これ以上の増税は政府による国民の虐待に等しい
鈴木傾城
2023年6月23日
インボイスで免税事業者に増税し、さらに消費税を引き上げていくのであれば、日本経済は回復不能なまでにつぶれていく。
しかし、残念なことに岸田首相はとにかく増税が好きな人間である。なんでもかんでも増税に結びつける。意図的に日本国民を崖から突き落とそうとしているのか?
倒産が増えているこの状況で増税?
2023年10月にはインボイス制度が計画されていて、これに対する反対の声が激しく湧き上がっている。
インボイス制度は多くの人が指摘しているように、「税率の上がらない増税」である。
コロナ禍明けで、ゼロゼロ融資の返済もはじまり、日本の企業は弱っている。
2023年6月8日、東京商工リサーチは負債額1,000万円以上の全国企業倒産件数に関して、『2023年5月は706件にのぼった』と述べている。
倒産件数は2022年4月から14カ月連続で前年同月を上回っているのである。
まさにコロナ禍の悪影響が凄まじく出てきているというのが統計で出てきているのだ。
そうであれば、こんな時期にインボイス制度という「隠れ増税」をすべきではないというのは子どもでも分かる。
インボイス制度に対する反対の声が吹き荒れている
にもかかわらず、岸田政権をこれを強行しようとしているのだから、意図的に日本国民を崖から突き落とそうとしているとしか思えない。
インボイス制度は売り上げ1,000万円以下の免税事業者に網をかけるものである。
この免税事業者というのは、中小企業であったり、個人事業主であったり、フリーランスであったりするのだが、だいたいはギリギリで事業経営をやっているところが多い。そこに景気を回復させずに税金だけ0%から10%に一気に引き上げるというのだから、廃業と解散が大量続出し、これによって日本経済は裾野から崩れていく可能性すらも指摘されている。
インボイス制度に対する反対の声が吹き荒れているわけだが、私自身もインボイス制度は貧困層を拡大させるものであると考えているので大反対している。
消費が減るのは当然。消費税は買い物するたびに受ける罰則
そもそも、日本は30年も成長できていない国である。景気は30年も悪いままだ。
とすれば、政府がやるべきことは1つ。減税によって国民の生活を豊かにして経済を引き上げることである。そんなことは誰でも分かる。
しかし、歴代の日本政府はまったくそれをやらなかった。1989年に政府は消費税を導入して、それをどんどん引き上げて日本経済を衰弱させていった。
普通に考えれば分かることだが、消費税とは消費にかかる罰則だ。「買い物」をするたびに罰を受ける。
ここに税金をかけるというのは、「消費を減らせ」と政府が恫喝しているのも同然なのだから消費は確実に減退する。
免税事業者だった人たちの多くの生活基盤が壊れる
恫喝されてまで消費する人はいない。
消費者の目線で言うと消費税は「お前は消費したのだから罰金を取ってやる」というものなのだから誰もが消費したくないと思うようになって当然なのだ。
それを政府は延々とやってきて日本の内需を殺してきた。
つまり、これからインボイス制度を導入して「税率を上げない増税をする」というのは、「今後も日本経済を消費税の隠れ増税でむちゃくちゃにしてやる」と言っているのと同じことだ。
「インボイス制度を導入してもっと税金を取り立ててやる」と政府が恫喝しているのであれば、免税事業者だった人たちの多くの生活基盤が壊れる。ギリギリでビジネスをやって生きている人たちがトドメを刺される。
大量の中小企業、個人事業主、フリーランスが淘汰されてしまったら、日本のあらゆる仕事が「止まってしまう」わけで、それはインボイス制度とは無関係の人にも大きな悪影響が及ぶようになる。
人手不足は極大化し、物価も上がり、貧困層はより増えていく。誰も消費しないで節約するようになるのだから、企業の売上や利益は間違いなく悪化する。それも日本の社会全体で環境悪化が起きていく。
「税率の上がらない消費増税」であるインボイス制度
日本はすでに少子高齢社会に入っており、高齢者は細々ともらえる年金を頼り、なけなしの貯金を食いつぶしながら生きている。
いろいろな不幸が重なってまったく生活費を持たない高齢者もいるわけで、生活保護受給者の半分は高齢者になっている。
彼らはもう支援なしに生きていけない状況に落ちている。
また若年層や女性も、労働環境が変わって非正規雇用でしか仕事が見つからなくなり、いつクビになるのか分からないうえに、賃金がどんどん低下してしまっている。すでにアンダークラスと呼ばれる貧困層も約1,200万人になってしまっている。
正社員として会社に勤めている従業員も、会社が株主重視経営に変わったことで、賃金上昇が望めなくなりつつある。
いつリストラされてしまうか分からないし、予期せぬリストラで次は非正規雇用者になってしまう恐れもある。
そんな社会になっているのに、ここでインボイス制度を始めたら、状況はさらに悪化するのは当然のことである。多くの人たちのビジネス環境が壊れ、貧困層が増大してしまう。
富裕層や大企業がのうのうと税金逃れしている中で、国民だけが増税による負担を強いられて逃げられない。
すでに国民の負担率は約48%になってしまっており、国民からの不満の声はインボイス制度以外にも上がっている。これ以上の増税は政府による国民の虐待に等しい。消費税が取り入れられてから、日本はどんどん衰弱している。さらに政府は他にもありとあらゆる見えない増税をしており、社会保険料も引き上げ、控除を減らしている。
インボイス制度もその1つである。「税率の上がらない消費増税」であるインボイス制度が取り入れられたら、もっと日本の衰弱のレベルが進む。
消費税の引き下げや廃止は誰もが勝ち組になる政策
そのような状況にあるのだから、私たちは日本政府に「インボイス制度をやるべきではない」と強く声を上げなければならない。そうしなければ2023年10月のインボイス制度は確実にくる。さらに言えば、インボイス制度だけでなく、国民を執拗に苦しめている「消費税」そのものも廃止するように政府に言うべきだ。
そうすることによって、国民の所得は増える。国民の所得が増えたら消費も増える。消費が増えたら企業の売り上げも利益も増える。そうすると所得税も事業税も増える。日本経済は再び成長基調に乗る。財政を健全化するにはむしろ「消費税を廃止して経済を活性化する」のが正しいのだ。消費税の廃止こそ、国民も、企業も、政府も、誰もが勝ち組になる政策なのである。
国民はもう限界……なぜ政府は増税を続ける?
逆にインボイスで免税事業者に増税し、さらに消費税を引き上げていくのであれば、日本経済は回復不能なまでにつぶれていく。
しかし、残念なことに岸田首相はとにかく増税が好きな人間である。なんでもかんでも増税に結びつける。
「貧困対策で増税して分配」「環境を守るために増税」「国防のために増税」「世界平和のために増税してバラマキ」「高齢者が増えた増税して対策」「子どもが減った増税して対策」「財政が逼迫した増税して対策」……。こんな調子なのだ。
実際、2024年からは、たばこ税、法人税、所得税、相続税が増税され、復興等別所得税は期間延長され、保険料も介護保険も引き上げられ、年金は60歳から65歳までの納付が延長され……もう書ききれないほど増税が待っている。
私たちは今から強く政府に働きかける必要がある。私たちが何も言わなければ、なし崩しにインボイス制度で増税が決まる。そして、その後にも多くの増税が私たちに課されることになる。
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