を拡げていく
「タテヨコ展開」
「Whyの視点」なぜそうなのかと深掘り
「otherの視点」ほかにも似ているケースはないか
私は、ロルバーン社のメモ帳を使っています。商品名は、「ロルバーンポケット付メモ ミニ」
図や表、太字や下線が引かれている情報は、なるべくノートに書き写す
私が愛用しているのは、コクヨの「セクションパッド」
「ノート1枚」に、「テーマ1つ」が基本
5つの不(不満、不安、不快、不便、不足)
マネタイズできるアイデアは「アクション」が明確
商品開発4つの窓
タテ軸には、「自社発想」と「市場発想」
ヨコ軸には、「類似商品」と「新商品」
「11個の切り口」で差別化
「色を変える」「サイズ・容量を変える」「保証を変える」「素材を変える」「名前を変える」「ターゲットを変える」
「用途を変える」「売る場所を変える」「売る時間を変える」「機能を変える」「価格を変える」。
「温かい商品はより温かく、冷たい商品はより冷たく」見せる
ABC理論
Aは、動物「アニマル(Animal)」Bは、美しさ「ビューティー(Beauty)」Cは、子ども「チャイルド(Child)」
一般的にいう「マネタイズ」を期待して読むと肩透かしを食らいますが、マーケティングや商品開発に関わる人が知っておくべき理論、ノウハウ、行動、心構えのすべてが詰まった一冊です。これまでに読んだ発想術、アイデア術の本のなかでも、トップクラスの実用性と面白さです。
※ メール・BLOG の転送厳禁です!! よろしくお願いします。
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