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現役医師が激怒
2023.03.13
by 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
各局のワイドショーで頻繁に報じられる、高齢ドライバーによる交通事故のニュース。
「免許証の自主返納が美徳」という流れが作られつつあるようにすら感じられますが、はたしてそれは正しい答えと言えるのでしょうか。現役医師で作家の和田秀樹さんが、高齢者に免許返納を迫る風潮を、具体的な数字を上げつつ猛烈に批判。さらに事故原因に関する「まともな勉強」もせず、テレビ番組で無責任なコメントを垂れ流す人間を非難しています。
高齢者の事故を騒ぐワイドショー
また、高齢者が事故を起こしてワイドショーが騒ぐ。
菊間とかいうアナウンサーあがりの弁護士は、人が死んでいるのだからと加害者を責め、免許返納を迫る。
人が死んでいるからというが、高齢者でないドライバーだって、年間に2万人に一人は人を殺している。
人が死ぬのが嫌なら、自家用車を禁止すべきではないのか?
一定のメリットがあるから、一定のリスクがあっても、その使用を許すのが公共というものだろう?
高齢者にとって、とくに地方の高齢者にとって、車がないと食べ物も買いにいけない。遊びで車に乗っているのとは違うのだ。さらにいうと、免許を取り上げられたら要介護になる確率が2.2倍になる。
1万人のうち9,999人が死亡事故を起こさないのに、このような偽善コメンテーターのおかげで要介護になり、自由に動けない暮らしを強いられたまま死ぬ。
この責任は誰がとるというのか?
現実に若いやつは自分の楽しみで暴走運転をして人を殺してもニュースにならないのに、年寄りは薬害で意識障害を起こして人を殺すとマスコミに袋叩きにされる。そして、事故を起こしていない人まで車に乗ったら悪いように報じる。
ついでにいうと、人が死ぬとかいうなら、毎年100人も拒食症で死んでいるのになぜやせすぎモデルを追放しないのか、毎年3万5,000人も飲酒関連死があるのに、ビールの飲酒シーンの広告をやめないのか。こういうダブルスタンダードが本当に許せない。そして、自分の父親に免許返納をさせたことを自慢する。
さて、この菊間とかいう弁護士は、父親が2回もてんかんの発作を起こしたので免許を返納させたとのことだ。
それまではそういう発作を起こしていなかったのに、歳をとって発作を起こしたという風にしか聞こえない。
だとするとてんかん発作かどうかはわからない。
確かに歳をとって脳が委縮してきて、溝が深くなるとこの手の脳波異常は起こしやすくなる。
ただ、それ以上に確率が高いのは、やはり薬物がらみの意識障害の発作だ。
てんかんと菊間氏は呼んでいたが、けいれんを本当に起こしていたのか、それとも意識が飛んだだけなのかはきちんとチェックしてほしい。後者であれば、薬物による意識障害の可能性のほうがてんかんよりずっと高い。
それ以上に、この菊間という人が弁護士であり(こういう事犯の担当をすることもあり得る)、テレビのコメンテーターをしながら、高齢者の意識障害やそれを引き起こす薬物について全く勉強をしようとしない態度が許せない。
ここで高齢者の意識障害の勉強をしていたら、もう少しましなコメントができるだろうことだけは間違いない。
池袋の事件でも福島の事件でも、意識障害の可能性を弁護士は探らなかったようだ。
日本は一度資格をとれば弁護士に限らず、医者でも全然勉強しなくてもその資格が保たれ、たまたまその顔がいいとテレビのコメンテーターにまでなってしまう。
本当におそろしいルッキズムの国だ。
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