「トヨタが日本政府と結託」と言いがかり
2023.02.27
by 『CHINA CASE』
中国の自動車製造業トップのBYDが日本で販売するEVの部品に、毒性を有する六価クロムが使用されていたことが判明し、全国に騒動が広がっています。
この騒ぎは中国でどのように報じられているのでしょうか。
日刊で中国の自動車業界情報メルマガ『CHINA CASE』では、非を認めず日本批判に走る中国メディアの反応を紹介。 彼らの主張は論理的に無理があるものの、日本に対して抱いている感情を知る上では参考に値する、と冷静に受け止めています。
BYD六価クロム問題、中国で「姑息な日本の政治問題化」主張も
中国民間OEM最大手のBYD、その日本法人であるBYDジャパンは2023年2月23日、日本で販売するBYD製のEVバスの部品に六価クロムを使用していると発表した。運行中などに人体や環境への影響はないとしている。
2023年末に新たに発売するEVバスには六価クロムを使わずに車両を製造するとした。BYDによる六価クロムの使用をめぐり、日野自動車は3月までに発売予定だった小型EVバス「ポンチョ Z EV」の発売を取りやめていた、 これに対して、中国でも注目が集まっており、「典型的なビジネス問題の政治問題化」として批判する記事などもアップされている。
トヨタが政府と結託?
バイドゥ上で自動車情報を配信している「汽車科学島」は2023年2月23日、本件を取り扱い、日本の法律では禁止されておらず、日本の法律は中国はもとより欧米と同基準で六価クロムの使用を許可している、と指摘。
ただただ日本自動車工業会(JAMA)の自主規制に過ぎない、と指摘。それによれば、JAMAの現会長はトヨタ自動車の豊田章男社長であり、日野自動車はトヨタの傘下、JAMAと豊田氏はそもそも日本政府に近い、としている。
それらに基づき、「典型的なビジネス問題の政治問題化であり、姑息なBYD叩きだ」とした。
BYDのEVバスについては、米国でも排除される傾向にあり、政府からの補助金を受け取れないなど迫害を受けている、と指摘。
背景にはファーウェイなどを先駆けに、欧米による中国嫌いは当然、日本にも受け継がれていると考えているものと思われる。
トヨタがBYDに危機感?
「トヨタはBYDに危機感を持っており、最低でも日本市場から排除したい考えだ」とした上で、「一方でトヨタはBYDと合弁を展開、その方法は“BYD inside/Toyota outside”であり、つまりBYDの技術に依存するもの」と指摘、「トヨタはBYDに対してそこまで追い込まれている」としている。
一汽トヨタが発売開始する予定のセダンEV「bZ3」は確かにこの形を取っている。
「汽車科学島」は、「これが日本だ」と今回のやり方を徹底批判。
日本政府が日本の法律の範疇外の存在であり、悪の権化であって、そこにトヨタとの癒着がある、というような見方で、論理的に無理があると思われるが、中国の一般的な感情としてこうした考えがある、というのは参考に値する。
出典:商业问题政治化问题显现:六价铬成为日本打压比亚迪的荒唐借口 (☞ 日本語訳可)
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